2020年1月17日金曜日

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やんばるネコの食性研究論文

【論文】
タイトル:Predation on Endangered Species by Cats in the Northern Forests of Okinawa-Jima Island, Japan
著者:Shun Kobayashi, Takaya Kinjo, Yubi Kuroda, Michio Kinjo, Yoko Okawara, Masako Izawa, Manabu Onuma, Atsushi Haga, Yumiko Nakaya, Takashi Nagamine


Abstract:


Okinawa-jima Island is a part of the Ryukyu Archipelago, Japan and some endemic animals occur. Many of the native animals are limited to the northern part of this island. Here, we examined the predation effect by domestic cats on native species in the northern part of the island. Route surveys were conducted from September 2017 to February 2018, and cats were captured from 2013 to 2018. In total 60 scats (36 by route surveys and 24 from seven captured cats) were collected. At least 16 animal species were found in domestic cats' scats. Traces of endemic Okinawa spiny rats (Tokudaia muenninki) were the most frequently found from scats collected by route surveys (61.1% in total; 71.4% in the core route, set around the distribution area of Okinawa spiny rats), followed by Ryukyu long-furred rats (Diplothrix legata) (16.7% in total; 21.4% in the core route). Our results showed that domestic cats might exert a significant predation pressure on native endemic vertebrates, especially on Okinawa spiny rats.

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徳之島ネコの食性研究論文


 【論文】
タイトル:Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island
著者:Tamao Maeda, Rumiko Nakashita, Kazumi Shionosaki, Fumio Yamada, and Yuya Watari
掲載誌:Scientific Reports、9巻16200(2019年11月7日付け)
DOI :https://doi.org/10.1038/s41598-019-52472-3

引用: Maeda, T., R. Nakashita, K. Shionosaki, F. Yamada and Y. Watari. 2019. Predation on endangered species by human-subsidized domestic cats on Tokunoshima Island. Scientific Reports 9: 16200, DOI :https://doi.org/10.1038/s41598-019-52472-3


【森林総合研究所プレスリリース2019年11月19日付け】
「人が餌をあたえるネコが希少種を捕食する ― 人の生活圏で暮らすネコが自然環境に与える影響を解明 ―」
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2019/20191119/index.html
 

ポイント
 • 徳之島の森林域で捕獲されたネコの糞を分析したところ、アマミノクロウサギなどの希少種を捕食していることが分かりました。
 • 一方、これらのネコの体毛の分析から、普段は主にキャットフードを食べている個体もいることが分かりました。
 • 人が餌やりをする放し飼いネコ、飼い主のいないネコが森林に入り込み、希少種を捕食していることを示しました。

概要

国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所は、京都大学、(株)奄美自然環境研究センターと共同で、人が餌やりをするネコが、希少種を捕食している実態を明らかにしました。
本研究では、国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギなどの希少種が生息し、世界自然遺産の推薦地にもなっている徳之島において、ネコの糞の内容物分析および体毛の安定同位体比分析によって、ネコが何を食べているのかを調べました。
森林域で捕獲されたネコの糞を分析した結果、その2割のネコが、捕獲前の数日間にアマミノクロウサギなどの希少種を捕食していました。ところが、体毛の安定同位体比分析から、これらのネコの中に普段はキャットフードを食べている個体がいることがわかりました。この結果は、普段は人の生活圏に暮らす、放し飼いネコや飼い主のいないネコが森林に入り込み、希少種を捕食していることを示しています。
ネコの適正飼養は、ネコの福祉や人獣共通感染症の観点から必要性が訴えられてきましたが、希少種を守るためにもその徹底が必要です。
本研究成果は、2019年11月7日に、国際学術誌「Scientific Reports」でオンライン公開されました。

背景

ネコは伴侶動物として最も身近な存在であると同時に、世界各地で在来種の減少や絶滅を引き起こす侵略的外来種としても知られ、IUCN(国際自然保護連合)の世界のワースト外来種100に掲載されています。日本でも、ネコによる在来種の捕食が各地で報告され始めており、環境リスクとしての社会的認識が高まりつつあります。
外来種としてのネコには大きな特徴があります。それは、通常の外来種とは異なり、人の生活圏で暮らす個体が自然環境に入り込む点です。これにより、在来種への影響が通常の外来種よりも強く生じることが懸念されてきました。しかしながら、ネコが在来種におよぼす影響に、人がどう関わっているのかを評価した研究は、これまでほとんどありませんでした。

内容

本研究は、ネコが在来種におよぼす影響に、人がどう関わっているのかを調べるために、世界自然遺産の推薦地の一部である鹿児島県徳之島において行いました。この島には国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギや、天然記念物であるケナガネズミ、トクノシマトゲネズミなどが生息しており、これらの希少種に対するネコの捕食が大きな問題となっています(写真)。徳之島の特徴は、希少種の生息する環境と人の生活圏が隣接していることで、人家のすぐ裏山でアマミノクロウサギが目撃されることがあるような地域です。
本研究では、捕獲されたネコから糞と体毛を採取し、糞の内容物分析および体毛の安定同位体比分析*1によって、その食性を調べました。糞の内容物分析では、捕獲される前の数日間に何を食べたかが、体毛の安定同位体比分析では、そのネコが数ヶ月の間に主に何を食べていたかがわかります。
糞の内容物分析の結果、森林域で捕獲されたネコの約2割が捕獲前の数日間に絶滅危惧種に指定されている希少種を捕食していました。捕食された希少種は、アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、トクノシマトゲネズミ、アカヒゲ、アマミハナサキガエル、ジネズミ類の6種でした。一方、これらのネコの体毛の安定同位体比分析の結果からは、体の組成の約7割がキャットフード由来であることが分かりました。つまり、普段はキャットフードを主に食べているネコが森に入り込み、絶滅危惧種を捕食していたのです。これらのネコは、普段は人の生活圏にいる放し飼いネコや飼い主のいないネコだと考えられます。また、これとは逆に、人家周辺で捕獲されたネコの体毛の安定同位体比分析から、これらのネコの一部は過去、数ヶ月の間に、森林に生息する動物を食べていたことが分かりました。これは人家周辺のネコが、実際に人の生活圏と森林を行き来していることを示しています。

今後の展開

本研究により、普段は人の生活圏で暮らすネコの一部が森林に入り込み、希少種を捕食していることがわかりました。放し飼いネコや飼い主のいないネコについては、これまでネコの感染症や交通事故といったネコの福祉の問題、人獣共通感染症などの公衆衛生の問題として取り上げられることが多かったのですが、今後は自然環境に対するリスクとしてもとらえる必要があります。今回の結果から、ネコによる希少種の捕食を減らすには以下の点が重要だといえます。
 • 自然環境と隣接している地域では、ネコは屋外に出ると侵略的外来種になりうることを認識する必要があります。
 • 希少種を保全するためには、自然環境におけるネコの捕獲と、人の生活圏におけるネコの適正管理を一体化して進めることが不可欠です。
 • ネコの放し飼い、飼い主のいないネコへの餌やりは、周辺の自然環境にリスクを与えうることを認識しなければなりません。
 • ネコの適正飼養の徹底、特に室内飼養の制度化が望まれます。
本研究は、ネコによる希少種捕食に人が関わっていることの科学的エビデンスを示しており、ネコの適正飼養の議論において広く活用されることが期待されます。
 
【お問い合わせ先】
研究推進責任者:
森林総合研究所 研究ディレクター 尾崎研一
研究担当者:
森林総合研究所 野生動物研究領域 鳥獣生態研究室 亘 悠哉(わたり ゆうや)
広報担当者:
森林総合研究所 広報普及科広報係
Tel: 029-829-8372 E-mail:kouho@ffpri.affrc.go.jp

 

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外来ネコ問題研究会主催連続シンポジウム第2回シンポジウム 

「野放しのペット動物が引き起こす問題と

求められる適正飼養

―自然生態系,人獣共通感染症,そして人間」

主催:外来ネコ問題研究会
後援:(一社)日本哺乳類学会
協力:早稲田大学野生動物生態学ゼミ協力

趣旨
野放しのペット動物がさまざまな問題を引き起こしています.在来種捕食,感染症媒介,さらには人間社会への影響などがあります.今回の連続シンポジウムでは,第1回目(7月20日)で法制度の問題,自然生態系への影響,そして人獣共通感染症に関する最新の研究成果,「動物愛護管理法」の改正状況を紹介し,野放しペットの管理と適正飼養(室内飼育)の必要性について考えました.第2回目(9月7日)では,ネコ問題の全体像,日本各地の事例,感染症問題の概要,適正飼養の考え方,飼養に関わる法制度上の課題を紹介し,改めて野放しイエネコの管理や飼養のあり方について考えます.

開催日時:2019年9月7日(土)13:00~18:00
開催場所:早稲田大学14号館102教室 〒169-8050 新宿区西早稲田1-6-1
交通・アクセス:JR山手線・西武鉄道新宿線 高田馬場駅から徒歩20分,地下鉄東京メトロ東西線 早稲田駅から徒歩5分,副都心線 西早稲田駅から徒歩17分,都バス学02(学バス)高田馬場駅 – 早大正門,都バス 早稲田停留所,都電荒川線 早稲田駅から徒歩5分.

内容:
13:00~13:10 開会のあいさつ・シンポジウムの趣旨説明 山田文雄(外来ネコ問題研究会)
基調講演
13:10~13:40 1. 守るべき自然とネコ問題 日本と世界 山田文雄
13:40~14:10 2.
日本の離島で繁殖する海鳥とネコに対する脆弱性 風間健太郎(早稲田大学)
14:10~14:40 3.
南の島のエコシステム ー独自の進化とネコの脅威- 亘 悠哉(森林総合研究所)
休憩(10分)
14:50~15:20 4.ネコが関連する人獣共通感染症 宇根有美(岡山理科大学)
15:20~15:50 5.ネコの適正飼養
ーめざすべきゴールを示す 長嶺 隆(NPO法人どうぶつたちの病院)
15:50〜16:20 6. ネコ(ペット)が引き起こす諸問題に対する社会的・法的アプローチ 諸坂佐利(神奈川大学)
休憩(10分)
16:30~18:00
パネルディスカッション 
石井信夫(東京女子大学),山田文雄,風間健太郎,亘 悠哉,宇根有美,長嶺 隆,諸坂佐利
閉会(18:00)

本シンポジウムは,外来ネコ問題研究会メンバーによる書籍発刊も記念しています.当日は会場での購入申込みを受付け,後日出版社からの送付を予定しています.
・日本語版翻訳「ネコ:かわいい殺し屋」(原著Cat Wars: The Devastating Consequences of a Cuddly Killer,著者Peter, P. Marra and Chris Santella)(翻訳 岡 奈理子・山田文雄・塩野崎和美・石井信夫)築地書館(2019年刊行)
・「奄美のノネコ 猫の問いかけ」(鹿児島大学鹿児島環境学研究会 編)南方新社(2019年刊行)

なお,今回は講演要旨の配布を準備中で,第回目シンポジウムの講演要旨とともにホームページに掲載予定です.
 
連絡先:山田文雄(外来ネコ問題研究会 invasivecatrj@gmail.com





 

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伊丹市昆虫館 2019年度特別展 琉球列島 ~生物多様性の宝庫~

 世界自然遺産登録を目指す奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島が含まれる琉球列島。世界的に見ると小さな島々の集合に過ぎないが、しかし生物に焦点を当てると、そこにしかいない固有種など多様な生きものが生息するʻ生物多様性の宝庫ʼである。魅力あふれる生きものの数々、琉球列島の生物学的な重要性、そして絶滅危惧種の保全や外来種対策といった危急の問題について、一般の方々に知ってもらうことが本展示の目的である。
 本展示では、琉球列島の成り立ちから、そこに生息する昆虫をはじめとした生物の紹介、そして絶滅危惧種の保全に関する調査研究の発表についても行う。
期間:
第1部:2019年7月24日(水)~2019年9月 2日(月)[パネル・標本・生体展示]
第2部:2019年9月4日(水)~2019年12月23 日(月)[パネル・標本展示]
場所:
伊丹市昆虫館 1階 特別展示室(メイン会場)
2階 第2展示室(湊和雄写真展、生体展示ほか)

琉球列島の生物多様性シンポジウム

日時:2019 年8 月24 日(土)10:30~16:30
会場:東リ いたみホール 中ホール
講演内容:
 
1.太田英利(兵庫県立大学):琉球の動物たち:その多様性・固有性の現在、過去、未来
2.荒谷邦雄(九州大学):琉球列島の昆虫相はなぜ豊富?〜ヤンバルテナガコガネとマルバネクワガタ類を例に〜
3.城ヶ原貴通(沖縄大学):トゲネズミの興味深い生き様~生物保全と生命科学研究を繋げる~
4.長嶺隆(どうぶつたちの病院沖縄):飛べない鳥・ヤンバルクイナの発見から37 年~不思議な鳥の魅力~
5.山田文雄(森林総合研究所):遺存固有種アマミノクロウサギの生態と保護の取り組み

 

 

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猫の適正飼育を訴えるACジャパンの支援キャンペーン広告「にゃんぱく宣言」が7月1日に公開された。

さだまさしさんの名曲、「関白宣言」。曲中で歌われる亭主から妻への小言を、猫から飼い主へのメッセージに置き換え、「にゃんぱく宣言」として猫の適正飼育を訴えます。さだまさしさんご本人に作詞作曲をお願いしました。「関白宣言」を連想させるCMソングで具体的な適正飼育の内容を歌い上げ、飼い主がかけがえのないパートナーとして猫の一生に添い遂げてあげることの大切さを伝えます。

●支援団体:日本動物愛護協会

●広告会社:東急エージェンシー
●掲載メディア:テレビ/ラジオ/新聞/雑誌 他
向こう1年登場予定(らしいです)

「にゃんぱく宣言」は、日本動物愛護協会の活動を支援するためにACジャパンが制作した広告。さだまさしの名曲「関白宣言」で歌われる亭主から妻への小言を猫から飼い主へのメッセージに置き換え、猫の一生に添い遂げることの大切さを伝えている。CMでは、作詞作曲に加え歌唱もさだまさしが担当。以下が「にゃんぱく宣言」の内容となっている。
動物の多頭飼育崩壊が問題になる中、この広告には「ACやりやがったな!これは良い!」「そして『俺より先に、死んではいけない。』本家の名言です」「次はわんぱく宣言よろしく」「頼れるのは、守れるのは、飼主であるあなただけ。責任を持って愛を貫こう」といった声が寄せられ、大きな反響となっている。



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神奈川新聞「輸入コンテナに「迷い猫」注意を 狂犬病ウイルス流入恐れ」2019年06月30日 08:00

https://www.kanaloco.jp/article/entry-178400.html

輸入されたコンテナに迷い込んだ猫などの動物から狂犬病ウイルスが国内に流入する恐れがあるとして、動物検疫所(横浜市磯子区)は注意を呼び掛けている。日本国内での感染による狂犬病の発症は60年余り確認されていないものの、致死率が極めて高い。発生している海外から輸入されたコンテナ内で猫などが見つかる事例が後を絶たず、10年間で187頭・羽。捕獲されず逃げ出した場合もあるとみられ、発見時は隔離した上で通報するように求めている。

 狂犬病ウイルスは犬に限らず、猫やキツネなど哺乳動物であれば感染する可能性がある。北米ではアライグマ、スカンク、コウモリなどの感染が確認されている。


輸入コンテナに迷い込んだ猫などの推移

 狂犬病予防法に基づき犬や猫などの輸出入検疫を行っている動物検疫所によると、輸入したコンテナに迷い込んだ状態で発見された「迷入猫」は毎年、全国各地から8~25頭が報告され、2009年~19年5月16日の間に181頭。猫以外では、カナダからのコンテナ内で09年にアライグマ、米国から15年にスカンク、16年にウサギ4羽がそれぞれ見つかり、捕獲された。

 発見時に衰弱したり、すでに死んだりしている事例がある一方、逃げ出して報告されていない場合もあるとみられる。これまでに捕獲した猫などからは狂犬病ウイルスは検出されていないという。


 狂犬病による死者の約9割がアジアで発生している。18年は16頭の迷入猫が見つかり、コンテナが輸入された国・地域別の内訳をみると、中国と台湾が各5頭、韓国、メキシコ、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールが各1頭。いずれも農林水産相が指定する狂犬病清浄国・地域ではない。19年は5月16日現在で12頭だった。


 コンテナは港内だけでなく、内陸の工場や物流施設などさまざまな場所まで直接運ばれ、扉が開けられる。そのため、動物検疫所の担当者は「迷入猫を国内に逃がさないように、全国の輸入関係者や物流事業者、保健所などは意識と情報を共有する必要がある」と強調する。


 動物検疫所は、迷入猫が見つかったと通報があれば職員が現地に赴いて捕獲する。「万一、猫などに人がかまれた場合はすぐに保健所に連絡するように」と話している。問い合わせは、動物検疫所動物検疫課電話045(751)5973。


 ◆狂犬病 狂犬病ウイルスによる感染症で、傷口からウイルスが入り、神経を伝わって脳を侵す。発症後の有効な治療法はなく、発熱、頭痛などの症状が出て、ほぼ100%死亡する。世界では毎年約5万人が命を落としている。狂犬病清浄国は日本のほか、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、米ハワイ、米領グアムの6カ国・地域。日本国内の感染で人が発症した最後の事例は1956年で1人が死亡。その後、70年にネパールで犬にかまれた1人が、2006年にはフィリピンで犬にかまれた2人が、それぞれ帰国後に発症して死亡した。


 

 

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外来ネコ問題研究会主催連続シンポジウム第1回シンポジウム

ペット動物の屋外飼養が引き起こす問題と

求められる適正飼養

−自然生態系,人獣共通感染症,そして人間

(参加無料,事前申し込み不要)

開催日時:2019年7月20日(土)13:00~18:00
開催場所:早稲田大学8号館B102教室(304人)(〒169-8050 新宿区西早稲田1-6-1)
交通:JR山手線高田馬場駅から徒歩20分,西武鉄道新宿線高田馬場駅から徒歩20分,地下鉄東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5分,副都心線西早稲田駅から徒歩17分,バス     都バス学02(学バス)高田馬場駅 – 早大正門,都バス早稲田停留所,都電     荒川線早稲田駅から徒歩5分.

