【報道】調査・研究で環境保全に貢献など「南海文化賞」受賞の奄美野鳥の会
- 2026年(最新): 調査・研究を通じて奄美の環境保全に貢献した奄美野鳥の会が受賞しました。
- 2025年: 芭蕉布(ばしょうふ)製造技術の長年にわたる継承に尽力した、知名町の長谷川千代子氏(郷土・民俗部門)が受賞しました。
- 2024年: 希少種保護や生物多様性の保全に大きく貢献した奄美マングースバスターズが受賞しました。
わが国の島嶼などの在来希少種や生態系やヒトに影響をあたえる外来種問題のうち,とくに屋外のイエネコFelis catusを対象とした「イエネコ問題研究会」です.イエネコの完全室内飼育,適正飼養,適正管理対策などによって,島や地域の在来種や在来生態系・生物多様性の保全,人獣共通感染症の予防によるヒトの安全安心,そしてイエネコの健康や幸せを考える研究会です.
【下記に概要.詳細は上記URLを見てください】
マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染リスクが県内で高まっている。茨城県衛生研究所が本県で捕獲された野生イノシシの抗体保有率を調査した結果、県南地域を中心に感染が拡大し、ウイルスの定着に至ったとみられる状況が判明した。県はペットの犬や猫でも感染が確認され始めているとして、予防対策の徹底を呼びかけている。
(中略)
人では,国内で2013年に山口県で初報告.西日本から関東や北海道に拡散.
2025年の国内患者数は191人.
2025年に三重県の動物病院で、猫から感染したと疑われる獣医師が死亡
2025年に茨城県でヒトの初感染.感染者は計2名.
【予防策】
やぶなどに入るときは肌の露出を避け、忌避剤を使ってかまれないように注意.
イヌの散歩では,マダニ付着に注意.
イエネコは,屋内飼養.
【調査結果の概要から】
2019-2013年捕獲された野生イノシシ857頭のSFTS抗体保有率の変化
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/5764.html
【Editorコメント】
WWFジャパンが2024年10月に,この法律と環境保全について解説・提案をしていますので,以下に紹介します.詳細は冒頭のURLをご覧ください. 残念ながら,この環境保全の提案は,とくに外来種問題や感染症問題について,環境省側に法律や基本指針および基準等としては反映されていないのが現状のようです.8月の環境省の外来種リスト改訂における動物名イエネコ改訂の根拠として,環境省はとくに示していなかったためです.
わが国の「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」(下記URL参照)は,1973年に議員立法で作られた法律で,1999年の改正でこの法律名になりました.
環境省所管「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/index.html
以下がWWFジャパンのURLからの抜粋 です.
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「この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵(かん)養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。」
この法律の目的は、「人と動物の共生する社会の実現を図ること」であって、動物を守ることではありません。
「愛護動物」に対する殺傷・虐待や遺棄には、罰則が設定されています。具体的には、「愛護動物」とは、ウシ、ウマ、ブタ、メンヨウ、ヤギ、イヌ、ネコ、イエウサギ、ニワトリ、イエバト、アヒル、及び人の占有する哺乳類・鳥類・爬虫類に属する動物を愛護動物と定義しています。
1)外来生物になるリスク
逃げたり捨てられたりしたペットや家畜は、各地で野生化し、人の生活や生態系に深刻な影響を与える侵略的外来種となるものも少なくありません。
2)感染症を拡大させるリスク
動物由来感染症は、自然界の野生動物と人と暮らす動物の間を相互に伝播し、人へ感染が広まるケースもあります。
また、逆に人の感染症が動物にうつる例もあり、こうした種を超えた伝播(スピルオーバー)は、新たな感染症を生み出す恐れを高めます。新興感染症は、自然に生きる野生動物やその動物が属する生態系にとっても大きな脅威です。
3)需要を拡大し、野生個体の絶滅のおそれを高めるリスク
ペット・ふれあい目的の利用とそれに伴う露出の拡大は、どのような動物もペットとして飼える、という安易な誤解を生むおそれがあります。
このことは、需要の増大と需要を満たすため捕獲・取引の増加を招き、野生個体を絶滅の危機に追い込む原因になる可能性があります。
こうした環境課題すべてを動物愛護管理法が解決できるものではありません。
しかし、同法は、侵略的外来種になる可能性や感染症を伝播する危険性のある種、そして絶滅のおそれの高い種も含め、人が飼育する動物(哺乳類、鳥類及び爬虫類に限るが)を一律に対象とする唯一の法律です。
以上です.
