2022/03/21

【報道】奄美の森に「キョロローン」 独特のさえずりで生息調査、国の天然記念物・オオトラツグミ 最多確認 外来種対策が効果「回復傾向」

 南日本新聞373news.com

2022/03/21 07:43  

概要

奄美大島だけに生息する国指定天然記念物・小型鳥類オオトラツグミの一斉調査が20日、奄美市と宇検村を結ぶ奄美中央林道(42キロ)など4カ所であった。1994年から観測している林道では、最多の107羽を確認。開始当初、50羽以下だった生息数はこの4年間に100羽前後で推移し、回復傾向にあるという。

(以下略)


2022/03/19

【報道】野良猫ゼロ達成か 西表島、「最後の2頭」 捕獲成功なら世界でも先進事例

八重山毎日新聞
 
概要 
 
世界自然遺産登録地域の沖縄県西表島の生態系や絶滅危惧種イリオモテヤマネコPrionailurus bengalensis iriomotensisを守るため,2004年から18年間の「野良猫保護収容事業」(竹富町委託:NPO法人どうぶつたちの病院沖縄(長嶺隆理事長、うるま市))によって,ペットのイエネコFelis catusの半野生状態のノラネコ生息数ゼロを達成か?と報道されました.
 
世界的にも先進的事例になります.西表島では,イエネコが完全に野生化したノネコはすでに存在せず,半野生状態のノラネコが存在していました. 西表島では,絶滅危惧種イリオモテヤマネコへのイエネコからの感染予防や生態系保全のために,外来イエネコ対策が実施されてきました.
 
「これまでの合計捕獲数は505頭で、ほとんどが飼い主の元に返されたり譲渡された」といいます.「ここ数年は捕獲ノラネコで猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)の感染例もない」とのことです(図). 
 
「島内の飼い猫は2021年11月末時点で132頭で,条例に基づくワクチン接種99.3%,不妊化手術100%,マイクロチップ装着99.3%と非常に高い数値を保っている」とのことです。 「竹富町の飼養条例が施行され10年たち、新たにネコを飼いたいという人も増えてきている。条例を順守し、西表島の自然を守ってほしい」(同病院の中西真紀子獣医師),「今後、見つからない期間が続き、野良猫ゼロ宣言を出せるよう目撃情報の収集やセンサーカメラなどでモニタリングを継続し、警戒していきたい」(世界自然遺産推進室の仲盛敦室長補佐)とのことです.

2022/03/16

【報道】奄美大島における外来生物(ノヤギ)の生息状況報告会(鹿児島県自然保護課主催)2022年3月15日開催

外来種としての対策が急がれるノヤギは,20101130日から構造改革特別区域法に基づき,奄美大島(奄美市,大和村,宇検村,瀬戸内町及び龍郷町の区域)において,狩猟鳥獣に追加されました。しかし,捕獲個体は「屠畜法(1953年)」に基づき適正に処理する必要があるため,事前に関係市町村又は鹿児島県名瀬保健所衛生環境室に問い合わせが必要とされています.

 

ノヤギは「屠畜法(1953年)」で獣畜に指定されているため,食肉用には屠殺場での処理,廃棄には指定場所への埋却処理が必要です.なお,獣畜には「山羊,めん羊,牛,馬,豚」が含まれます.他の野生大型獣(イノシシ,シカ,クマ)は「屠畜法」に関係しないので,捕獲個体の利用はほぼ自由ですが,ノヤギの規制は狩猟者のインセンティブを低下させています.

 

野生下の生息数が増えないうちに,外来種根絶事業としての対策が早急に必要ではないでしょうか?

 

参考文献(例)

奄美群島の外来種
東京都の取組 - 父島列島のノヤギ排除
ノヤギ_小笠原自然情報センター
鈴木 , 堀越 和夫, 佐々木 哲朗, 川上 和人.2019.小笠原諸島聟島列島におけるノヤギ排除後の海鳥営巣数の急激な増加.日本鳥学会誌68: 273-287

 

以下が,下記の報道の概要です.

 

奄美新聞2022年3月15

南海日日新聞2022年3月16

南日本新聞2022年3月16

 

概要
2021
年度の海上(沿岸部)調査では前回7年前(2014年)と比べ約1.3倍(165頭)増の642頭のノヤギを確認し,ノヤギは過去より増え,世界自然遺産の核心部や森林部にも分布は広がっている.鹿児島県は「より効率的な捕獲手法などを検討していきたい」とした.


確認数が最も多かったのは請島与路島間の189頭(前回調査127頭),山間古仁屋間173頭(同113頭),加計呂麻島102頭(同93頭)、大棚屋鈍間100頭(同53頭)であった.