主催:外来ネコ問題研究会
助成:自然保護助成基金「第29期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成」
協力:早稲田大学野生動物生態学ゼミ

趣旨:野放しのペット動物がさまざまな問題を引き起こしています。在来種捕食、感染症、さらには人への影響などがあります。今回の連続シンポジウムでは、第1回目(7月20日)で法制度の問題,自然生態系への影響、そして人獣共通感染症に関する最新の研究成果を紹介し、さらに「動物愛護管理法」の改正状況を紹介し、野放しペットの管理と適正飼養(室内飼育)の必要性について考えます。第2回目(9月7日)では、これらの講演に加えて、現在実施されている「奄美大島の生態系保全のためのノネコ管理計画」の進捗状況と課題について紹介し、野放しイエネコの管理や適正飼養のあり方について考えます。

内容:
13:00~13:10 開会のあいさつ・シンポジウムの趣旨説明 山田文雄(外来ネコ問題研究会)
基調講演
13:10~13:50 1.いわゆる「ネコ問題」とは何か?-問題の概要と所在、わが国の現行法制度のこれまでの対応と課題、そしてこれからの展望について-諸坂佐利(神奈川大学)(参考文献
16:50~18:00 パネルディスカッション 石井信夫(東京女子大学)・諸坂佐利・亘 悠哉・宇根有美・高島康弘・草刈秀紀
閉会 18:00

本シンポジウムは,外来ネコ問題研究会メンバーによる書籍と分担執筆の書籍の発刊も記念しています.

・日本語版翻訳「ネコ:かわいい殺し屋」(原著Cat Wars: The Devastating Consequences of a Cuddly Killer,著者Peter, P. Marra and Chris Santella)(翻訳:岡 奈理子・山田文雄・塩野崎和美・石井信夫)築地書館(2019年刊行)
・「奄美のノネコ 猫の問いかけ」(鹿児島大学鹿児島環境学研究会 編)南方新社(2019年刊行)

なお,第2回シンポジウムは,2019年9月7日(土)13:00~18:00,早稲田大学14号館102教室(293人)を予定しています.

連絡先:山田文雄(外来ネコ問題研究会 invasivecatrj@gmail.com












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下記のとおり,シンポジウムの後援(下記1)と開催(下記2)のご案内を予めお知らせします.今後確定しましたら再度お知らせします.多数のご来場をよろしくお願いいたします.

徳之島での「外来種シンポジウム」 (仮)予報

1.趣旨 奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島は、最速で2020 年の世界自然遺産登録を目指している。2018 年5 月に示された国際自然保護連合(IUCN) の延期勧告では、推薦地の生物多様性に負の影響を与える侵略的外来種の駆除管理の取り組みの推進が必要であるとの指摘を受けた。外来種は、生物多様性に影響を与えるだけでなく、ヒアリに代表されるように、住民生活に対し直接的な脅威を与える可能性もある。しかしながら、一般住民にとって外来種は決して身近な存在とはいえず、外来種侵入に対するリスクの認識は十分ではない。近年徳之島においても希少野生動物の研究や保全については積極的に推進されつつあるが、今後は世界自然遺産の価値となる希少野生動物だけでなく、地域の豊かで安全な暮らしを外来種から守っていくためにも、地域住民との協働による取り組みの推進が必要となる。本シンポジウムの開催により、ひろく一般住民に対し、外来種に関する理解を深め、2019 年夏に予定されているIUCN の現地視察に向けた、地域住民の機運醸成につなげる。 
2. 開催時期(予定) 201 9 年6 月29 日13:30~16:00 
3. 開催場所(予定) 天城町役場4 階ユイの里ホール(来場者120 名想定) 
4. プログラム(約2 時間30 分想定?) 1.趣旨説明・・・. 1 0 分 城ヶ原貴通(宮崎大学) 徳之島での希少種保全の現状と外来種対策の必要性 II. 基調講演・・・・6 0 分 五筒公一氏(国立環境研究所) 休憩15 分 ※会場から質問シート(事前配布)を回収。パネルデイスカッション内でいくつかの質問について議論・回答 III. パネルデイスカッション テーマ「世界自然遺産を目指す徳之島での外来種対策」・・・50 分 
コーディネーター 城ヶ原貴通氏(宮崎大学) パネリスト 五箇公一氏(国立環境研究所) 亘悠哉氏(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所) 宮本旬子氏(鹿児島大学) 岩浅有記氏(環境省那覇自然環境事務所) 
共催:天城町・環境研究総合捨選費4-1707 、4-1804 (4)、外来ネコ問題研究会 後援:環境省那覇自然環境事務所・鹿児島県・奄美群島広域事務組合・徳之島町・伊仙町・徳之島地区自然保護協議会(案)

 

 

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『ネコ・かわいい殺し屋』書評

2019年5月11日
Amazonで購入

この本は2016年にアメリカで発行されたCat Warsの日本語訳版。アメリカ人の著書とはいえ、日本でも猫は外来種で同様の問題が起きているため本の内容を汲み取るのに障害はないだろう

近年、奄美大島におけるノネコ問題で外来種としての猫の扱いが日本でも話題になった。オーストラリアがノネコの駆除政策を熱心に行っていることもたびたびネットニュースなどで翻訳され話題になっている。同様にアメリカでも野良猫の問題は古くから議論されてきたようだ。外来種である猫は野鳥を捕食し希少種の絶滅を引き起こしてきた。それを問題視するアメリカの野鳥研究家の研究結果がこの本のメインとなっている。島嶼部で外来猫が希少種を食い荒らし絶滅をもたらしてきた歴史から、猫が野外で野放しにされていることで起きている様々な脅威を科学的に検証し、客観的にまとめている。その中でも野生鳥獣が風力発電や高層ビルへの衝突、自動車事故、農薬や毒物、他の人為的な原因で死亡する総数と比べても、ネコに捕食されて死亡する数のほうが多いとする結論は衝撃的であった。しかもそれはかなり控えめな数値に基づいていてもだ。

だが、この本は決して「鳥のために猫を駆除しよう」とかいう短絡的な内容ではない。

猫は放し飼いが当たり前と考える人が日本を含め世界中に存在している。だが放し飼いにされた猫自身が車に轢かれたり疫病にかかったりするリスクを真面目に考えている猫好きはあまりにも少ない。その結果猫好きが猫を苦しめているという異常な状態がまかり通っている。

真の問題は猫そのものよりも、科学的な証拠やマクロな視点を無視し保守的に猫を野放しにしたがる人々の存在にあることをこの本では触れている。猫を放し飼いにすることで起きる問題を環境保護団体や野鳥研究団体が論理的に主張しても、声の大きな動物愛護家にかき消されてしまう。上で述べた奄美大島の問題も、実は猫そのものよりも動物愛護家の反対運動のほうが障害になっている。そういった環境問題を無視した一方的な愛護活動や、効果のないTNR(地域猫活動)が野放し猫の問題をより一層深刻なものにしている。問題はひとりひとりが持つ猫の扱いに対するモラルの低さにあるのだ。

この本は猫にまつわる問題を科学的かつ客観的に分析しているが、動物愛護を科学的に検証したものは驚くほど少ない。大半が感情論に支配されており、本質的な主張ですら全く出典を明記していないものまである。その原因は動物愛護そのものが科学ではなく感情論である点にある。そして感情論に教養が不要である点も重要だ。環境保護と比べて教養が不要である動物愛護に人々は簡単に倒錯してしまう。そして動物愛護が科学を求めていない以上、どんなに淡々と事実を提示したところで野放し猫を危惧する環境保護家の意見に耳を傾けられることはない。

そんな現状を少しでも変えられるかもしれないのがこの本だと感じた。

私も猫の飼い主であり、室内飼いを徹底している身として野外で野垂れ死んでいる猫を哀れに思わずにはいられない。日本で猫の放し飼いを罰する法律は無いし、テレビやネットでは野良猫をなんの疑問も抱かずに「幸せに暮らしてる存在」と考えている人で溢れている。だがこの本を読んで、野放し猫が野生動物、何より猫そのものを結果的に苦しめていることを人々が知れば世論は変わるかもしれない。動物愛護家の過激な活動で萎縮してしまい、猫の放し飼いに異を唱えることに抵抗がある人は少なくないと思う。しかしこの本の読者ひとひとりが室内飼育を啓蒙したり、政治家に意見を述べたりする機会が増えれば、私のように猫を正しく飼っている人が声を上げやすい社会が築けるかもしれない。

アメリカのAmazonではこの不都合な真実を好ましく思わない野放し猫愛好家の★1レビューが増えつつある。しかしそれ以上に野放し猫の脅威を理解した環境保護家と、正しい猫の飼い主による★★★★★レビューがそれを上回っている。もし社会全体でこの潮流を実現できたらどんなにか素晴らしいと思う。

日本でもこの本が野放し猫愛好家の目に留まれば同じように誹謗中傷に近い★1レビューが投稿されると思う。だが、自然を愛し、猫を本当に愛する人々がこの本に少しでも手を差し伸べ声を上げてくれれば世論を塗り替えられるかもしれない。

『ネコ・かわいい殺し屋』書評

ダ・ヴィンチニュース 読みたい本がここにある
清水銀嶺.2019/5/12.


 今年の4月、英科学誌電子版に上智大学の研究論文が掲載された。その論文によれば、ネコは名前を呼んでも反応しないことがあるが、ちゃんと他の言葉と区別して自分の名前を認識しているという。つまり、ネコは知能が低いわけではなく、呼ばれたからといって返事をするかどうかはネコの気分次第というわけだ。20年ほどネコを飼っていた私も含め、愛猫家にとっては何を今更と思うものの、科学的な検証と裏付けは大事だろう。

『ネコ・かわいい殺し屋―生態系への影響を科学する』(ピーター・P・マラ、クリス・サンテラ/築地書館)

 しかし、ネコの生態を科学的に調査した『ネコ・かわいい殺し屋―生態系への影響を科学する』(ピーター・P・マラ、クリス・サンテラ/築地書館)に記された内容は、愛猫家にとってショッキングかつ衝撃的であるに違いない。

 イエネコは世界最大の愛猫協会の登録簿に基づくと、現在のところ約90もの品種があり、約400品種あるとされるイヌの登録品種には及ばない。しかし、ネコと人の関係は9500年前までさかのぼれるという。1万年前にウシやブタの家畜化が始まり穀物も栽培するようになると、ハツカネズミとかイエスズメといった野生動物が穀物を食べることから、その駆除のためにネコの家畜化が始まったと考えられている。


 イヌが雑食できるのに対してネコは体の仕組み上、動物性タンパク質と脂肪の摂取が不可欠な肉食動物である。だからこそネコは、強靭な足指に格納される鋭い爪を持ち、鋭い犬歯で獲物に噛みついて致命傷を負わせる能力を有している。そしてネコの狩りの特徴は、空腹でなくても獲物の動きに刺激され殺傷することである。


 そんなイエネコによる破壊力はすさまじく、南西太平洋に位置する島国のニュージーランドは数百万年にもわたり人類の影響を受けていなかったのだが、1800年代にイギリス人が訪れた際にイエネコを持ち込むと、わずか1年のうちに現地の固有鳥類の特定種を絶滅させてしまったそうだ。


 ところでイエネコの分類は案外と難しく、地域のボランテイアで面倒を見ている「地域ネコ」と「野良ネコ」は、似ているようでも違うし、一般に飼いネコでも自由に家と外への出入りをさせていることが多いだろう。国際コンパニオンアニマル管理連合では、人間とネコの関係を「所有」「半所有」「非所有」という3つに分類しており、本書においてはある程度の時間を屋外で過ごすネコを指す用語として「free-ranging cats」を用いていて、「野放しネコ」と訳されている。


 そして、その「野放しネコ」の脅威が侮れない。先のニュージーランドの例でも明らかなように、飼いネコであっても屋外にいる間に多くの野生動物を殺していることが、最新の野外研究で明らかになっているからだ。たとえば、アメリカが各国と結ぶ渡り鳥条約法は渡り鳥の保護を目的に人間による採集や捕獲などを禁じているが、現実にはネコの脅威が大きく、法律と現状がミスマッチしている。また、ネコの腸に生息するトキソプラズマ原虫が引き起こすトキソプラズマ症は人間も発症する寄生虫感染症であり、妊娠中の女性と胎児に重大なリスクが生じる。

 では、日本でも取り組んでいる自治体がある「TNR(捕獲・不妊去勢・再放逐)」は、ネコの繁殖の抑制に有効なのかというと、どうも難しいようだ。達成するためには特定の地域において、実に94%を不妊化したうえで、新たなネコが参入しない環境を維持しなければならない。にもかかわらず、ネコを殺処分することは愛猫家はもちろん、動物保護団体だけではなく多くの人々から非難の声が上がり、「多くの行政組織がTNR推進の立場を当然と考え、(中略)ネコ擁護者が世論という法廷で間違いなく勝利する」ことの危険性を本書では指摘している。本書は決して、ネコを駆除することを目的としているわけではない。ネコとの共存には科学的な裏付けと知恵が必要であり、その方策を模索するのは喫緊の課題なのだ。

『ネコ・かわいい殺し屋』書評

HONZ2019年05月06日/転載JBPRESS2019/05/14
西野 智紀 (2019年05月06日)
(転載:本当に読むに値する「おすすめ本」を紹介する書評サイト「HONZ」から選りすぐりの記事をお届けします。JBPRESS, Japan Business Press, 2019/05/14

『ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する』野良ネコへの愛情はリスクを孕む

本書を読む少し前、環境省による奄美大島のノネコ(野生化したネコ)への対策が議論を呼んでいるとのニュース記事を読んだ。ノネコが国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギなどを捕食するため、昨年夏から捕獲が始まり、引き取り手が見つからなければ殺処分される。そのために動物愛護団体との対立が深まっているというものだ。野良とはいえ、あんな気ままでのんびり屋のネコがそこまで脅威になるのかと思っただけだったが、この本を読んでから、考えを改めねばならないと感じている。

増加するペット由来の野放しネコ(イエネコ)が生態系、環境、公衆衛生に及ぼす影響を、科学的根拠に基づいて丹念に示したのが本書『ネコ・かわいい殺し屋』である。訳者あとがきによれば、ネコを生態系の外来捕食者としてとらえた初めての本格本であるという。著者のピーター・P・マラはアメリカのスミソニアン動物園で渡り鳥の研究をする鳥類学者で、もう一人のクリス・サンテラはサイエンスライターであり、二人ともネコの専門家ではない(訳者の方々も鳥類学や保全生態学の研究者だ)。彼らが正面切って取り組まざるを得ないほどにネコ問題が差し迫った状況にあることが読んでいて痛切に伝わってくる。


まず、ネコの狩猟と聞いて、ネコから小鳥やネズミの「プレゼント」を受け取ったことを思い出す飼い主は多いかもしれない。狩りの仕方を教えているのか食料の保管なのか理由は定かではないが、屋外を出歩けるネコが鋭敏な狩猟能力を持つこと、そして空腹でなくても好奇心で獲物を殺す場合があることははっきりしている。


しかし、ある野鳥の個体数が減っているという事実があっても、その原因をネコの捕食行動だけに求めるのは難しい。人間からの給餌が主たる食事で狩りはおまけかもしれないし、そもそも気候変動や他の捕食者の存在、生息地の消失などがその野鳥の減少の主要因とも考えられる。元をただせば人間の営為活動が希少動物絶滅の最大の原因だ。このような複数の脅威がひしめく中で、ネコがもたらす影響だけをいかにして評価するのか。