適正に飼育されているイエネコを安易に屋外へ出したり、遺棄したりすることを防ぎ、国民に適正飼養を促すことが、今回の改訂の重要な意図だったと思います。すなわち、「外にいるイエネコ」を防除推進外来種として位置づけることによって、完全室内飼育、適正飼養、遺棄防止、そして屋外にいる個体への対策を一体的に進め,イエネコ問題の解決に一歩前進をはかることが想定されていたと思います。
従来のリストでは、「イエネコ」という種名のもとで、主として「ノネコ(野生化したイエネコ)」が対象とされていました。しかし、外来種による生態系への影響という観点からみれば、問題となるのはノネコだけではありません。屋外を自由に徘徊するイエネコには、ノネコだけでなく、飼い主のいないノラネコや、飼い猫であっても屋外に出ている個体が含まれます。
これらの屋外イエネコは、在来野生動物の捕食、感染症や寄生虫の媒介、交通事故など、野生動物、人の生活、そしてイエネコ自身に関わるさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
したがって、問題の本質は「ノネコだけを対象とすること」ではなく、「屋外にいるイエネコ」という状態そのものを減らし、最終的にゼロにすることにあります。
ところが、一部の批判派は、今回の改訂の趣旨を「屋外の猫が安易に捕獲・排除・殺処分される」という問題へとすり替えたデマで,署名活動や批判キャンペーンを展開しました。
一般の飼い主や動物愛護に関心をもつ人々の間に、「飼い猫が外に出ただけで、直ちに国によって捕獲・殺処分される」といった過剰な不安や誤解が生じることになったと思います.
署名活動やロビー活動(ロビング),一部報道のスクープ活動なども行われ,環境省原案を撤回せざるを得ない状況になりました.
しかし、本来の改訂の趣旨は、適正に飼育されている飼い猫を一律に捕獲・排除することではないはずです.屋外への遺棄や無責任な放し飼いを防ぎ、完全室内飼育などの適正飼養を促進するとともに、すでに屋外にいるイエネコについて適切な対策を進めることにあるはずです.
したがって、政策の趣旨と実際の制度内容を区別し、何が事実で、何がデマや誇張なのかを冷静に理解して行動すべきと思います.
一部では、外来種リストからイヌやイエネコを除外することや、関連する法制度の対象から外すことを求める主張もみられます。
しかし、家畜でありペットのイヌやイエネコは人間の生活に身近な動物である一方、屋外に放置・遺棄された個体については、生態系への影響だけでなく、公衆衛生や動物福祉の観点からも適切な管理が必要です。
例えば、イヌについては狂犬病予防法に基づく感染症対策が行われています。また、イエネコについても、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)やトキソプラズマ症など、人と動物の間で問題となり得る感染症について、適切なリスク管理が求められます。
したがって、イヌやイエネコをその特性やリスクを考慮せず、外来種対策や関連する制度から一律に除外することは、生態系保全、公衆衛生、動物福祉のいずれの面からも,無責任な提案です.問題のすり替え・論点の歪曲によるデマキャンペーンと言えます.
屋外にいるイエネコを放置することは、動物福祉の問題にとどまらず、公衆衛生上の問題にもなります。
イエネコは、SFTSなどの感染症に感染したり、病原体を保有するマダニを運んだりする可能性があります。人への感染リスクを考えれば、屋外を自由に徘徊するイエネコを無制限に放置することは適切ではありません。
また、公園や住宅地など、人の生活圏に屋外イエネコが存在することは、子ども、妊婦、高齢者などを含む住民の不安や感染リスクにもつながります。
したがって、イエネコの命を守ることと、人間の命と健康を守ることを対立させるのではなく、「人と猫の双方を守る」ための対策を考える必要があります。
イエネコ問題をめぐっては、事実関係が十分に確認されないまま、問題の一部だけを強調したり、別の問題に論点をすり替えたりしたデマによる主張がみられます。
また、署名や寄付を募る活動についても、その主張が科学的根拠や客観的事実に基づいているのか、活動によって本当に問題の解決につながるのかを冷静に考え対処する必要があります。
重要なのは、誰が何を主張しているかではなく、その情報が科学的根拠と客観的事実に基づいているかを確認することです。
「かわいい」「かわいそう」という感情だけで判断するのではなく、生物多様性、公衆衛生、動物福祉,そして飼主やネコを愛する方々,それぞれの観点から、情報をファクトチェック(事実検証)して,正しく判断したいものです.