奄美大島では2010年度に「ノヤギ特区」が認められ,狩猟登録者がノヤギを捕獲できる.法的にはノヤギも「家畜」のヤギとしか認められず、食用にする場合は生け捕り後に屠畜場で解体する必要がある。銃で駆除する場合は保健所に許可申請をした上で指定の場所に埋めなくてはならず、食用には利用できない。埋却場は島内に1カ所(奄美市名瀬)しかないという.

猟友会の関係者からは「駆除しても個人消費ができないため意欲が湧かない」との意見があったほか、「ノヤギの警戒心が強くなっていてすぐに森林の中へ逃げてしまう。捕獲が難しくなってきている」との報告もあった。

2022/03/08

【報道】2021年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲結果の報告(環境省・鹿児島県・地元市町村)

 環境省などは,奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等の検討会を2022年3月7日に開催し,2021年度の結果や成果(速報値)などを公表しました.以下は報道の概要です.

1.【報道】奄美大島でノネコ104頭捕獲 2021年度、捕獲地域拡大で捕獲数5倍 
3/8(火) 17:01配信 毎日新聞(Yahooニュース)神田和明】

概要
2021年度はこれまで島の南東部中心(約100平方キロ)だった捕獲エリアを南西部にも広げ、全島の約半分に当たる約385平方キロに計430基のわなを設置.
 
2021年度は1月末時点で104頭を捕獲.2021年度から対象地域を従来より3・8倍拡大したため、捕獲数は前年度(21頭)の約5倍に急増.
 
捕獲したノネコには地元自治体がいったん捕獲後に不妊手術を施して再び放ったTNR個体も35頭含まれていた。TNR個体の放獣地点から直線距離で約10km移動した猫もいた.山中での繁殖や集落をまたいで広域に生息している.
 
ノネコの捕獲は環境省と県、地元5市町村が策定した管理計画に基づき2018年7月から開始.当初の生息数を600~1,200頭と推定.2023年度までに捕獲エリアを全島に段階的に拡大する計画。
 
同省担当者は「さらに捕獲エリアを広げれば生息密度を減らす効果が出るはず」とし、2027年度までにほぼゼロにすることを目指す。
 
環境省の奄美群島国立公園管理事務所は「これまでの取り組みで捕獲方法や対策の仕方が確立できた。目標である低密度化をしっかり達成するため,市町村や県など関係機関と連携していきたい」としている。

2.【報道】世界自然遺産に登録の鹿児島・奄美大島 野生化した猫「ノネコ」捕獲状況について説明 
3/8(火) 12:16配信鹿児島ニュースKTS(Yahooニュース)

3.鹿児島・奄美大島「ノネコ」捕獲300匹超える
MBCニュース[03/08 11:58]

4.希少種襲うノネコ対策で調査や捕獲対象地域を全島に拡大へ
NHK News WEB 鹿児島NEWS WEB
03月08日 14時42分

2022/03/06

【報道】鹿児島県・奄美大島マングース防除事業検討会 2023年度までに「根絶宣言」目指す、 マングース4年間捕獲ゼロ「防除記録集」の作成

 


概要
環境省(奄美群島国立公園管理事務所)は、2021年度検討会を開催して新聞報道しました.

4年間マングースの生息は確認されていないとし、2023年度までに根絶宣言を目指す方針。また、根絶に至る「防除事業の記録集」を2025年度までに完成・公表するとした。マングースは、2018年4月の捕獲を最後に、2022年1月現在まで約4年間捕獲はない。

マングースに生態系を影響される在来生物のモニタリング結果として、アマミノクロウサギとアマミヤマシギの増加が著しいく,またアマミトゲネズミとケナガネズミの分布が広範囲に及んでいる―とした。  一方、「マングースの減少と在来生物数の回復の因果関係は、更なるデータ蓄積と整理が必要」との提言も出た。

2022/03/02

【報道】自然界でもシェアハウス  徳之島で希少種が同じ巣穴を有効活用

みんなの経済新聞Local News Network

2022年3月2日09:30配信

(奄美群島南三島経済新聞から)
徳之島町山地区の林美樹(農業)のニライカナイ農園で,アマミノクロウサギの巣穴を,トクノシマトゲネズミと思われるネズミが共用している写真が撮影された.「長年アマミノクロウサギを研究している奄美野生生物保護センターの鈴木真紀子さんは「左の個体はトクノシマトゲネズミと思われる。巣穴を利用しているのは今まで見たことがない。もし、これがトゲネズミだとすると、たまたま入った可能性が高いと思うが、継続して観察してみると面白い」と今後の研究に興味を示す。同種は大きな木の根元にできた洞(うろ)などで生活・繁殖しているといわれている。」