実は野放しネコによる野生動物への影響の調査は百年ほど前から世界各国で行われてきた。著者らはこの研究の歴史をていねいに紹介していく。草の根を分ける聞き取りに始まり、ネコが持ち帰る獲物を逐一調査したり、他の捕食動物との関係性を明らかにしたり。やがて時代が進み、ネコに発信機付きの首輪をつける、小型ビデオカメラをぶら下げるなどのテクノロジーも導入され、統計モデルは精度を増す。


そして2013年、アメリカ全体でネコが殺した動物の数を相当の正確性で推定・定量化できる最終モデルが発表された。この研究を詳述すると長大なレビューになってしまうので、結論のみを書く。死亡総数は、鳥類だけで年間1.3億~40億羽(中央値24億羽)で、そのうちの69%が飼い主のいないネコが原因だった。この数値は、風力発電、自動車事故、農薬や毒物といった人為的原因による死亡数と比べても多く、また学者の誰の予想よりも高いものだった。


こうした一連の研究や鳥類保護活動は嵐を呼び寄せる。それが本書の原題である「Cat Wars」、ネコ擁護者と野生動物擁護者の間で発生している「ネコ戦争」だ。


強調するまでもなく、ネコの最強の味方は人間である。ある研究者は、殺害の脅迫を含む嫌がらせ電話やヘイトメールの対応に追われた。また、ある鳥類学者は、観察対象である絶滅危惧種の野鳥が野良ネコに襲われかけているのを見て激怒、そのネコをライフルで射殺し、環境倫理か動物福祉かの激しい論争の渦中に置かれた。生態系保全の観点から行われているとはいえ(当然だが、著者らも登場する学者もネコが嫌いなわけではない)、ネコをこよなく愛する人々の気持ちもわからなくはないがゆえに、まさしく頭が痛くなってくる難題である。


野放しネコのその他の脅威として、感染症を媒介する場合がある。その最たるものがトキソプラズマ症だ。トキソプラズマ原虫という寄生虫によって引き起こされるこの疾患は、世界人口の約30~50%が潜伏状態と推定されるほどありふれた感染症で、健康な成人ならばほとんど症状が出ない。が、エイズ患者のような免疫不全の人や妊婦が感染すると重大なリスクをもたらす(予防のワクチンはない)。最近の研究では、鬱病、双極性障害、統合失調症といった精神疾患とも関係があると言われている。この寄生虫はネコ科動物の腸管内でのみ有性生殖を行うため、ネコと直接接触しなくても、感染したネコの糞便が土壌を汚染し、農作物あるいは水を経由して摂取してしまう可能性がある。


アメリカやオーストラリアなどではすでに野外ネコへの対策が進んでいるが、なんにせよ希少動物にとってもネコにとっても人間にとっても最善の選択は、ネコは屋内で飼うにとどめる、ということだ。飼えなくなったからと野に捨てるなど論外である。そもそも野外ネコは交通事故や病気などで屋内ネコよりも格段に短命になるうえに、発情期の頻度の高さであっという間に数を増やしてしまう。アメリカの動物福祉団体ではネコを捕獲し不妊化して放す「TNR(Trap-Neuter-Return)」という方法が好まれているが、高い不妊化率と移入ゼロを達成しないとコロニー縮小には効果がないという調査結果が出ており、限界が指摘されている。


島嶼部において、野生化したイエネコは全世界の爬虫類、鳥類、哺乳類の絶滅種の14%の絶滅に関与したとされている。書店ではネコの写真集が並び、SNSでは連日のようにネコのかわいらしい画像や動画がシェアされる中で、こうしたデータは不都合な現実かもしれない。自分の信念を優先して理解を拒むだけでなく、科学的根拠に対して激しい怒りを覚える人もいるかもしれない(これは確証バイアスと呼ばれる)。いずれにせよ、問題の本質を知らずして、良い解決策は導き出せない。ネコ問題を通して、絶えず人間の手のひらの上で転がされる命の存在のみならず、どんな人間でも陥りやすい思考傾向をも浮き彫りにする、今の時代にぜひ読まれてほしい一冊だ。


 

新刊紹介

奄美のノネコ ─猫の問いかけ─

編者 鹿児島大学鹿児島環境学研究会
判型、他 A5判並製 282ページ
型番 978-4-86124-400-1
定価 (販売価格) 2,000円(税込2,160円)
チラシ(添付)は書店用のものですが、南方新社ホームページ(http://www.nanpou.com)の注文ページからご注文いただき、備考欄に必ず「著者割」とご記入くださるようお願いいたします。
また、本社アドレス info@nanpou.com宛に、必要事項(お名前、ご住所、電話番号、書名、冊数、「著者割」)を記入していただき、ご注文メールをお送りいただいたのでもかまわないとのことです。

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ネコは悪くない。
問われているのは人間だ。

ノネコとは、「再」野生化した飼いネコや野良ネコのこと。

世界自然遺産登録を目前に控えた奄美大島では、このノネコがアマミノクロウサギなど希少野生生物を捕食することが問題となっている。
しかし、ノネコはペットとして愛玩されているネコそのものであり、侵略的外来種でもあるという2つの側面を持ち、一人ひとりが抱く動物観の違いからその対処法をめぐり意見がぶつかり合ってきた。
本書では、奄美大島で本格的なノネコ対策が実施されるまでを環境省、鹿児島県、地元市町村及び市民団体がそれぞれの立場から詳述。対話と協働を重ねながら、立場や価値観の違いを超えて世界的にも注目される取り組みを進める様子を記録する。
また、小笠原など希少種保護を目的とした国内各地の「ネコ」対策、ニュージーランドなど海外におけるノネコ対策の現状も紹介する。

内容(目次より)

第一章 「ノネコ問題」とはなにか
第二章 海外におけるノネコ対策の現状
第三章 奄美大島におけるノネコ問題
第四章 徳之島におけるノネコ問題
第五章 ノネコ問題の核心 
第六章 希少種保護を目的とした国内各地の「ネコ」対策
第七章 鹿児島環境学研究会の取り組みの検証と今後の課題
資料編 ノネコ問題年表/奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018年度~2027年度)/奄美市飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例 など
 
執筆者紹介(執筆順)
小栗有子(鹿児島大学法文学部)
星野一昭(鹿児島大学産学・地域共創センター)
岩本千鶴(元・環境省奄美自然保護官事務所)
羽井佐幸宏(鹿児島県環境林務部自然保護課) 
桑原庸輔(鹿児島県大島支庁衛生・環境室環境係)
藤江俊生(奄美市総務部プロジェクト推進課) 
山下克蔵(奄美市環境対策課自然保護係)
久野優子(一般社団法人奄美猫部)
阿部優子(奄美哺乳類研究会)
沢登良馬(環境省徳之島自然保護官事務所)
吉野琢哉(天城町企画課世界自然遺産登録
     ・国立公園・自然保護担当)
美延睦美(NPO法人徳之島虹の会)
諸坂佐利(神奈川大学法学部)
塩野崎和美(奄美野生動物研究所)
小林淳一(龍郷町生活環境課)
菅野康祐(環境省小笠原自然保護官事務所)
長嶺隆(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄)
小野宏治(環境省やんばる自然保護官事務所)
竹中泰進(元・環境省羽幌自然保護官事務所)
中村朋子(鹿児島大学研究推進部研究協力課)

 


新刊お知らせ

「ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する」

ピーター・P・マラ+クリス・サンテラ[著]
岡 奈理子+山田文雄+塩野﨑和美+石井信夫[訳] 
築地書館 2,400円+税 四六判上製 288頁 2019年4月刊行予定 ISBN978-4-8067-1580-1
野生化ネコに、どう向き合うか。
約9500年前に家畜化され、文明の伝播とともに世界中に広がったネコ。
人を魅了してやまない彼らの存在は、鳥類や哺乳類、両生類、爬虫類といった多様な生物群にどのような影響をもたらすのか。
捕食による希少種の絶滅をはじめ、人間や海棲哺乳類への病気の媒介、TNR(捕獲・不妊去勢・再放逐)の有効性など、野放しネコと環境との関わりを科学的に検証するとともに、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドで行われている対応策とその効果を紹介する。

【著者略歴】
ピーター・P・マラ(Peter P. Marra)
鳥類学者。アメリカ・スミソニアン動物園・保全生物学研究所の渡り鳥研究センター所長を務める。これまでに175 編以上の多数の研究論文や書籍を刊行。共著書に『Birds of Two
Worlds(2つの世界の鳥類)』がある。
 

クリス・サンテラ(Chris Santella)
サイエンスライター。旅行やアウトドアのガイドブックシリーズ(『Fifty Places Before You Die〔死ぬ前に訪れるべき50 か所〕』)のほか、ニューヨークタイムズ紙、ウォールストリート・ジャーナル紙、ニューヨーカー誌、トラウト誌などでも執筆している。


【目次】
第1章 イエネコによる絶滅の記録
第2章 イエネコの誕生と北米大陸での脅威
第3章 愛鳥家と愛猫家の闘い
第4章 ネコによる大量捕殺の実態
第5章 深刻な病気を媒介するネコ――人獣共通感染症
第6章 駆除 vs 愛護――何を目標としているのか
第7章 TNRは好まれるが、何も解決しない
第8章 鳥、人そしてネコにとって望ましい世界
第9章 どのような自然が待ち受けているのか?

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各紙誌大絶賛!!
 私たちは自然の劇場が、生きることに勤しむ肉食や雑食の動物たちのせいで、刺々しいのを知っている。タカは鳥の餌台からショウジョウコウカンチョウをさっと捕まえ、リスはカラスの巣から卵を引っつかみ、カラスはリスの巣から子をくわえ出す。
 何が野放しネコを、鳥や他の野生動物を脅かす、際立って危険な存在にしているのか? 本書はいくつかの要因を説明している。
――ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス ナタリー・アンジェ
 

(サイエンスライター、ピューリッツァー賞受賞)
 ネコたち、多くが飼い主のいない野放しネコたちは、アメリカで毎年40 億羽にのぼる鳥を殺している。このことに何かするとして、何をすべきだろうか? 本書はこの難問に取り組んでいる。あなたがネコ好き、鳥好き、哲学者、倫理学者、あるいは腸(はらわた)がねじれそうな難問にとにかく関心がある者なら、本書に心をつかまれるだろう。
 

――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)
 著者らは、個体数モデリングを用いた多くの科学研究、ネコに関わる疾病、そして絶滅について説明する。また、小規模だが非常に声の大きい専門利益団体が、野生化ネコや野放しネコの個体数大爆発に取り組もうとする如何なる動きをも、どのように巧みに阻止するかについて、その歴史を伝えてくれる。本書は、この複雑で世界的な問題を検討し、解決に向けて科学的根拠に基づいた現実的な提案を行っている。
 丹念に調査され、またわかりやすいこの本は、すべてのペット所有者(ネコを飼っていてもいなくても)の必読書であり、野生動物にとって、人間にとって、そしてネコ自身にとって最善なのは、ネコの飼い主が自分のペットを常に屋内に留め置くことだという鉄壁の論考である。
――フォーブス誌ベストブック・トップ10(2016 年、保全と環境)

 

 

 

 

 

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   衆議院議員会館院内集会のご案内

まだまだあるぞ!! 動愛法が抱える課題

~動物の飼育管理・取引が引き起こす人や自然への被害~

緊急会合


【趣旨】現在、地球環境は、様々な人による活動の影響で生物多様性の劣化が進 み深刻な状態となっています。特にペット由来の外来生物が自然環境に深刻な影 響を与え、また動物由来の感染症による死者も出ています。本緊急会合では、国 際的な野生動物の違法取引や、国内で課題を抱える現場の視点から動愛法のあり かたと、今後の法改正へ必要な検討事項や行政による施策について議論の一助と 致します。

【日時】2019年3月14日(木) 16:00-19:30
 ※15:20から衆議院第1議員会館入り口で通行証の配布を開始予定
【場所】衆議院第1議員会館 地下1階 第5会議室(66名)
【主催】公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン
【共催】外来ネコ問題研究会
【対象】国会議員・関係団体多数 会合形式:公開
【申込】不要・無料

司会進行 WWFジャパン 草刈 秀紀

 

 プログラム・要旨・プロフィール

 

基調講演1:「動愛法はどう改正されるべきか?法律学・公共政策学の観点から」
 諸坂佐利(神奈川大学法学部)

現在、動愛法の改正論議は各所で活発に行われているが、その議論の方向性を概観すると、いわゆる愛護(愛玩)動物の「愛護」に特化した非常にファジーな議論に傾倒しているように思われる。それ自体は別段異を唱えるものではないが、しかるに動愛法の改正論点とは、それのみではない。特にペットの不適正飼養に起因するペット由来外来種問題、ペットが人獣共通感染症、家畜伝染病等の病原体を伝染、機械的伝播させてしまうといった公衆衛生問題、ペットの密輸問題など、まだまだ飼養動物関連の深刻な問題、早急に法整備を行わなければならない問題は存在する。欧米先進諸国ではすでに当該問題については、確固とした法整備はできているので、その意味で、我が国の動愛法は、非常に遅れを取っていると懸念する。本講演では、他の先生方のご講演の“露払い”的立ち位置として、動愛法改正論点で、未だ十分に議論されていない問題を総括したいと考える。


プロフィール:神奈川大学法学部准教授。世界自然遺産登録地の小笠原、同登録候補地の奄美大島・徳之島、沖縄やんばる地域、西表島の法政策アドバイスを行っている。動愛法関連の近時の業績としては、「我が国の動物関係法体系における鳥獣保護管理行政、外来種対策及び動物愛護行政に関する法解釈学的、法政策学的観点からの課題提供(雑感)」(森林野生動物研究会誌No. 43)などがある。 (公社)日本動物園水族館協会顧問、日本財財政法学会理事。専攻は、行政法学、公共政策学。

 
基調講演2:「国際的な野生生物の取引問題の現状と課題」
 ジョイス・ウー(トラフィックインターナショナル国際取引専門家)
 (逐語通訳)

日本が関わる国際的な野生生物取引の市場価値は年間数十億ドルにも及ぶと言われている。日本は、生きた動物の輸入額において、両生類で世界第2位、爬虫類で世界第5位に位置し、ペットとして取引されている動物の主要な輸入国となっていると推察される。その取引の中には、違法かつ持続可能性に欠けるものが含まれていることから、ペット輸入大国として日本が果たすべき役割について情報提供する。

プロフィール:TRAFFIC International のシニアプログラムオフィサー。TRAFFICは野生生物の取引を監視・調査する国際NGOで、国内法および国際法や協定に基づいた調査・モニター・報告を通じ、動植物にとって有害な野生生物の取引をなくすことを目的として1976年に発足。TRAFFICの一員として20年に渡り野生生物の国際取引監視と政策策定に従事し、2008年からは東アジアの水産種合法取引実現に向けたプロジェクトに携わる。


基調講演3:「動物由来の感染症の脅威」
 宇根有美(岡山理科大学獣医学部獣医学科教授)

現在、空前の猫ブームの一方で、放し飼い猫が各地で増加し、社会問題化している。猫に関連する「感染症」には、猫同士で感染する感染症と、猫を感染源とする人獣共通感染症がある。前者は動物衛生上、後者は公衆衛生上の問題となる。
国内で最近、放し飼い猫との接触により、死亡例が確認されている感染症が注目されている。1つは重症熱性血小板減少症(SFTS)で、2つ目はコリネバクテリウム・ウルセランス感染症である。他の感染症についてもその特徴と猫との関係を解説するが、感染症コントロールの面から放し飼いは、定期的ワクチン接種など感染予防などの対応がとりづらいなど、動物にとっても、人にとってもリスクが高い。

プロフィール:岡山理科大学獣医学部教授、麻布大学獣医学部名誉教授・麻布獣医科大学卒。麻布大学獣医学部准教授・教授を経て、岡山理科大学 教授として赴任。現在に至る。現在は、エキゾチックアニマルや野生動物の「感染症」を研究テーマとし、チーター、リスザル、両生類、輸入動物(エキゾチックアニマル)などを研究対象としている。以前に話題になったカエルツボカビなどの両生類の感染症について、精力的に取り組んでいる。専門は獣医病理学。 日本獣医学会評議員、 日本獣医病理学専門家協会評議員、 日本野生動物医学会理事ほか


基調講演4:「生態系の観点から考える」
 亘 悠哉(森林総合研究所・野生動物研究領域主任研究員)

“飼い猫”,“ノラネコ”,“ノネコ”.誰も明確に区別できない区分で扱われ,実効性のある管理システムもないまま,野外にいるネコが日本固有の生態系に甚大なインパクトを及ぼし続けている.それらの問題の多くは,人目に触れにくい離島で生じており,関心が得られないまま生態系の衰退が静かにしかし大きく進行している.本講演では,日本の島で起きているネコ問題の実態とメカニズムに迫り,問題の深刻さを周知することを目的とする.そして,日本の生態系保全の観点から動愛法の問題点や改善点について関連法を踏まえ指摘する.