「マッチポンプ的活動」(すり替えデマと誹謗中傷で炎上させ,一方で消火すると見せかけた独善的提案,そして利益誘導)を行なう批判者もいます。安易に署名や寄付をするのではなく、まず情報の真偽を確認し,正しい行動を取ってほしいものです.
屋外で生活するイエネコは、交通事故、感染症、マダニ、他の動物との争い、飢え、暑さや寒さなど、さまざまな危険にさらされています。屋外生活は、イエネコ自身にとっても決して安全な環境ではありません。
不妊・去勢手術を行ったうえで再び屋外に戻すTNR(Trap-Neuter-Return)は、イエネコ対策で使われる場合がありますが,それだけでイエネコが抱える交通事故、感染症、捕食などのリスクをなくすことはできません。
動物愛護とは、イエネコを単に屋外で生き続けさせることではなく、家畜・ペットであるイエネコを本来どおり、危険な屋外環境から守り、屋内で適正に飼育することです。
そのためには、飼い主の責任として、「完全室内飼育」を徹底し、飼い主のいない屋外イエネコについても、保護・収容、不妊・去勢、譲渡、人道的致死処分などを組み合わせながら、最終的に「外にいるイエネコをゼロにする」ことを目指すべきです。
これは,イエネコの命を軽視する考え方ではありません。むしろ、イエネコ自身の命と健康を守りながら、在来野生動物、人の健康、地域の生態系、そして地域社会を守るための、責任ある対策です。
イエネコの習性や生態を正しく理解し、適切な飼い方を知ってほしいと思います。「イエネコがいなくなると、イエネズミ(外来種のネズミ)が増える」という意見があります。しかし、イエネズミも餌や生息環境がなければ増え続けることはできず、餌資源が減れば、やがて個体数は減少していきます。イエネコを外に放すことを、ネズミの防除という理由で正当化することは適切ではありません。
家畜・ペットであるイエネコを室内で適切に飼育し、屋外で自由に徘徊させないことは、イエネコを守ることにもつながります。お家の中で,人とイエネコがいつも寄り添って生活を送れることが,真の動物愛護であるはずです。
以上です.
メ~テレ(名古屋テレビ)2026/8/12(水)16:00
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nagoyatv/region/nagoyatv-036746
(概要,詳細はURLを見てください)
去年、三重県ではSFTSに感染したネコを診察した獣医師が感染し、死亡しました。
ペットから感染しないためにもまずはペットの感染を防ぐことが重要です。 「猫に関して言えば、可能な限り外に出さない、100%室内飼育をお勧めしています」
【発表】
令和8年6月26日
自由民主党政務調査会
鳥獣被害対策特別委員会
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/213639_1.pdf
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【Editorコメント】
イエネコは,屋外を行動すると,在来の野生動物を捕食したり,SFTSやトキソプラズマなどの感染症を人に媒介したりすることがあり,「身近な侵略的外来種」として地域の自然環境に悪影響を及ぼすことがあります。このリスクは,屋外に存在するイエネコのすべてに起きる問題です.ノネコだけでなく,ノラネコも対象で,屋内から屋外に出入りするカイネコでも起こりえます.
イエネコはそもそも家畜で大切なペットのはずです.家族の一員としてのイエネコです.イエネコの動物福祉の観点からも,「完全室内飼育と適正飼養」が、いまや飼い方のスタンダードになっています.
今回の「生態系被害防止外来種リスト」改訂におけるイエネコの記載変更に対して,環境省が変更撤回したということは,今日的課題である外来種対策や,これらのリスク予防,動物福祉への観点の前進的な取り組みを放棄し,旧態依然のタブー的存在にしてしまいました.さらには,今回の改訂の背景である生物多様性国家戦略や生物多様性条約COP15の2030年目標(下記)をも無視して,愛知目標以前(2010年)に戻してしまったと言えるのではないでしょうか?
屋外のイエネコや屋内外を出入りするイエネコによって,迷惑を受けている人や,SFTS感染症やトキソプラズマ感染症など人畜共通感染症などが現実に起きている事態や,屋外のイエネコでロードキル(交通事故)が起きていることも,自分のこととして考えてほしいものです.
屋外のイエネコは生態系等に被害を与える侵略的外来種になります.イエネコは完全室内飼育と適正飼養とすべきです.