プロフィール:国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 主任研究員
1977年生まれ.栃木県出身.東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了.学術振興会特別研究員(PD),パリ第11大学博士研究員などを経て2015年より現職.専門は島の外来生物問題.2002年より奄美大島の外来種マングース問題をテーマに研究を開始し,現在は日本各地の島において,ネコ,イタチ,クジャク等の外来種の影響や管理に関する研究にも取り組む.


【パネルディスカッション】
テーマ:動愛法が抱える課題を多角的に議論する

浅川陽子(WWFジャパン) 国内のペット取引の問題点
世界20か国以上のネットワークで活動する、野生生物の取引を監視・調査するトラフィックジャパンで、ペットとして利用される絶滅の恐れのある種の違法な取引の対策活動を担当する。

長嶺 隆(NPOどうぶつたちの病院) 現地からの報告1  

沖縄県うるま市生まれ。日本大学農獣医学部卒業。2001年にながみねどうぶつクリニックを開院。小動物臨床にたずさわる一方、希少種を捕食する犬やネコ、マングース対策やヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなど沖縄の希少種の保護増殖に力を注ぐ。

久野優子(奄美ネコ問題ネットワーク) 現地からの報告2  

鹿児島県奄美市(旧名瀬市)生まれ。野良ネコの多さに悩まされていたことから、ネコ問題に関わり2014年に奄美猫部を発足。奄美のネコ問題を解決するべく、「人も猫も野生動物も住み良い奄美大島へ!」のスローガンで啓発活動やTNRや地域猫活動などの野良ネコ対策活動を展開。2015年には地元の団体と「奄美ネコ問題ネットワーク」を結成、代表を務める。

山田文雄(森林総合研究所) 世界自然遺産と外来種問題  
専門は野生動物の保護管理研究。アマミノクロウサギ研究に1990年代から従事。外来種問題にも取り組む。日本哺乳類学会保護管理専門委員会の前の委員長,世界自然遺産候補地科学委員会を務める。 

権田雅之(WWFジャパン) 南西諸島のペット由来の外来生物問題 

ニューイングランド大学を卒業後、WWFジャパン自然保護室にて全国の自然保護団体を支援する事業に着任。WWFジャパン・サンゴ礁保護研究センターで、南西諸島のサンゴ礁保全プロジェクト担当を経て、現在南西諸島陸域の観光利用のオーバーユースや外来生物問題を担当。

高島康弘(岐阜大学) トキソプラズマ感染症問題など 
1999年東京大学農学部獣医学科卒業。
東京大学大学院農学生命科学研究科助手(国際動物資源科学研究室)を経て、200410月より岐阜大学応用生物科学部助教授、2015年より岐阜大学 応用生物科学部 准教授。
人獣共通感染症の原因となるトキソプラズマを中心に研究しメカニズムの解明に取り組んでいる。研究を通じて、この病気への効果的な対策手段を見つけることを目指している。



まとめ:提言について(下記参照)



 

 

 

《 ニャンともフェスティバル ~NO NEKO , NO LIFE ~ 》


陶器絵付け体験、スタンプラリー、クイズコーナーなどの体験ものや、島口満載のネコレンジャー寸劇、各ブースによるネコ問題の紹介、トークセッション、大島高校放送部によるネコ問題ドキュメンタリー上映など、幅広い層に明るくネコ問題を知ってもらえるようなイベントになってます。
時間のある方は是非ご来場ください。

日時       2018年12月15日(土)
時間    ( 12:30 開場、13:30 ~ 17:30 )
場所    ( 奄美市 AiAiあいあい広場 1 F ホール )
※入場無料

 

 

 

 麻布大学獣医学部野生動物学研究室では、以下のようなシンポジウムを企画します。多くの方の参加をお待ちしております。 :::::::::::::::::::::::::::::::::: 

「イエネコ問題を考えるー生態系への影響、人獣共通感染症の問題から適正飼養へ 

趣旨:
希少種の捕食による生態系への影響や人獣共通感染症の伝播など,屋外のイエネコには様々な問題が存在します近年One Health「人、動物、環境(生態系)の健康は相互に関連していて一つである」)という考え方が広まっています. この考え方を踏まえると, イエネコを単に愛玩動物としてだけ捉えることに限界があることがわかります. 屋外のイエネコと野生動物や生態系, そして人との関係を, 実態に則して考える必要があります. また, 希少種が大きな影響を受けている奄美大島などの離島を中心に, イエネコ管理に関する条例も制定される一方で, 動物愛護管理法についての誤解も存在します. 本シンポジウムではこれらの事例やその対策を紹介し,適正なイエネコ管理に向けての法制度の実態や問題点を報告します. さらに,パネルディスカッションを通じて,イエネコと人間との新たなつきあい方について考えます.

日時:20181028日 13:30-16:00
場所:麻布大学 生命・環境学部202教室 
        (神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71 JR横浜線矢部駅5分)
主催:麻布大学獣医学部野生動物学研究室

プログラム: 
1.「自然生態系への影響,島の希少種保全とネコ」 山田文雄(森林総合研究所)
2.「放し飼い猫における感染症リスク」宇根有美(岡山理科大学)
3.「わが国のネコの法体制の実態と問題点」諸坂佐利(神奈川大学)
4.パネルディスカッション「新たなつきあい方を探る」
山田文雄、宇根有美、諸坂佐利、植竹勝治(麻布大学)、南正人(麻布大学)
  総合司会 塚田英晴(麻布大学)

朝日新聞「折々のことば」

  このままだと、あの時と同じことが起きてしまう。長嶺隆

鷲田さんのことば

沖縄の獣医師が野生動物の保護活動に乗りだしたのは、ヤンバルクイナが絶滅の危機にあると知り、幼い頃、近くの干潟が埋め立てられ数千羽の海鳥たちが消えたのを思い出したから。「こんな生き物、どこにでもいるじゃないか」という「過信」の広がりが、生き物を絶滅へと追いやってしまうのだと警告する。デジタルマガジン「オルタナS」の記事(4月16日配信)から。(鷲田清一

「奄美のノネコ 捕獲後は…行政「譲渡できねば殺処分」・愛護団体「まず不妊進めて」

読売新聞(夕刊)2018年8月31日15時0分 
世界自然遺産を目指す鹿児島県・奄美大島で野生化した猫(ノネコ)を山中で捕獲する環境省の対策が始まった。「島の固有種を捕食している」との理由からで譲渡先が見つからない猫は殺処分される。これに対し、「まずは避妊・去勢手術を大規模に進めるべき… 

 

 生態系保全へ、官民ネコ対策 世界自然遺産目指す奄美

日本経済新聞 2018/8/24 11:25
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録を目指し、鹿児島県奄美市では官民を挙げて、希少動物を捕食してしまう「ノネコ」とその予備軍「野良猫」への対策が進む。2020年の登録実現へ、関係者は「生態系保全へ住民の意識を高めたい」と口をそろえる。
鹿児島県奄美市のネコ(7月)=共同
ノネコは、捨て猫などが野生化したもの。遺産候補地の山林で、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のアマミノクロウサギといった固有種の生き物を食べてしまうことが問題になっている。
 環境省によると、奄美大島には600~1200匹いるという。候補地が世界遺産にふさわしいかを判断する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は、多様な生態系を高く評価しており、充実したノネコ対策は登録へ欠かせない。
 奄美市は11年、ネコの飼い方を定めた条例を制定。現在、飼育登録や身元証明のマイクロチップ装着など10項目を義務付けており、違反すれば5万円以下の罰金だ。
 ただ、条例にも島の伝統が立ちはだかる。島民は古くから、ネズミを捕まえてくれるネコを、家畜と捉えていた。屋外で放し飼いするのは当然との風潮がある。
 飼い主から逃げたり捨てられたりして、人間の生活圏で与えられた餌で生きるのが野良猫だ。餌が不足して山林に拠点を移し、野生化するとノネコになってしまう。
 中長期的な視野でノネコ増加を防ぐためには、野良猫の繁殖を抑えることも必要とされる。
 このため、野良猫を捕まえて不妊・去勢措置を施す取り組みも活発だ。同市環境対策課によれば、奄美大島での野良猫の生息数は推定5千~1万匹という。島内5市町村では17年度、922匹に措置が施された。
 島の猫好きら3人でつくるグループ「奄美猫部」は、年間50匹程度の不妊・去勢をしているが、代表の久野優子さん(44)は「焼け石に水だ。ペットを飼うことへの責任を持ってほしい」。同課の担当者は「粘り強く啓発しなければいけない」と語る。〔共同〕

 

 

 

公開シンポジウム

  「島の自然と未来をみんなで考えよう!

奄美大島からネコ対策の明日をつくる」
1.趣 旨
 世界自然遺産を目指す奄美大島において,国指定天然記念物であるアマミノクロウサギやケナガネズミなどに対するネコ(イエネコ)による捕食問題が非常に深刻性を極め,その対策は急務となっている.このため,環境省は「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018-2027年度)」を2017年3月に策定し,希少種生息地においてネコの捕獲を7月から開始している。また地元自治体は「飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例」を策定し、飼いネコの管理対策を進めている.このような本格的ネコ対策は,わが国においては初めての取り組みである。世界自然遺産候補地選定に関する国際自然保護連合(IUCN)の評価(2018年5月)においても,こうした侵略的外来種対策は高く評価され、一層の充実が勧告されている.
 本シンポジウムでは,奄美大島における最新のネコ対策確立の経緯を説明し,対策の法制度面から,供給源対策としてネコの飼養方法から,行政によるネコ対策の一つのTNR(捕獲・不妊去勢・放獣)から,及び希少種生息地におけるネコの被害や捕獲排除の効果などからの検討をもとに現状と課題を報告する.
 これらを踏まえて,パネルディスカッションにおいては,他地域の事例も含めた検討の上で,わが国における新たなネコ対策の構築を目指す議論を行う.

2.主 催
・国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
・外来ネコ問題研究会

3.後 援
 ・環境省自然環境局,鹿児島県,奄美大島ねこ対策協議会,徳之島三町ネコ対策協議会,一般社団法人日本哺乳類学会,日本鳥学会,奄美ネコ問題ネットワークACN[一般社団法人奄美猫部,NPO法人奄美野鳥の会,奄美哺乳類研究会],NPO法人徳之島虹の会,一般社団法人御蔵島観光協会.

4.協 力
早稲田大学野生動物ゼミ

5.助成金
 ・独立行政法人環境再生保全機構「平成30年度環境研究総合推進費4-1804 世界自然遺産のための沖縄・奄美における森林生態系管理手法の開発」
 ・住友財団環境研究助成
 ・自然保護助成基金「第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成」

6.実施日時・場所
・と き    2018年8月26日(日)12:30開場、13:00開演  18:00終了
・会 場:早稲田大学(早稲田キャンパス3号館601教室,収容人数207名)(〒169-8050 新宿区西早稲田1-6-1)
交通:
JR山手線高田馬場駅から徒歩20分,西武鉄道新宿線高田馬場駅から徒歩20分,
地下鉄東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5分,副都心線西早稲田駅から徒歩17分,
バス     都バス学02(学バス)高田馬場駅 – 早大正門,都バス早稲田停留所,
都電     荒川線早稲田駅から徒歩5分.

7.内容
1)奄美大島における新たなネコ対策と本シンポジウムの趣旨 山田文雄(外来ネコ問題研究会)
(奄美大島・徳之島での7月のシンポジウムの総括と成果,奄美大島ノネコ管理計画実施の概要及び本シンポジウムの開催趣旨を述べる)
2)ネコ問題解決に向けた「飼い猫適正飼養条例」と「奄美大島ノネコ管理計画」が目指すもの 諸坂佐利(神奈川大学)
(わが国における初めての本格的ネコ対策の取り組みについて法制度面から述べる)
3)ネコ問題の課題と解決策 長嶺 隆(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄)
(獣医師から見た奄美大島のネコ問題の新たな取り組みに対する課題と解決策を述べる)
4)奄美大島と徳之島におけるTNRの現状と課題 塩野﨑和美(奄美野生動物研究所)
(奄美大島と徳之島におけるTNRの数年間の取り組みの実態,費用対効果,見直しの方向性を示す)
5)希少種ホットスポットにおけるネコ問題の実態と対策 亘 悠哉(森林総合研究所)
(管理計画による捕獲排除のモデル地区を対象にした在来希少種の生息とネコ捕食の影響,捕獲排除と効果およびモニタリングの成果と今後を示す)
6)パネルディスカッション「奄美大島からネコ対策の明日をつくる」
パネリスト:講演者,久野優子[奄美ネコ問題ネットワーク(ACN),奄美猫部],岡 奈理子(山階鳥類研究所),石井信夫(東京女子大学),ほか

司会進行 山田文雄

8.出席ご希望の方は山田までご連絡ください(下記アドレス)。
氏名:
所属:
連絡先:

9.問い合わせ先  
外来ネコ問題研究会  invasivecatrj@gmail.com 

(本シンポジウムの案内はメール転送歓迎です) 

 



---------シンポジウムご案内はここまで 




































































奄美新聞社 2018年7月9日

天城町「当部林道」で撮影されたネコとケナガネズミ(風戸一亮さん提供)
撮影地点と付近の地図(風戸一亮さん提供)

徳之島で写真初記録 影響長期調査 東京大大学院研究生ら

【徳之島】徳之島で、ネコによる貴重在来種への影響を長期調査した東京大学大学院修士課程の研究チームが6月22日夜、天城町当部(とうべ)林道に設置した自動撮影カメラで、ネコによる国指定天然記念物ケナガネズミの捕殺シーンを記録していた。同島では昨年1月のアマミクロウサギに相次ぐ初の記録写真に。厳しい現状が関係者にあらためて衝撃波を広げている。
 撮影したのは、東大大学院農学生命科学研究科修士課程1年の風戸一亮(かざとかずあき)さん(22)=千葉県船橋市。森林総合研究所による(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費4―1084事業の採択を受けて6月11日~今月9日まで徳之島に滞在。世界自然遺産登録を目指す1エリアの同島における「外来種としてのネコ問題の研究」。ネコによる貴重在来種への影響を明らかにすることなどが目的。
 風戸さんによると、自動撮影カメラは同町当部―徳之島町母間にかけた林道沿線に約300㍍間隔で計11台セットした。ネコがケナガネズミをくわえて歩く画像が記録されていたのは当部の「南部ダム」から約1・5㌔地点。野生化したノネコか野良ネコなのかなどは現段階では不明だが、同個体は6月27日~今月8日まで毎日、カメラに収まっていたという。
 現場の状況などから風戸さんは「(当部)集落と山が近いため集落から入っている可能性も。ノネコ対策だけではなく、野良ネコ対策の強化も大事。(現状の)TNR(捕獲・不妊去勢手術・元の場所へ)以上の繁殖能力がある」。最終手段が必要との考えも示した。
 期間中にはほか、後ろ足にネコによると見られる咬傷痕のあるアマミノクロウサギ1匹と、死因不明のトクノシマトゲネズミ1匹の死骸もそれぞれ確認。
 カメラは徳之島町北部の林道「山クビリ線」に計31台を設置しており、画像の解析はこれからという。
 当部集落在住の徳之島自然保護推進員(同推進協議会前会長)の松村博光さん(71)は「集落内での飼いネコはゼロと確認済み。集落外からの侵入や捨て猫も考えられる。ノネコ対策は、環境省任せではなく3町行政も一体となってより強化すべきだ」と話した。

















































































猫がケナガネズミ捕食 徳之島



ケナガネズミをくわえたまま歩く猫(提供写真)=6月29日、徳之島の山中

徳之島の山中で先月29日、国の天然記念物のケナガネズミが猫にくわえられた場面が撮影された。同島では1月にも猫に捕食されたとみられるケナガネズミ2匹の死骸が見つかっている。2017年度には野生化した猫(ノネコ)の捕獲数が過去最多を更新しており、希少動物の保護対策が急務となっている。

 ケナガネズミをくわえた猫が撮影されたのは先月29日午後10時すぎ。天城町当部と徳之島町母間を結ぶ林道に当部側入り口から1・5㌔進んだ地点で、国立研究開発法人森林総合研究所の自動撮影カメラが捉えた。

 環境省の事業を受託している同研究所と共同で、外来種の生態系影響調査を進めている東京大学大学院農学生命科学研究科の風戸一亮さん(22)が8日、撮影画像を確認した。

 当部―母間の林道では27日から今月8日にかけて13台のうち6台に複数の猫が映っていた。ケナガネズミの捕食が撮影された地点周辺では国の天然記念物トゲネズミの死骸も発見されたという。地元の自然保護団体がわなを設置して猫の捕獲を試みている。

 島内では昨年1月にアマミノクロウサギを捕食する猫、今年2月には今回の現場近くの南部ダム周辺でケナガネズミをくわえた猫がそれぞれ自動撮影カメラで捉えられている。

 環境省は14年12月に同島の山中でノネコの捕獲に着手した。徳之島自然保護官事務所によると、17年度の捕獲数は95匹で過去最多だった15年度(87匹)を超えた。18年度は6月中旬から今月9日までに6匹捕獲している。

 同省奄美野生生物保護センターによると、今年は5月末現在、島内のトゲネズミ、ケナガネズミ死骸確認数は計11匹。うち5匹は猫や犬による捕殺とみられる。アマミノクロウサギの死骸確認は16匹で、6匹が猫や犬による捕殺とみられる。

 徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官は「死骸の確認状況やノネコの捕獲・目撃数を踏まえると、今回の撮影は猫による希少種捕食実態の氷山の一角だと思う」と述べ、引き続きノネコの捕獲を進め、ノネコの発生を断つためにも猫の適正飼養の普及啓発などに努める考えを示した。
















































































島の自然とネコ問題についてパネルディスカッション

シンポジウムのパネリストが声明文を表明

ノネコ管理計画に理解を 島全体取り組みへ声明文発表
殺処分は「対策方法の合わせ技」
国立研究開発法人森林総合研究所と外来ネコ問題研究会は5日、奄美市名瀬のAiAiひろばで公開シンポジウム「島の自然と未来をみんなで考えよう!」の第1回「奄美大島と御蔵島の最新のネコ問題研究から」を開いた。講師陣から奄美大島、徳之島と海鳥の繁殖地である東京都御蔵島のネコ問題の研究成果などが紹介され、参加者に飼い猫の適正飼養とノネコ管理計画に対する理解を訴えた。また講演者とパネリストが、関係者や住民に対してネコ問題解決を呼び掛ける声明文も披露された。
 シンポは、環境省環境総合推進費や公益財団自然保護助成基金、住友財団環境研究助成を受けて行われた。シンポの司会進行を、同研究会の山田文雄会長が担当した。
 奄美野生動物研究所の塩野﨑和美さんは、「ネコ問題と対策、日本と世界の事例」の題で講演。「ネコはIUCN(国際自然保護連合)の侵略的外来種ワースト100に入っている。世界ではネコにより430種が絶滅の脅威にさらされ、うち63種(26%)が絶滅した」と話した。
 海外の事例では希少種保全のため、ウイルスや毒エサ、ワナ、銃を用いて根絶に成功したことを紹介。「ノネコ管理計画でネコを捕獲し、譲渡先が見つからない場合は殺処分するとしたのは、国内と国外の対策方法の合わせ技。殺処分をしたことで世界自然遺産に認められないことはあり得ない」と語った。
 徳之島のネコの安定同位体分析を行った森林総合研究所の中野留美子さんの研究を、同研究所の亘悠哉さんが代理報告。「従来のフンを調べるなどの方法は、時間と労力がかかり短期的な情報しか得られないなどの理由で新しく安定同位体による食性解析を行った」と説明した。
 亘さんは「結果は山のネコ、里のネコ、飼い猫に、食べ物による明確な違いは見つからなかった」とした。「徳之島では、山のネコも人からの食べ物に依存している可能性がある。山と里を行き来して、本能を満たすためおやつ的に山の動物を食べている」とし、ネコの捕獲と適正飼育の徹底を呼び掛けた。
 山階鳥類研究所の岡奈理子さんは、「緊急!オオミズナギドリ世界最大繁殖地の東京都御蔵島のネコ問題」を発表。「本州から約200㌔離れた御蔵島は、東アジアの固有種オオミズナギドリの世界最大の繁殖地。9カ月を島で過ごし、その時にネコと出会い襲われてしまう」と現状を説明した。
 繁殖集団は40年で94~97%減少して、危機的状況にあると指摘。オオミズナギドリの減少要因は、海洋環境の変化(島外要因)や捕食者(ネコ)の出現と増加など(島内要因)を挙げている。2014年時点の推定で、ノネコにより1年間で約2万羽が捕食されるというデータも提示した。
 亘さんは、「奄美大島・徳之島・御蔵島のネコ問題:背景から対策を考える」を発表。「3島ともネコが野生動物を襲い、影響を与えている。奄美大島ではマングース防除事業で在来種の回復が見られるが、山でノネコが増えて事業の効果を阻害している」「ノネコ対策は長期的プロジェクトになる。強力なモチベーションが必要で、行政・島民の主体的・永続的な取り組みが鍵になる」などと話した。
 休憩をはさみ講演者3人と、奄美猫部の久野優子部長、ゆいの島動物病院の伊藤圭子院長、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の長嶺隆理事長、神奈川大学法学部の諸坂左利准教授が登壇してパネルディスカッション。会場からの質問に答え、「捕獲して譲渡先が見つからなかったネコの殺処分に対してやむを得ずの措置で、早期の問題解決を望む」とした意見などが出された。
 最後に会場の賛同を得て、シンポジウム・パネリストの声明を伊藤院長が読み上げ。声明文の要点は、▽奄美大島ノネコ管理計画を理解・支援するとともに、飼い猫の管理やノラネコの対策をしっかりと行う▽飼い猫が島の自然を壊さないよう飼育登録をし、マイクロチップを装着して室内のみで飼育する▽動物を愛護する気持ちは大切だが、不幸なネコを増やさない対策も考える▽ネコ問題は、人間が起こした問題で人間の責任で解決する―で、外来ネコ問題研究会のホームページ上でも公開するという。
 8日は徳之島伊仙町で、第2回のシンポジウムが開催される。















































































ノネコ対策でシンポジウム 奄美大島


奄美の猫問題について意見交換したシンポジウム=5日、奄美市名瀬
希少な野生生物を襲って生態系を脅かす野生化した猫(ノネコ)の問題を考えるシンポジウムが5日夜、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。研究者らが国内外で起きている猫問題の実態や対策の事例を報告。地元関係者を交えたパネルディスカッションではノネコ対策が本格化する奄美大島の課題を話し合い、パネリストらが人と野生生物が共生する島づくりを目指し、「(猫問題に)島全体で取り組むことが必要」との声明を発表した。

 シンポジウムはノネコ問題の普及啓発を目的に、専門家らでつくる外来ネコ問題研究会(会長・山田文雄)などが主催。塩野﨑和美さん(奄美野生動物研究所)、岡奈理子さん(山階鳥類研究所)、亘悠哉さん(森林総合研究所)らが講演した。

 塩野﨑さんは国内外の島しょで絶滅危惧種の脅威となっている猫の問題と対策の事例を報告。小笠原諸島(東京都)、御蔵島(同)、天売島(北海道)など、猫を捕獲して譲渡先を探す対策が主流の日本に対して、海外では銃や捕殺わなを使って短時間に処分する方法が「人道的」とされていると説明。奄美大島で今月にも始まるノネコの捕獲と殺処分も含めた対策を「国内初の取り組み」として理解を求めた。

 岡さんはオオミズナギドリの繁殖地の御蔵島で深刻なノネコによる捕食被害を報告。繁殖制限を目的にノネコを捕獲して不妊手術を行うTNRの取り組みが続くものの、「今の規模では野生生物の減少を防ぐ効果はない」と指摘。「外猫のいない島に戻すことが不可欠」と現状の認識や周知の必要性を訴えた。

 亘さんは奄美大島でマングース対策が進んで在来生物が回復していると報告。ノネコ対策にも「長期的な展望が不可欠」と強調し、「本物の森林生態系を取り戻すには、あらゆる機関の連携が必要だ」と呼び掛けた。

 パネルディスカッションは山田会長の司会進行で、発表者と地元の獣医師や民間団体の代表らを交えて奄美の猫問題について話し合った。最後に▽奄美大島ノネコ管理計画への理解と支援▽飼い猫の登録・マイクロチップ装着・室内飼育―など4項目を盛り込んだ声明を発表した。
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『森林総合研究所・外来ネコ問題研究会共催シンポジウム「島の自然と未来をみんなで考えよう!奄美・徳之島と御蔵島の最新のネコ問題研究から」』シンポジウム・パネリスト声明


2018年7月5日
ネコ問題関係者,住民のすべての方々へ
               当シンポジウム・パネリスト一同
 奄美大島ノネコ管理計画が開始されています.いろいろな意見はありますが,人と野生動物が共生する島づくりを進めるためには,計画の着実な実施と,ネコ問題についての正しい認識および理解が不可欠となります.
 ネコ問題の関係者と住民すべての方々が,それぞれの立場で問題の解決に積極的に関わりを持つことがその第1歩です.とくに,以下のことに重点を置いて,島全体で問題に取り組むことが必要です.
 奄美大島ノネコ管理計画を理解・支援し,飼い猫適正飼養条例をきちんと守りましょう.

要 点
1.島の自然をとり戻すため,奄美大島ノネコ管理計画を理解・支援するとともに,飼いネコの管理やノラネコの対策をしっかりと行いましょう.
2.あなたのネコが島の自然を壊さないよう,またネコ自身を守るため,飼育登録をし,マイクロチップを装着して,きちんと,室内のみで飼育しましょう.
3.屋外のネコは決して幸せなものではありません.ペット動物を愛護する気持ちは大切ですが,不幸なネコを増やさない対策もきちんと考えましょう.
4.ネコ問題は,私たち人間が起こした問題です.私たちの責任で解決しましょう.
以上

2018年7月5日『森林総合研究所・外来ネコ問題研究会共催シンポジウム「島の自然と未来をみんなで考えよう!奄美・徳之島と御蔵島の最新のネコ問題研究から」(奄美AiAiひろば)』において

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国際自然保護連合(IUCN)

レッドリスト最新版2018年7月5日公表


 国際自然保護連合(IUCN、本部スイス)は5日、絶滅のおそれがある動植物を記載した「レッドリスト」の最新版を発表した。世界の9万3577種を評価し、うち2万6197種を絶滅危惧種とした。絶滅危惧種の数は、昨年12月に公表されたレッドリストよりも376種増えた。
 IUCNは、豪州の爬虫(はちゅう)類が、外来種や気候変動により深刻な危機に直面していると指摘。トカゲの仲間の「グラスランドイヤレスドラゴン」は、外来種で野生化したネコに捕食されて数が減ったため、これまでの「絶滅危惧2類」から「同1B類」へと1段階悪化した。
 インド洋のモーリシャスにすむ「モーリシャスオオコウモリ」が、果物を食べることから政府の駆除の対象になり個体数が半減。「同1B類」に分類された。(川村剛志)

 

 

朝日新聞東京本社201859日付け朝刊の掲載記事 

「世界遺産めざす奄美 野生化ノネコの受難」について

(抗議と善処のお願い)

 下記の抗議と善処の手紙を発送しました.

2018627
朝日新聞社東京本社 代表取締役社長 渡辺雅隆 殿
 
外来ネコ問題研究会 会長
山田文雄

朝日新聞東京本社201859日付け朝刊の掲載記事
「世界遺産めざす奄美 野生化ノネコの受難」について
(抗議と善処のお願い)

拝啓
 日頃より生物多様性の保全に着目し,一般市民に対する普及啓発を図ってこられた貴紙のご努力に対し敬意を表します.
 私ども「外来ネコ問題研究会」は,日本の生物多様性を保全する上で重大な問題となっている野生化イエネコについての抜本的対策の推進を目的として,自治体への条例改正等を含む法政策の提案を行うことや,一般への問題の科学的理解と解決案を普及啓発すること等の実践的活動を展開しております.
 さて,本年59日付け貴紙朝刊に掲載された太田匡彦記者による標記記事は,貴紙における生物多様性保全や外来生物,奄美・琉球諸島の世界自然遺産登録に関連するこれまでの記事の論調と著しく異なっており,また,記事中に明らかな間違いや誤解を招く表現が多く含まれており,これを見過ごすことができないことから,本文書をお送りする次第です.
 別紙に私どもの見解を詳述しましたので,善処くださいますようお願いいたします.
 なお,本文書は,環境省,地元関係自治体や保護団体,メディア(読売新聞,毎日新聞,産経新聞,南日本新聞社,南海日日新聞社,奄美新聞社,共同通信社,時事通信社,NHKほか)等にも共有情報として提供することを申し添えます.
敬具
 
-外来ネコ問題研究会-
会長:山田文雄
事務局:諸坂佐利(神奈川大学)
    塩野﨑和美(奄美野生動物研究所)
理事:岡 奈理子(山階鳥類研究所)
   長嶺 隆(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄)
   石井信夫(東京女子大学)
   伊藤圭子(ゆいの島どうぶつ病院)
会員数:全国で約30

参照:添付の「外来ネコ問題研究会」パンフレット

別紙
1. 記事全体について
 太田匡彦記者による本年59日付け記事「世界遺産めざす奄美 野生化ノネコの受難」(別添1)は,以下に述べるように,その内容が不正確で,明らかな間違いや読者の誤解を招く記述を多く含むものです.
 この記事によって,これまで奄美大島の絶滅危惧種や生物多様性の保全に努力してきた関係者,また現在,世界自然遺産登録を目指して努力している関係者は多大な迷惑を被っています.このことについての謝罪および訂正のための記事の掲載を強く要請します.また今後,貴紙の信用をも損ねるこのような不適切な報道を厳に慎むことを強く求めます.
 当該記事にみられる問題点は以下の7点です.

2.記事の問題点
(1)「見出し」による印象操作
 この記事では,見出しが「世界遺産めざす奄美 野生化ノネコの受難」となっており,「国が世界遺産登録のために,何ら罪のないノネコを駆除・殺処分しようとしている」という誤解を招くものとなっている.奄美の希少種や生態系の保全が重要であることは,貴紙においてもこれまで取り上げられてきており,むしろアマミノクロウサギなどの希少動物の「受難」とするのが適切である.

(2)IUCN 勧告に関する不正確な記述
 ユネスコ世界遺産センター(UNESCO World Heritage Centre)の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)は,今回の登録申請におけるネコ対策を含む外来種管理を高く評価しており,より一層の充実を勧告している(別添2https://www.pref.kagoshima.jp/ad13/kurashikankyo/kankyo/amami/iucn1.html).それにもかかわらず,記事中では「登録延期を勧告した」とある段落の前後において,ネコに関する記述があり,あたかもネコに関する対応がIUCNによって疑問視され,登録延期勧告になったという誤解を招く書きぶりになっている.

(3)動物愛護管理法における「みだりな殺処分」についての法解釈の誤り
 そもそも動物愛護管理法が禁止するのは「みだり」な殺傷行為である.同法は殺処分を絶対的に禁じているわけではない.現在,奄美大島で実施しようとしているネコ対策は,生物学者や法学者等の専門家の意見をふまえて策定された管理計画(正式名称:「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018 年度~2027 年度)」2018 328日策定)(別添3http://kyushu.env.go.jp/naha/pre_2018/post_57.html)に基づいて実施するものであり,対策の中で行われる殺処分については,どう考えても法解釈上「みだり」な殺処分ということはできない.なお「みだり」とは,「合理的な理由なくして」という意味である.記事では,「みだり」という言葉の意味に全く言及することなく,この管理計画に安楽死(記事中では殺処分と誤記,あるいは意図的表記)の記載があることを書いた直後に,動物愛護管理法の罰則を記述し,当該管理計画があたかも法に抵触するかのような印象を読者に与える書きぶりとなっている.しかし,この管理計画とその実施に違法性は全く認められない.

(4)「ノラネコ」の捕獲についての法解釈の誤り
  記事中に「駆除を目的とする野良猫の捕獲に法的な根拠があるわけではない」とあるが,これは逆向きの法解釈である.そもそも,いわゆる「ノラネコ」については法令による捕獲規制はない.そればかりか,動物愛護管理法の第35条第3項は,「所有者の判明しない…猫」(これにはいわゆる「ノラネコ」のほか,放し飼いあるいは逸走した猫でも所有者が判明しないものはすべてこの概念に包摂されると解される)の「拾得者その他の者」からの引取りを都道府県等の法的義務としている.本件の場合,条例(別添4,「奄美市飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例」,他の4 町村も同様に策定)と管理計画がある.まず,「飼い猫」を条例によって明確に規定したうえで,鳥獣保護管理法の捕獲許可制度に基づいて,森林内にいる,いわゆる「ノネコ」を駆除目的の捕獲対象としている.さらに捕獲対象については,いわゆる「ノネコ」に限定することなく,「時的に森林内に侵入しているノラネコや飼い猫も……希少種等を捕殺して在来生態系へ影響を及ぼすおそれがあることから本計画に基づき対処する」と管理計画に明記されている(別添34 ページ「73)」).