「外イエネコゼロ」
Zero Outdoor Cats, Keep Cats Indoors (ZOCKI)
ZERO CAT and Cat-IN
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https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/actionplan2.html
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/actionplan2/actionplan.pdf
第2章 外来種による被害を防止するための行動(p.16-21の要約)
(2)全ての主体による外来種対策の実践に当たっての不足
②認識の不足:国民の外来種問題に対する理解の不足は、「かわいそう」等の心情的側面から外来種防除の必要性に賛同しない、あるいは外来種問題を単純化された善悪の観点で捉えてしまい、関係者への誹謗中傷や外来種の生命を尊重しない態度に陥るなど、侵略的外来種による被害の制御に負の影響を与え得る。これまでに、国民の外来種への認識に関して、一定程度の深化が認められるものの、規制、防除等の詳細に関して十分に認識及び理解が得られている状況であるとは言えない。
(3)不足を踏まえた6つの行動
②国民の外来種対策への参画: 日常生活において、例えばペットや観葉植物などの多くは外来種であるということを認識し、無責任な野外への逸出を防ぎ適切に管理を行う責任がある。
④原因者負担の原則:外来種対策においても、原因者負担の原則は適用される考え方である。侵略的外来種による被害が発生した場合、その対策については、原則、直接的な被害発生の原因となった者が責任を持って行うことが求められる。
外来生物法以外の関係法規制(p. 32から抜粋)
・「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図る)
・「家畜伝染病予防法」(家畜の伝染性疾病の発生予防、まん延防止による畜産の振興)
・「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化によって国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資する)
・「動物の愛護及び管理に関する法律」(国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵(かん)養に資するとともに、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、人と動物の共生する社会の実現を図る)
・ワンヘルス・アプローチ(One Health)
人、動物、環境の健全性に関する課題に対して、医学・獣医学・環境学・生態学などの関係者が分野横断的に協力し、その解決に向けて取り組む。
外来種対策ベストプラクティス集
2026年3月
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/actionplan2/best_practice.pdf
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共同通信2026/06/28
https://news.yahoo.co.jp/articles/db04ddc0904f9d56de72ab42c8bfb5d283e1626a
概要(詳細は上記URLを)
環境省と農林水産省が、生態系に影響を及ぼすため対策が必要な「生態系被害防止外来種リスト」改定で、従来は野生に限っていたイエネコの対象を広げ、人に頼って生きる「野良猫」(ノラネコ)や「飼い猫」(カイネコ)も含める方向で最終調整していることが28日、分かった。
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【Editorコメント】
この記事や他の記事から,下記のように説明できる.
改正外来種リスト:対象種の動物名(標準和名)を「イエネコ」を使う.従来からリスト掲載種名は標準和名を使っていて,これに統一したと言える.
従来の外来種リスト:従来は動物名を「ノネコ」とし,イエネコの野生化したものとしていた.しかし,外来種として問題となるのは,屋外に居るイエネコや屋外へ自由に放浪できるイエネコである.これは,リストに掲載されている他の種においても,屋外に居る個体は外来種として問題となると,同様の扱いと言える.
改正理由:屋内で適切に飼育されているカイネコは防除の対象外.
このため,むやみに外に出したり、遺棄したりしないよう管理徹底が求められている.
法的拘束力はなく、国民に注意喚起する意味合いが大きい。
日本獣医生命科学大学」2026/06/30
https://www.nvlu.ac.jp/news/20260616-01.html/
【新着論文】ネコ科動物を終宿主とする寄生虫「トキソプラズマ」感染が,奄美大島のアマミヤマシギで初確認
東京から南西へ約1,300kmに位置する奄美大島は、アマミノクロウサギやルリカケスなど、多くの固有種が生息する亜熱帯の島です。豊かな自然が残る一方で、島の野生動物は人間活動による様々な影響を受けています。私たちの研究チームは、奄美大島の動物病院や環境省の施設と連携し、救護された傷病動物や自動車事故などで死亡した動物を対象とした病理学的研究を進めています。このたび、中琉球の固有鳥類であるアマミヤマシギにおいて、寄生虫トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)の感染を初めて確認しました。
本研究では、自動車事故などの原因で死亡したアマミヤマシギを島内各地から収集し、遺伝子検査と組織検査の2つのアプローチにより、トキソプラズマの感染状況を調べました。その結果、調査した個体のうち2個体の脳からトキソプラズマの遺伝子が検出されました(感染率9.1%)。このうち1個体では、免疫組織化学検査と透過電子顕微鏡を用いた解析により、心臓の筋肉の細胞内にトキソプラズマが確認されました。
トキソプラズマは、哺乳類や鳥類に感染する単細胞の寄生虫です。この寄生虫は生活環を完結させるためにネコ科動物への感染が必要であり、ネコの糞とともに排出された虫体が、経口的に様々な動物に感染します。奄美大島では、持ち込まれたイエネコの野生化が確認されており、本研究の結果は、野外でネコからアマミヤマシギにトキソプラズマが感染している可能性を示しています。