(5)「ノラネコ」と「ノネコ」の区別の過度の強調
 「野良猫とノネコの間に法令による明確な線引きはない」との記事中の記載は間違いではないが,両者は実態上も連続的であって明確な線引きをすることはできない.奄美大島では,いわゆる「ノラネコ」も,希少種生息域に設置されたセンサーカメラに撮影されていることから,今般の管理計画は,「ノラネコ」も「ノネコ」も包括的に対応する仕組みとなっている.記事では「捕獲場所だけを根拠にノネコと断定することには疑問が残る」として,55 年前の国会答弁(1963年(昭和38年)第43回国会農林水産委員会第17号)を引用して「ノネコ」と「ノラネコ」の判別を問題にしているが,判別という本質的でない点を取り上げて,この管理計画が,いわゆる「ノラネコ」には対応していないという誤解を読者に与える記述となっており,奄美大島におけるネコの実態や「ノネコ」と「ノラネコ」両方の対策を含んだこの管理計画の仕組みを理解していない指摘と言わざるをえない.

(6)アマミノクロウサギの死亡要因に関するデータの曲解と誘導
 記事では,「死亡原因の大半は原因不明で・・断定できたのが交通事故25.7%,ネコ等11.2%」とし,ネコによる被害はさほど深刻でないという印象操作を行っている.しかし,これはあくまでも発見された死体についての数字である.また,人目につきやすい道路周辺の死体は交通事故死体が多くなると考えられる.その一方で,森林内においてネコ等に捕食された死体が発見される可能性は極めて低い(別添5).死体が他の動物にさらに摂食されたり,腐敗して跡形もなくなったりすることも想像に難くない.すなわち,上記の数字は,自然界におけるアマミノクロウサギの死亡原因の重要度をそのまま反映しているわけではない.記者はこうしたことを説明せず,ネコによる被害が少ないという誤解を読者に与えている.

(7)専門家コメントの内容と誘導
 記事中に専門家のコメントとして,「科学的根拠が明確でない」,「計画を進めても解決に結びつかない可能性がある」とあるが,どこが明確でないのか,なぜ解決に結びつかない可能性があるのか,具体的中身の説明は一切なく,単にこの管理計画の信頼性を読者に疑わせる効果を狙っているとしか解釈できない.この管理計画は,現在得られる科学的事実や法制度,体制等に基づいて,保全上の効果を最大限確保する一方で,対処しなければならないネコの数を最小限に抑えることを目指して関係者が議論を重ね,策定されたものである.記事にあるような,一方的な立場からの論評のみが記載されることは,著しくバランスを欠いている.

 以上の諸点から,当該記事は,科学的,法的,社会的事実を曲解,無視あるいは一方的に取捨選択し,自らの主義主張に沿った方向に読者を誘導するものであり,極めて不適切,無責任な報道と言わざるをえない. 
以上
朝日新聞東京本社201859日付け朝刊の掲載記事「世界遺産めざす奄美 野生化ノネコの受難」

「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」に係る国際自然保護連合(IUCN)による評価結果及び勧告について

奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018年度~2027年度)」(2018328日策定)
 
奄美市飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例 
(他の4町村は以下のとおり)
龍郷町飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例
大和村飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例
宇検村飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例
瀬戸内町飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例


平城達哉, 木元侑菜, 岩本千鶴.2017.奄美大島におけるアマミノクロウサギPentalagus furnessiのロードキル.哺乳類科学 57: 249-255.(日本哺乳類学会発行)





























































































ノネコセンター7月運用開始へ/きょうから猫の譲渡先募集/奄美大島


7月中旬に運用を開始する奄美ノネコセンター=13日、奄美市名瀬
7月中旬に運用を開始する奄美ノネコセンター=13日、奄美市名瀬

島内5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課)は7月中旬、野生化した猫(ノネコ)を捕獲して一時収容する施設「奄美ノネコセンター」(奄美市名瀬)の運用を開始する。収容数は約50匹。希少な野生生物を襲うノネコを山から排除し、生態系の保全を図る。運用開始に先立ち、収容した猫の譲渡を希望する個人や団体の募集を14日に始める。

 奄美ノネコセンターは、同協議会が2017年度、県の地域振興推進事業で旧県立大島工業高校敷地内の職員住宅を改修して整備した。改修費は1486万6千円(県、5市町村が各2分の1負担)。建物はコンクリートブロック造り2階建て、延べ床面積約107平方㍍。3月末に完成した。

 ノネコの捕獲は環境省が担う。山中にかごわなを設置して18年度は月間30匹、計270匹の捕獲を計画している。同センターに収容後、譲渡先が見つからない場合は1週間をめどに「安楽死」の処分とする。

 猫の譲渡対象者は、島内外の自ら飼育する個人・法人や、新しい飼養者を探す活動を行う動物愛護団体など。室内飼いやマイクロチップの装着、不妊手術が条件。不妊手術の費用(1万5千~2万5千円程)は同協議会が負担する。チップの装着費用や入院費、輸送費などは自己負担。

 対象者には同協議会の審査を経て認定証を交付。事前講習の受講や譲渡後の定期的な飼養状況の報告が必要となる。

 奄美大島の森林部には600~1200匹の猫が生息していると推定される。国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど希少な野生生物を捕食する被害によって生態系への影響が懸念され、奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けた喫緊の課題となっている。

 環境省と県、島内5市町村は今年3月、18年度から10年間のノネコの管理計画を策定。同計画に基づいてノネコの捕獲、譲渡を行うほか、ノネコの元になる野良猫の増加を防ぎ、飼い猫の適正飼養に向けた取り組みも同時に進める。

 環境省奄美自然保護官事務所の岩本千鶴自然保護官は「官民が連携して着実に山からノネコを排除し、(野良猫など)発生源対策も進める」と力を込める。同協議会会長の平田博行奄美市環境対策課長は「希少な生き物を守るためとはいえ、猫を犠牲にしないですむように飼い主を募りたい」と協力を呼び掛けた。

 5市町村のホームページで14日午前10時から、譲渡先の募集要項を掲載する。

 

 

森林総合研究所・外来ネコ問題研究会 共催 イベント

島の自然と未来をみんなで考えよう!


公開シンポジウム

島の自然と未来をみんなで考えよう!

奄美大島と御蔵島の最新のネコ問題研究から

1.趣 旨  

 世界自然遺産を目指す奄美大島において,国指定天然記念物であるアマミノクロウサギやケナガネズミ等のネコによる捕食問題が非常に深刻性を極めその対策は急務である。野生化イエネコの問題を解決するためには、より多くの国民にこの問題を認識してもらい、野生生物保全のための野生化イエネコ対策と飼いネコの適正飼育の重要性および、国内におけるイエネコ対策の実施を難しくしている法律上の問題について理解してもらうことが何よりも重要である。

 本シンポジウムでは,奄美大島・徳之島および御蔵島(東京都,オオミズナギドリの世界最大の繁殖地)における最新のネコ研究で明らかになってきた成果の講演を行い,島の自然とネコ問題についてパネルディスカッションを通じて,問題が生じている背景の理解、対策などを一般市民とともに考えるためのシンポジウムを開催する。


2.共 催

・国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

・外来ネコ問題研究会


3.後 援

・環境省那覇自然環境事務所(予定),鹿児島県,奄美市,天城町,徳之島町,伊仙町,徳之島3町ねこ対策協議会,徳之島自然保護協議会,奄美ネコ問題ネットワークACN,社団法人奄美猫部,NPO法人奄美野鳥の会,奄美哺乳類研究会,伊仙町地域女性連絡協議会,NPO法人徳之島虹の会


4.助成金

 ・環境省環境総合推進費「4-1804

 ・住友財団環境研究助成,自然保護助成基金「第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成」


5.内容

1)「世界と奄美大島のネコ問題」塩野﨑和美(奄美野生動物研究所)

2)「徳之島のネコは何を食べているか?最新手法でわかってきたこと」中下留美子(森林総合研究所)

3)「緊急!!ネコ問題,オオミズナギドリの世界最大繁殖地の東京都御蔵島で起きていること」岡 奈理子(山階鳥類研究所)

4)「奄美大島・徳之島・御蔵島のネコ問題を比較する」亘 悠哉(森林総合研究所)

5)パネルディスカッション「島の自然とネコ問題を考えよう」(諸坂佐利(神奈川大学),長嶺 隆(NPOどうぶつたちの病院沖縄),講演者,ほか)

司会進行:山田文雄(外来ネコ問題研究会)


6-1.奄美大島会場

・と き    201875日(木)  18002030

・ところ    奄美AiAi広場(〒894-0027 鹿児島県 奄美市名瀬末広町1410)電話: 0997-52-1778

 問い合わせ先:ゆいの島どうぶつ病院 TEL:0997693819


6.2 徳之島会場

・と き    201878日(日)  10001230

・ところ    伊仙町中央公民館(〒891-8201 鹿児島県大島郡伊仙町伊仙1842電話: 0997-86-3111

問い合わせ先:徳之島虹の会 TEL:0997863575


子ども親子向け「島の自然と未来をみんなで考えよう!「森のどうぶつたちの緊急会議」紙芝居と写真上映会」

 1.趣旨

 世界自然遺産を目指す徳之島では,国指定天然記念物であるアマミノクロウサギやケナガネズミ等のネコによる捕食問題が非常に深刻性を極め、その対策は急務である。野生化イエネコの問題を解決するためには、より多くの国民にこの問題を認識してもらい、野生生物保全のための野生化イエネコ対策と飼いネコの適正飼育の重要性および、国内におけるイエネコ対策の実施を難しくしている法律上の問題について幅広い世代に理解してもらうことが何よりも重要である。そこで,子ども親子向けに,紙芝居と写真上映を通じて,子どもたちへの普及啓発を行う.

2.共 催

・国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

・外来ネコ問題研究会


3.後 援

・環境省那覇自然環境事務所(予定),鹿児島県,奄美市,天城町,徳之島町,伊仙町,徳之島3町ねこ対策協議会,徳之島自然保護協議会,奄美ネコ問題ネットワークACN,社団法人奄美猫部,NPO法人奄美野鳥の会,奄美哺乳類研究会,伊仙町地域女性連絡協議会,NPO法人徳之島虹の会


4.助成金

 ・環境省環境総合推進費「4-1804

 ・住友財団環境研究助成,自然保護助成基金「第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成」


5.内容

1)紙芝居では,アマミノクロウサギの子どもが何者かに食べられいなくなることから,森の動物達があつまり会議を行い,人間の知恵を借りて,助けてもらおうという内容です.所要時間は15分程で,出演者がアマミノクロウサギのお母さんや動物の役でおしゃべりします.この紙芝居の前後にPCスライドで解説を加えます.出演者:山田文雄,諸坂佐利,中下留美子,栗原七保子(奄美大島会場のみ),ほか

2)写真上映では,徳之島や奄美大島の山の中で撮影した動物の写真について,不思議な生活など興味深い内容のお話をします.講演者:亘 悠哉

3)自然保護や環境問題、世界自然遺産関連について子どもたちの質問に答えます。


司会進行:山田文雄


6.1.奄美大島会場(参加者募集はしていません)

・と き    201876日(金)  13001400

・ところ    名瀬親愛幼稚園(〒894-0025 鹿児島県奄美市名瀬幸町9−10)電話番号: 0997-52-0988 園児年長60名,年中60名の合計130名ほど




6.2 徳之島会場

と き    201876日(金)  18302000

・ところ    徳之島町文化会館(〒891-7101 鹿児島県大島郡徳之島町亀津7673)電話番号:0997-83-1682

問い合わせ先:徳之島文化会館 TEL:0997831682


集落住民と島の自然と未来をみんなで考えよう! 
徳之島と御蔵島の最新のネコ問題研究から


       と き    2018年7月7日(土)19:00~21:00  
       ところ  手々小中学校体育館
       (鹿児島県大島郡徳之島町手々2975)電話0997-84-9637

1.「ネコ問題と対策,日本と世界の事例」 塩野﨑和美(奄美野生動物研究所)
2.「徳之島のネコは何を食べているか?最新手法でわかってきたこと」中下留美子(森林総合研究所)
3.「緊急! オオミズナギドリ世界最大繁殖地の東京都御蔵島のネコ問題」岡 奈理子(山階鳥類研究所)
4.「奄美大島・徳之島・御蔵島のネコ問題:背景から対策を考える」亘 悠哉(森林総合研究所)
5.パネルディスカッション「島の自然とネコ問題を考えよう」諸坂佐利(神奈川大学),石井信夫(東京女子大),講演者ほか
司会進行:山田文雄(外来ネコ問題研究会)

共催:NPO法人徳之島虹の会,外来ネコ問題研究会
後 援:天城町手々集落,天城町金見集落,徳之島自然保護協議会
問い合わせ先:徳之島虹の会 TEL:0997-86-3575
助成金:環境省環境総合推進費「4-1804」,住友財団環境研究助成,自然保護助成基金「第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成」

 

 

公開シンポジウム 島々の外来ネコ問題 対策待ったなしの現状 最新の研究や対策の現場から(案)


1.趣 旨

 世界自然遺産を目指す奄美大島において,国指定天然記念物であるアマミノクロウサギやケナガネズミ等のネコによる捕食問題が非常に深刻性を極めその対策は急務である。野生化イエネコの問題を解決するためには、より多くの国民にこの問題を認識してもらい、野生生物保全のための野生化イエネコ対策と飼いネコの適正飼育の重要性および、国内におけるイエネコ対策の実施を難しくしている法律上の問題について理解してもらうことが何よりも重要である。本シンポジウムでは,奄美大島・徳之島および御蔵島(東京都,オオミズナギドリの世界最大の繁殖地)における最新のネコ研究で明らかになってきた成果の講演を行い,島の自然とネコ問題についてパネルディスカッションを通じて,問題が生じている背景の理解、対策などを一般市民とともに考えるためのシンポジウムを開催する。


2.共 催

・国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

・外来ネコ問題研究会


3.後 援(予定)

 ・環境省自然環境局,鹿児島県,奄美市,一般社団法人日本哺乳類学会,日本鳥学会鳥類保護委員会,奄美ネコ問題ネットワークACN[一般社団法人奄美猫部,NPO法人奄美野鳥の会,奄美哺乳類研究会],NPO法人徳之島虹の会,一般社団法人御蔵島観光協会.


4.協 力

早稲田大学野生動物ゼミ


5.助成金

 ・環境省環境総合推進費「4-1804

 ・住友財団環境研究助成,自然保護助成基金「第28期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成」


6.実施日時・場所

・と き    2018826日(日)12:30開場、13:00開演  18:00終了(300分)(会場利用時間12:00-18:30

・会 場:早稲田大学(早稲田キャンパス3号館601教室,収容人数207名)(会場費は無料)(〒169-8050 新宿区西早稲田1-6-1


交通:

JR山手線高田馬場駅から徒歩20,西武鉄道新宿線高田馬場駅から徒歩20,

地下鉄東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5,副都心線西早稲田駅から徒歩17分,

バス     都バス学02(学バス)高田馬場駅早大正門,都バス早稲田停留所,

都電     荒川線早稲田駅から徒歩5分.


7.プログラム

検討中




以上です.


奄美・沖縄自然遺産推薦、取り下げへ来年以降に再提出

 朝日新聞デジタル(2018年5月29日11時30分
 ユネスコ国連教育科学文化機関)の世界自然遺産への登録を目指す「奄美大島徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)について、中川雅治環境相は29日の閣議後会見で、推薦をいったん取り下げる方針を示した。ユネスコの諮問機関から「登録延期」の勧告を受けたため、2019年以降に内容を見直した推薦書を再提出する。登録は最短でも20年になる。
 「奄美・沖縄」の推薦地域は、約1200キロに点在する琉球列島にある4島内の計24カ所(計約3万8千ヘクタール)。国の特別天然記念物アマミノクロウサギやイリオモテヤマネコなど様々な希少な生物が生息する。
 今夏の世界遺産登録を目指したが、諮問機関の国際自然保護連合(IUCN)は、沖縄本島北部にある米軍北部訓練場の返還地を推薦地域に含めることなどを求め、「登録延期」を勧告した。
 ログイン前の続き最終的な登録の判断は、6月からバーレーンで行われる世界遺産委員会で審議される。IUCNの今回の勧告はそのベースとなる。
 環境省はこのまま今年の世界遺産委員会に臨んでも「登録」の決議を得るのは難しいと判断。推薦書をいったん取り下げてIUCNの指摘に従って修正し、再提出することにした。すでに地元自治体に説明しており、近く閣議の了解を得る見通しだ。
 19年に再推薦できれば、20年に登録が決まる可能性がある。だが、国内では19年の推薦書提出を目指す文化遺産候補もあり、調整が必要になりそうだ。(川村剛志)


世界自然遺産

「奄美・沖縄」取り下げ方針 環境省、地元に伝達












































































































世界自然遺産への登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄県)について、環境省は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦書を取り下げ、再検討して再推薦する案を地元自治体に伝えた。中川雅治環境相が29日、明らかにした。
 ユネスコの諮問機関が推薦書を不十分と評価し、4段階で下から2番目の「登録延期」と勧告したことを受けた措置。政府として近く、方針を正式決定する見通しで、世界自然遺産への登録実現は最短でも2020年となる。
 「奄美・沖縄」を巡っては、国際自然保護連合(IUCN)が勧告で、希少種の生息地として貴重な沖縄島北部の米軍から返還された訓練場跡地(約4000ヘクタール)を候補地から外していたことなどを問題視していた。【五十嵐和

世界自然遺産登録候補「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」のIUCN評価結果と勧告(登録延期) 2018年5月4日

本年(2018年)世界遺産登録を目指し取組を行っている「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」に関するユネスコの諮問機関であるIUCNからの評価結果及び勧告について,環境省から公表された報告を以下にお知らせします.

 推薦概要

----(添付ファイルから抜粋)
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島に関するIUCN 評価結果の概要について

1.世界遺産一覧表への記載の可否
記載延期
 より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの(推薦書の再提出後,約1年半かけて再度諮問機関の審査を受ける必要がある)
2.記載基準(クライテリア)への適合
ix 生態系
 選定された4 島は大陸島の進化過程の顕著な例を保護している構成要素を含んでいる。しかし、資産の分断等において、生態学的な持続可能性に重大な懸念があるため、推薦地は完全性の要件には合致しない。 推薦地は評価基準には合致しないと考える。
x 生物多様性
 選定された4島は、本地域の独特で多様な生物多様性の生息域内保全のために最も重要な自然生息地を包含している。絶滅危惧種の種数や割合も多く、固有種数と固有種率も高い。世界的な絶滅危惧種の保護のために高いかけがえのなさを示す地域を含んでいる。 しかし、北部訓練場の返還地も推薦地の価値と完全性を大きく追加するものであり、また、構成要素の選択において、推薦の価値にも完全性にも貢献しない不適切な小規模な地域を除くためにも、多くの修正が必要である。
 北部訓練場返還地の関連地域を加え、推薦の価値をもたない不適切な構成要素を除去すれば、推薦資産は本評価基準に合致する可能性があると考える。
3.勧告事項
○ 構成要素の選定や連続性、種の長期的保護の可能性等について再考すること。
○ 沖縄島の北部訓練場返還地を必要に応じて推薦地に統合する等の必要な調整を行うこと。
○ 土地所有者や利用者の推薦地の戦略的及び日常的な管理への参画と私有地の取得等を進めること。
○ 奄美大島ノネコ管理計画の採択及び実施予定等、侵略的外来種(IAS)の駆除管理の取り組みを評価し、既存のIAS 対策を、推薦地の生物多様性に負の影響を与える他のすべての種を対象に拡大すること。
○ 主要な観光地域において、適切な観光管理メカニズムや観光管理施設等、観光開発計画及び訪問者管理計画の実施を追求すること。
 
○ 絶滅危惧種の状態・動向、及び人為的影響及び気候変動による影響に焦点を当てた、総合的モニタリングシステムを完成し、採択すること。
以上です.

原文は下記にあります.

 IUCN World Heritage Evaluations 2018

IUCN Evaluations of nominations of natural and mixed propertiyes 
to the World Heritage List
WHC/18/42.COM/INF.8B2




















































































ペットもハブに注意!


ハブに頭をかまれた猫。右は治療後6日目の様子(ゆいの島どうぶつ病院提供)

春を迎え、これから奄美ではハブへの注意が必要になる。犬や猫などのペットもハブの脅威は人間と同じ。ゆいの島どうぶつ病院(奄美市名瀬)の伊藤圭子院長は「犬、猫はハブにかまれても大丈夫という考えは誤りで命の危険がある。万が一の際はすぐに受診してほしい。猫は室内飼育の徹底を」と呼び掛けている。

 奄美市内の3動物病院にハブにかまれたペットが持ち込まれた件数は年間20件以上。春先から秋にかけてが多く、犬は散歩中、猫は屋外から戻ってきた際に飼い主がかまれたことに気付くケースが多いという。

 伊藤院長によると、個体差や、かまれた箇所で症状は異なるが、①ショック状態になり死ぬ②ショックは起こさないが、数日かけて肝臓が悪くなり重症化、死ぬ場合も③かまれた箇所が一時壊死(えし)するが完治する―の3パターンに分かれる。

 犬、猫用の血清は無く、重症化した際は人間用の血清を使う場合があるが、治療費が高額になる上、ショック状態では血清が間に合わないケースもある。同院では食欲、元気がない場合は入院させて点滴治療を行い、食欲があれば抗生剤治療を施しているという。

 伊藤院長は「今年に入って既に3件の受診があった。人の目に触れずに死ぬケースを含めると被害はもっと多い」と危惧し、「予防が一番大事。猫は屋外への脱走を防ぐこと。犬は散歩中、草むらに頭を突っ込んでかまれる場合が多いので気を付けて」と話した。


















































































猫がケナガネズミ捕食



ケナガネズミをくわえた猫=19日午前4時37分ごろ、天城町当部(天城町役場提供)
天城町は21日、徳之島の山中で、国の天然記念物で種の保存法で国内希少野生動植物に指定されているケナガネズミを猫が捕食している場面を撮影したと発表した。町が定点観測で設置した自動撮影カメラが捉えた。同島では1月にも、猫に捕食されたとみられるケナガネズミ2匹の死骸が見つかっているほか、野生化した猫(ノネコ)の捕獲数が増加していることなどから、環境省自然保護官事務所は地元行政などと連携して野生化したノネコ対策を強化する考えだ。

 ケナガネズミを捕食する猫が撮影されたのは19日午前4時37分ごろ、天城町当部のアマミノクロウサギ観察小屋から約70㍍離れた南部ダム周辺。現地では昨年12月下旬にカメラが初めて猫の姿を捉えて以降、散発的に猫の往来が確認されていた。周辺にケナガネズミの死骸はなく、町は環境省と連携して撮影地点周辺にわなを設置し、猫の捕獲を試みている。

 島内では2017年1月、猫がクロウサギを捕食する姿を環境省の自動撮影カメラが記録しており、猫による希少動物捕食現場の撮影は2例目。

 希少な生き物の生息地と集落が近い徳之島ではノネコ対策を喫緊の課題と位置付け、関係機関が連携して対策を進めている。

 島内3町は14年度、猫の登録などを義務付けた「飼い猫の適正飼養条例」を施行。並行して同年度から、公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県)との共同事業や国の地方創生加速化交付金事業で、猫の繁殖対策を講じてきた。

 環境省は14年12月、徳之島の山中でノネコの捕獲作業に着手した。徳之島自然保護官事務所によると、捕獲数は近年減少傾向にあったが、本年度は1月末時点で82匹で、過去最多の15年度(87匹)に迫っている。集落での目撃情報も増えてきたという。

 町企画課は「猫は不適切な飼育、遺棄で野生動物を捕食するようになる。猫のため、野生動物のため、最後まで責任を持って飼育してほしい」と訴えた。今後は観察小屋周辺へのわな増設、カメラの映像確認の強化などに努めるとしている。

 沢登良馬自然保護官は「現地は希少動物が多く確認される場所で猫による捕食が撮影されたのは残念。ノネコ対策に本腰を入れて対策に取り組まなければならない」と述べ、ノネコの増加防止で地元自治体と連携して猫適正飼養などの普及啓発にも注力する考えを示した。

  奄美大島5市町村、ノネコ管理計画案まとめる

南海日日新聞(2018年2月20日)

世界自然遺産候補地の奄美大島で、野生化した猫(ノネコ)が国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど希少な在来生物を襲って生態系を脅かしている問題で、環境省と県、島内5市町村はノネコの管理計画案をまとめた。計画案では、山中で猫を捕獲し、施設に収容して新しい飼い主を探した上で、引き取り手が見つからない場合は1週間をめどに「安楽死」の処分を行う。各市町村で20日から、島内在住の住民を対象に計画案に対する意見を募集する。3月5日まで。
 固有種や絶滅危惧種を含め多様な在来生物が生息する奄美大島で近年、ノネコが山中で繁殖していたり、在来生物を捕殺する被害が確認されていることを受けて、島独自の生態系の保全を目的に関係機関が共同でノネコの管理計画策定を進めている。

 計画期間は2018年4月から28年3月までの10カ年。ノネコによる生態系への影響を取り除き、合わせてノネコの元になる野良猫の増加を防ぎ、飼い猫の適正飼養を図る取り組みを進める方針。

 奄美大島の森林部の猫の推定生息数は600~1200匹。計画案では、捕獲は環境省が担い、初年度は300~360匹を見込む。捕獲した猫が首輪や各市町村に登録して交付された鑑札を付けていたり、マイクロチップの装着など明らかに飼い猫と分かる場合は、各市町村で写真を掲示して飼い主を探す。

 島内5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課)は、捕獲したノネコを一時収容する施設の整備を現在進めている。奄美市名瀬の旧県立大島工業高校敷地内の職員住宅を改修し、約50匹を収容する飼育スペースを設ける。改修費は1486万6千円(県、5市町村が各2分の1負担)。1月下旬に着工し、3月末の完成を予定している。

 ノネコの捕獲と収容施設の運用は18年4月の開始を予定。環境省奄美自然保護官事務所の岩本千鶴自然保護官は「奄美独自の生態系を守るために、ノネコの早急な対策が必要」と述べ、計画への理解と飼い猫の適正飼養を呼び掛けた。

 計画案は各市町村のホームページ、役場窓口で閲覧できる。住民から寄せられた意見を踏まえて、3月末に管理計画を策定する。

写真:ノネコの一時収容施設への改修が進む旧県立大島工業高校の職員住宅=19日,奄美市名瀬


 

 

 「お笑いインtoマヤー」の講演(主催:沖縄県自然保護課)開催のお知らせです。お笑いを通して犬や猫についての問題を学びましょう。 

(沖縄方言で,インはイヌ,マヤーはネコです)

【開催場所】大宜味村農村環境改善センター

【開催日時】211日(日) 開場:1330分 開演:1400

入場無料です!

【内容】
第一部 お笑いステージ(漫才・コント)犬猫クイズコーナー
第二部  あぎじゃび商店~インtoマヤーであぎじゃびよい!~

【出演】

知念だしんいちろう・パーラナイサーラナイ・いさお名ゴ支部・みっち~・前田夏希

【お問い合わせ先】NPO法人どうぶつたちの病院沖縄
         ☎098-995-9488

2月4日(日)東村農民研修施設 14:30開場 15:00開演
2月11日(日)大宜味村農村環境改善センター 13:30開場 14:00開演
2月18日(日)国頭村 村民ふれあいセンター  14:30開場 15:00開演です

 

 

 

 

特集「やんばる国立公園・奄美群島国立公園指定記念:中琉球の哺乳類の生態,行動,保全」

日本哺乳類学会和文誌「哺乳類科学」57 巻 (2017) 2 号(下記がダウンロードできます)

特集の目次
• 琉球列島の中琉球における新たな二つの国立公園の誕生と世界自然遺産候補地としての課題 山田 文雄 57 巻 (2017) 2 号 p. 183-194
• 沖縄島やんばる地域におけるケナガネズミの食性と生息環境 久高 奈津子, 久高 將和 57 巻 (2017) 2 号 p. 195-202
• 沖縄島における絶滅危惧種ケナガネズミのロードキル発生リスクマップの作製および対策への提言 玉那覇 彰子, 向 真一郎, 吉永 大夢, 半田 瞳, 金城 貴也, 中谷 裕美子, 仲地 学, 金城 道男, 長嶺 隆, 中田 勝士, 山 ...57 巻 (2017) 2 号 p. 203-209
• リュウキュウマツの食痕を指標とした徳之島のケナガネズミの分布調査 城ヶ原 貴通, 越本 知大 57 巻 (2017) 2 号 p. 211-215
• 徳之島産ケナガネズミDiplothrix legataの精子形成に関する組織学的基礎情報 加藤 悟郎, 城ヶ原 貴通, 後藤 嘉輝, 篠原 明男, 越本 知大 57 巻 (2017) 2 号 p. 217-220
• 傷病救護されたケナガネズミとオキナワトゲネズミの飼育記録 中谷 裕美子, 長嶺 隆, 金城 道男, 中田 勝士, 山本 以智人 57 巻 (2017) 2 号 p. 221-226
• 絶滅危惧種オキナワトゲネズミTokudaia muenninkiの分布の変遷 安田 雅俊, 関 伸一, 亘 悠哉, 齋藤 和彦, 山田 文雄, 小高 信彦 57 巻 (2017) 2 号 p. 227-234
• オキナワトゲネズミは夏期に昼行性,冬期に夜行性を示す 久高 奈津子, 久高 將和 57 巻 (2017) 2 号 p. 235-239
• 奄美大島における自動撮影カメラによるアマミノクロウサギの離乳期幼獣個体へのイエネコ捕獲の事例 鈴木 真理子, 大海 昌平 57 巻 (2017) 2 号 p. 241-247
• 奄美大島におけるアマミノクロウサギPentalagus furnessiのロードキル 平城 達哉, 木元 侑菜, 岩本 千鶴 57 巻 (2017) 2 号 p. 249-255
• 奄美大島の果樹園の同一繁殖穴におけるアマミノクロウサギの繁殖と養育行動の2事例 鈴木 真理子, 大海 昌平 57 巻 (2017) 2 号 p. 257-266
• 琉球諸島におけるクビワオオコウモリの分布の変遷 中本 敦 57 巻 (2017) 2 号 p. 267-284
• 特集「やんばる国立公園・奄美群島国立公園指定記念:中琉球の哺乳類の生態,行動,保全」の結びにかえて 安田 雅俊 57 巻 (2017) 2 号 p. 285

以上です.



プロ・ナトゥーラ・ファンド助成(自然保護助成基金)第23回成果発表会」

本発表会で,外来ネコ問題研究会の今期(第27期)の成果を発表してきました.当研究会の発表は下記の「18」です.

PNF自然保護助成基金・第23回成果発表会のお知らせ
2017年11月までに終了したプロジェクトの成果発表会を、以下の通り開催いたします。
申込不要、参加費無料ですので、助成を受けていない方でも自然保護に関心のある方はぜひお越しください。

日時: 2017年11月25日(土)10:00-18:00(開場 9:30)
場所: アーバンネット神田カンファレンス(JR神田駅西口徒歩1分)
    口頭発表・ショートサマリー 2A会場,ポスター発表・懇親会 3B+3C会場

プログラム ※発表順、発表時間は変更する場合がございます。
10:00        開会挨拶:有賀祐勝(自然保護助成基金理事長)
10:05~     口頭発表(国内研究助成)
   1• 江口克之(首都大ツヤオオズアリ調査グループ)「小笠原諸島におけるツヤオオズアリを含む外来アリ類の分布拡大の実態解明および在来生態系への影響評価」
    2• 半澤直人(山形県希少野生動物調査会)「東北地方日本海側水系に固有の希少淡水魚類の保全」
    3• 南 正人(浅間山カモシカ研究会)「くくり罠による錯誤捕獲がカモシカに与える影響」
    4• 西澤啓太(知床生物多様性評価プロジェクト)「森林生態系における自然撹乱としてのエゾシカ食圧を考慮した植物多様性の保全への提言」
    5• 廣田 峻(屋久島照葉樹林ネットワーク)「屋久島低地照葉樹林帯における植生保全研究」
    6• 今村彰生(北教大-神戸大水環境チーム)「北海道のイワナ属は人工の魚止めとニジマスに追いつめられているか」
    7• 船越公威(鹿児島国際大学生物学研究室奄美大島コウモリ類調査団)「奄美大島におけるコウモリ類、特に絶滅危惧種コウモリ類の現状と保全について」
    8• 中西 希(ツシマヤマネコ保全生態研究グループ)「ツシマヤマネコの分散行動と利用環境解析」
    9• 大庭伸也(水田の保全生態学グループ)「アメリカザリガニが水生動物に及ぼす影響とその駆除」
    10• 傳田哲郎(ダイトウビロウ研究グループ)「大東諸島におけるビロウ林の維持・再生に向けたビロウの生態に関する研究」
    11• 若尾慶子(トラフィック)「日本における爬虫類ペット市場の現状」
    12• 新田紀敏(ジンチョウゲ研究グループ)「未知の絶滅危惧ジンチョウゲ科植物の分類学的検討と保護対策の提案」
    13• 田中法生(NPO法人アクアキャンプ)「野生絶滅種コシガヤホシクサの交配方法が生息域外保全個体群の繁殖及び生存に与える影響」
    14• 伊藤加奈(公益財団法人日本野鳥の会)「風力発電がナベヅル、マナヅルに与える影響予測のための基礎調査」
    15• 髙木昌興(ダイトウコノハズク保全研究グループ)「ダイトウコノハズクの繁殖モニタリングと健全な育雛を実現するFRP製巣箱の改良
12:05 昼休憩
12:55~ ショートサマリー(国内活動助成)
 16. 安部真理子(公益財団法人日本自然保護協会)「名護市東海岸の価値を可視化させ保護区にするための生物学的・地理学的などの多角的な調査
 17.加藤義和(深泥池水生生物研究会)「京都市深泥池における市民参加型の水質一斉調査」
 18.石井信夫(外来ネコ問題研究会)「わが国における外来ネコ問題の対策のための普及啓発活動」(報告書PDF)
 19.小西 繭(ぽんすけ育成会)「長野市のため池群に生息する絶滅危惧種シナイモツゴ-ぽんすけ-の保護のための普及活動」
 20.八木正徳(伊豆諸島植生研究グループ)「伊豆諸島の自然保護シンポジウムの開催」
 21.矢嶋 悟(有明海漁民・市民ネットワーク)「有明海の漁業・環境問題に関する研究誌の発行とシンポジウムの開催」
 22.向井 宏(海の生き物を守る会)「日本の砂浜生態系を明らかにするための市民参加型調査の実施・人材養成」
 23.高島美登里(上関の自然を守る会)「上関海域における希少鳥類(カンムリウミスズメ,オオミズナギドリ,アマツバメetc.)保護のための生態調査とシンポジウム開催などの普及活動」
 24.飯田 陳也(日本野鳥の会東京)「葛西三枚洲のラムサール登録を目指して」
 25.土屋 勝(茨城県自然博物館生物多様性保全研究グループ)「「とんぼの池」を利用した絶滅のおそれのある野生動植物種の生息域外保全と自然保護のための普及活動」