アマミヤマシギは、「国内希少野生動植物種」に指定され、国の保護対象となっている鳥類です。今回感染が確認された2個体では、感染による明らかな生体への負の影響は認められませんでした。しかし、調査集団には様々な偏りが含まれる可能性があるため、本種への健康影響については、今後も慎重に評価していく必要があります。
本研究の実施に当たり、「バードリサーチ調査研究支援プロジェクト」よりご支援を頂きました。寄付をいただいた35名の支援者のみなさまに厚く御礼申し上げます。
(文責:鈴木遼太郎)
徳之島において、アマミノクロウサギやトクノシマトゲネズミ等の希少種がネコに捕殺される事例が確認されています。また、世界自然遺産登録前には、世界遺産委員会の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)からもノネコを含む侵略的外来種が世界遺産の価値に影響を与える脅威であると指摘を受けており、徳之島において管理計画の策定や適正飼養の推進、飼い主不明ネコの発生・増加の防止、森林域のノネコ対策を一体的・計画的に推進することが求められています。
このことから、この度、徳之島の生態系保全等を目的に、環境省沖縄奄美自然環境事務所、鹿児島県、徳之島3町が共同で、「徳之島における生態系保全のためのネコ管理計画」を策定しました。
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/press_00145.html
https://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/tokunoshima_nekokannrikeikaku.html
環境省・鹿児島県,徳之島町,天城町,伊仙町
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/content/000402754.pdf
https://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/documents/128336_20260528124842-1.pdf
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https://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20260623-GYTNT00177/
(概要,詳細は上記URL参照)
世界自然遺産に登録されている徳之島の生態系を保全するため、環境省沖縄奄美自然環境事務所や県、地元3町は、特別天然記念物「アマミノクロウサギ」といった希少種を捕殺する猫に関する管理計画を策定した。今年度から2035年度までの10年間で、飼養登録がなく、屋外で活動する「飼い主不明ネコ」の発生源をなくすことを目標に掲げている。
県によると、徳之島には元々、猫を含む肉食性哺乳類はいなかったが、餌となるネズミを求めて人の生活圏に現れるハブ対策として、猫を屋外で放し飼いにしてきたとされる。その一部が野生化し、常に山野で生活する「ノネコ」となっており、実際にアマミノクロウサギなどが被害に遭う事例が確認されている。
(中略)
鹿児島県自然保護課「目標を達成するには、地域住民の協力も不可欠。計画に基づいて発生源を断つことができるよう、関係機関が意識を統一して取り組みたい」と話している。
【Editorコメント】
奄美・琉球世界自然遺産登録地で,管理計画は徳之島が最後の策定になった.これで登録地4島(地域)で,屋外イエネコ問題がない西表島をのぞいて,奄美大島,徳之島,そして沖縄島北部地域のすべてにおいて,イエネコ対策の管理計画が策定されたことになる.IUCNと世界遺産委員会からの課題の一つが,まずは達成されたといえる.
奄美大島
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/0328amami.pdf
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/awcc/pdf/roadmap.pdf
徳之島
https://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/documents/128336_20260528124842-1.pdf
沖縄島北部地域
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/content/000168370.pdf
【報道】
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7b14fbaf059eb2b19a9c9163283e6e3cead462d
概要(詳細は上記URL)
マダニが媒介し致死率の高いウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者数が今年、速いペースで増加している。国立健康危機管理研究機構によると、今月7日までの累計は72人。通年で過去最多の192人を記録した2025年の同時期(68人)を上回っている。 都道府県別の累積患者数は静岡、愛知、愛媛、長崎がそれぞれ5人。山口、佐賀、熊本、大分がそれぞれ4人だった。
【報道】
【概要】(詳細は上記URL)
茨城県は16日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に県内在住の60代男性が感染したと発表した。人の感染確認は県内2例目。筑西保健所管内の医療機関から発生届があった。男性の命に別条はなく、現在は県内の病院に入院している。
【発表】
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idss/target-diseases/sfts/index.html
野良猫への餌やりについても同様.餌を与えるのであれば、不妊去勢やウンチの処理、近隣への配慮まで含めて責任を持つ必要がある。
動物愛護とは、単に餌を与えることではなく、人と動物が地域で共存できる環境を整えることなのだと思います。「かわいそうだから」という気持ちだけで行動するのではなく、地域住民にどのような影響を与えているのかまで問われる時代になってきている。