13:30~15:00 ポスター発表 (13:30~14:15 奇数番号発表者, 14:15~15:00 偶数番号発表者)

15:00~ 口頭発表(国内研究助成,海外助成)※海外助成の発表者は推薦者.()内は採択者名

 国内研究助成
 26.相場慎一郎(鹿児島大学薩南諸島森林生態研究グループ)「世界自然遺産候補地奄美群島の森林生態系に関する基礎的研究」
 27.東 幹夫(有明海保全生態学研究グループ)「諫早湾潮止めから20年間の有明海奥部海域における底生動物の生息密度変化」
 28.奥山 永(西表島絶滅危惧トンボ類保全対策研究会)「西表島における絶滅危惧トンボ類の保全へ向けた環境DNA解析による生息状況評価」
 29.三谷曜子(北海道シャチ研究大学連合)「知床海域におけるシャチの生息地利用の解明」
 30.川尻啓太(北大カワシンジュガイ研究グループ)「北海道における絶滅危惧種カワシンジュガイの個体群の現状把握と稚貝減少要因の解明」
 31.白木彩子(北海道鳥類保全研究会)「風車立地選定のためのオジロワシの渡り飛行経路と生息地の決定要因の解明を目的とした遠隔追跡調査
 海外助成
 32.吉本 治一郎「グアテマラにおける環境教育教材としての乾燥林ガイドブックの作成」
   33.大島典子(Tomas Diagne)「Conserving critically Endangered West Africa’s Turtles and Tortoises」
 34.佐藤靖明(Richard Olwa)「Enhancing Recovery of Indigenous Critically Endangered Singidia Tilapia Population」
 35.泉山茂之(Gopal Khana)「Community based human-snow leopard conflict mitigation in Nepal Himalayas」
 36.植松千代美(Van Dung Luong)「In order to conserve three endemic Camellia species in Lam Dong province (Vietnam)」
16:28 休憩
16:40~ 口頭発表(特定テーマ助成,緊急助成)
 特定テーマ助成「島の自然環境についての基礎調査」
 37. 岡 奈理子(山階鳥類研究所御蔵島の希少動物保全研究グループ)「御蔵島のミクラミヤマクワガタと鳥類は健在か」
 38.濱尾章二(喜界島鳥類研究グループ)「自然移入した喜界島のモズ個体群の消長と基礎的生態」
 39.金井 賢一(「人と共に生きる鹿児島の自然遺産」収集保存事業グループ)「口永良部島の火砕流跡地に生息するアリ相について」
 緊急助成 
 40.渡邉 修(南アルプス食害対策協議会)「高山帯のシカ食害エリアで増加したマルバダケブキの生態解明」
 41.宮本 尚(NPO法人北海道市民環境ネットワーク「きたネット」)「北海道の自然環境に関わる諸活動のデータ収集とWeb-GISシステム「きたマップ」の構築」
 42.植田睦之(NPO法人バードリサーチ)「全国鳥類繁殖分布調査でわかってきた日本の鳥の状況」
 43.井口利枝子(とくしま自然観察の会)「吉野川河口域保全をめざす市民による、複合的影響評価の手法開発およびフォーラムの開催と報告書の作成」
 44.辻村千尋(日本自然保護協会・世界自然保護基金ジャパン島嶼生態系の外来種問題を考えるシンポジウム実行委員)「島嶼生態系の外来種問題を考えるシンポジウム全国展開」
17:45 講評:大澤雅彦(自然保護助成基金理事,第27期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成審査委員長)
17:50 閉会挨拶:高島輝久(自然保護助成基金専務理事)
18:00~19:30 懇親会

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世界自然遺産候補地IUCN現地調査終了記事(朝日新聞 2017年10月20日)

 

平成29年10月3日自然環境

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産一覧表への記載に係る国際自然保護連合(IUCN)による現地調査について(第二報)


 平成29年2月に世界遺産一覧表への記載のための推薦書を提出した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」について、世界遺産委員会の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)の専門家による調査が10月に行われます。調査者及び調査日程等についてお知らせします。

1.調査期間 

平成29年10月11日(水)~20日(金)

2.派遣される専門家

バスチャン・ベルツキー(Bastian BERTZKY)氏(ドイツ国籍)
 IUCN世界遺産科学アドバイザー
 欧州委員会共同研究センター研究員
スコット・パーキン(Scott PERKIN)氏(カナダ国籍)
 IUCNアジア地域事務所アジア資源グループ長

3.調査日程


日程 行程 取材の可否
10月11日(水) 来日
10月12日(木)午後
 ~15日(日)午前
奄美大島及び徳之島の現地調査 13日 撮影可
15日 行政機関による取材対応
10月15日(日)夕
 ~16日(月)
沖縄島北部の現地調査 16日 撮影可
10月17日(火)夕
 ~19日(木)
西表島の現地調査 18日 撮影可
10月20日(金) 行政記者会見
離日
20日 記者会見

4.取材について

現地調査の取材に当たっては、円滑な現地調査の実施を確保する観点から、以下の対応にご協力願います。

  1. 調査地については、希少種の生息・生育情報や立入りに伴う環境負荷軽減の観点から、具体的な地名の公開は行いません。また、同行取材もご遠慮いただきますが、以下のとおり撮影と行政機関による取材応答の機会を設けていますので、現場では職員の指示に従って取材いただきますようお願いします。
  2. 現地調査中に3回(奄美・徳之島1回、沖縄島北部1回、西表島1回)、撮影が可能なポイントを設けます。
    10月13日(金)午後 奄美大島
    (集合時間:13:15、集合場所:奄美フォレストポリス第1駐車場(大和村))
    10月16日(月)午前 沖縄島北部
    (集合時間:9:45、集合場所:道の駅 ゆいゆい国頭)
    10月18日(火)午前 西表島
    (集合時間:12:30、集合場所:大原港)
    ※撮影場所における混雑や事故を防止するために、集合場所から撮影場所までは、バス等で移動しますので、集合時間に遅れないようにしてください。撮影場所は、当日の天候と行程を踏まえて、決定いたします。撮影に当たっては、腕章等、社名が確認できるものを着用してください。
  3. 現地調査の最終日(10月20日)に行政機関による合同記者会見を実施いたします。また、全体の中日となる鹿児島県分の現地調査の最終日(10月15日)にも、行政機関による取材応答を実施予定です。各島で夜間観察を行うなど行程がタイトなため、各日の対応ができない旨、ご理解願います。
    <行政機関による取材対応>
     日時:10月15日(日)13:30~
     場所:奄美空港
     対応者:環境省、鹿児島県
    <行政機関による記者会見>
     日時:10月20日(金)13:00~
     場所:国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター
        (沖縄県石垣市八島町2-27  TEL 0980-82-4902)
     対応者:環境省、林野庁、鹿児島県、沖縄県

テレビとラジオ放送のお知らせ
 NHKテレビ総合番組「奄美・沖縄の世界遺産の話」
 【放送日と番組】
・2017年10月18日(水曜日)午前10:05~
・総合テレビの「くらし解説」土屋俊之解説委員

 NHKラジオ番組「奄美・沖縄 世界自然遺産とネコ問題」
【放送日と番組】
・2017年10月16日-19日(月〜木)
・NHKラジオ第一「先読み!夕方ニュース」で説明(17:30ごろから10分間ほど)」.
・テーマ:シリーズ「奄美・沖縄 世界自然遺産とネコ問題」
・アナウンサーさんと土屋俊之解説委員(「2016年6月23日世界自然遺産 カギは猫!?」http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/247525.html)
・出演は16日山田(スタジオ),17日長嶺(電話),18日久野(電話),19日諸坂(スタジオ)
・後日録音されたものを聞きたい場合は、ラジオ「先読み!夕方ニュース」のHPで「過去の「ホットトーク」を聞く」という所からhttp://www4.nhk.or.jp/hitokoto/364/2か月ほどの間は聞いていただくことが可能です。


鹿児島NHK NEWS WEB クロウサギ襲う猫 処分も 09月20日 05時28分

世界自然遺産への登録を目指す奄美大島と徳之島の環境について、有識者が話し合う会合が奄美市のホテルで開かれ、環境省は「アマミノクロウサギ」を襲う野生化した猫について、処分もやむをえないとすることを盛り込んだ管理計画をまとめる方針を示しました。
 政府は、希少な動植物が多く生息している奄美大島と徳之島、それに沖縄県の一部の地域を世界自然遺産に登録するよう、ユネスコに推薦しています。
 奄美市で開かれた会合には、環境省や地元自治体の職員、専門家などおよそ60人が参加し、国の特別天然記念物の「アマミノクロウサギ」などの希少な生物を襲う野生化した猫の問題について話し合われました。
 この中で、専門家が早急に対策を講じる必要があると指摘したのに対し、環境省は県や地元自治体と連携して、山の中から野生化した猫を捕獲し、引き取り先が見つからなかった場合は、処分することもやむをえないとする管理計画を策定する方針を示しました。
環境省那覇自然環境事務所の西村学所長は「野生化した猫を放置すると、奄美大島の生態系が崩れてしまうおそれがあるので、国と県それに地元市町村と議論を重ねて管理計画をまとめ早急に対応をしたい」と話していました。
 他に,「朝日新聞,毎日新聞,南日本新聞,南海日日新聞,奄美新聞の掲載PDF」.この検討に対する環境大臣・UNESCO宛の議論変更要望のネット署名PDF



2017年9月10日(日)日本哺乳類学会2017年度大会自由集会

日時:2017年9月10日(日)11:00-13:00
会場:富山大学五福キャンパス 共通教育棟C11番教室
自由集会F-17「奄美大島と徳之島におけるノネコ対策緊急実施についての要望書」(日本哺乳類学会2015年提出)のその後の進捗と課題」
・山田文雄:要望書提出と2年間の活動
・塩野崎和美:奄美大島と徳之島のネコ問題と現状
・亘悠哉:ノネコの餌選択とインパクト評価
・中下留美子:ノネコの安定同位体研究
・石井信夫:コメント

本集会は無事に盛会に終わりました.当日配布資料(50部用意) が足らずに申し訳ありませんでした.PDFと画像ファイルをダウンロード出来るようにしましたのでご利用ください.

 

 

「生物多様性保全上重要な島嶼におけるネコ対策の緊急実施」

に関する要望書

外来ネコ問題研究会


201795

環境大臣 中川雅治 殿
               
                       外来ネコ問題研究会
会長 山田 文雄
  
                            
「生物多様性保全上重要な島嶼におけるネコ対策の緊急実施」
に関する要望書の提出

拝啓

 日頃より当研究会の活動に対し、ご理解ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、わが国の生物多様性保全上重要な島嶼において、野外で生活するイエネコによる希少種や他の在来種への捕食圧が看過できない状況となっており、このまま放置すると、希少種の絶滅がおこる可能性が高くなっています。また、このようなネコが人獣共通感染症を媒介するリスクも大きいことが分かってきました。以上から、別紙のとおり緊急にネコ対策を実施することを要望いたします。
 
敬具

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連絡先:
諸坂佐利(外来ネコ問題研究会事務局)
221-8686 神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1
神奈川大学法学部諸坂研究室
sally-m@kagawa-u.ac.jp
山田文雄(外来ネコ問題研究会会長)

外来ネコ問題研究会公式ホームページ
   https://invasivecatresearchjapan.blogspot.jp/



「生物多様性保全上重要な島嶼におけるネコ対策の緊急実施」
に関する要望書

外来ネコ問題研究会

 ネコ(生物種としての和名・学名:イエネコFelis catus)は、中東に起源を持つ家畜で、人が日本に持ち込んだ外来種です。避妊去勢されないまま放し飼いされたネコ、さらにそこから生まれたネコたちが自然生態系や人間社会で問題を起こしています。
日本の島嶼には、固有の希少種の生息地や世界的に有数の海鳥類の集団繁殖地があります。こうした生物多様性の保全上重要な島嶼において、野外で生活するネコの捕食等が在来の動物、さらに自然生態系に大きな影響を与えています。とくに、世界自然遺産候補地の奄美大島や徳之島および沖縄島北部においては、このまま放置すると、固有の希少種の絶滅がおきる可能性が高くなっています。
また、屋外にいるネコは、トキソプラズマ症や狂犬病などの重大な人獣共通感染症を媒介するリスクをもたらします。
さらに法的・社会的定義としてのノネコ(鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣)、ノラネコ、飼い猫といった概念は、実務上の区別が難しいため、有効な対策の実施を妨げています。
以上のことから、下記の事項を要望いたします。

要望事項

1.野外からネコの排除を含めた有効な保全対策の実施
1)ネコの捕食によって、希少な在来種や海鳥の集団繁殖の存続が脅かされている島嶼において、野外からのネコの捕獲・排除を緊急に実施すること。

2)これらの島嶼において、希少な在来種などの生息状況やネコを含めた影響要因を調査し、必要な保全措置を講ずること。
(添付資料1参照)

2.有効な保全対策を進めるための法制度の運用と整備
1)複数の法律で管理されるネコに対する統一的対策を実施するために、すき間を作らない法律間の連携した運用が図れるよう,また法律と条例との連携が図れるよう、適切な措置を講ずること。

2)将来的には動物愛護法、鳥獣保護管理法、および外来生物法の改正を図ること。
(添付資料2参照)

3.普及啓発とネコの適正飼養の徹底
1)野外で生活するネコが希少種や自然生態系に及ぼす影響、公衆衛生上の問題、ネコの適正飼養の重要性について、広く国民に対して、正確な知識の理解をもたらすための普及啓発を積極的に図ること。

2)ネコによって希少な在来種の存続が脅かされている島嶼において、野外で生活するネコを新たに発生させないため、地域住民への普及啓発を通じて、飼いネコの適正飼養を徹底させること。
(添付資料3参照)
以上

添付資料1
1.野外からネコの排除を含めた有効な保全対策の実施
 1)ネコ問題を考えるためのネコの分類
 2)外来ネコ問題を抱える日本の島嶼の例
  3)奄美大島における野外のネコによる影響の事例
  4)御蔵島における野外のネコによる影響の事例

添付資料2
2.有効な保全対策を進めるための法制度の運用と整備
 1)ネコ問題の解決に向けて
 2)複数の法律で管理されるネコ

添付資料3
3.普及啓発とネコの適正飼養の徹底
 1)外来ネコ問題研究会主催のシンポジウムや勉強会

添付資料4
ネコ問題の学術団体によるこれまでの要望書
 1)日本鳥学会
 2)日本哺乳類学会

添付資料5
南海日日新聞 2017830日付け「野外猫 早急な捕獲排除を 環境省に要望書提出へ 東京での「島のネコ問題」シンポジウム」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170830-00010000-nankainn-l46

NHK鹿児島(九州地方ニュース) 2017826日付け「アマミノクロウサギ保護対策要望」

添付資料6
5回シンポジウム(東京・早稲田大学,2017826日)チラシ

添付資料7
「外来ネコ問題研究会」パンフレット
以上

日本経済新聞9/6(水)掲載「離島の希少動物 猫が捕食 学者ら国に保全対策求める」
共同通信社取材:日本経済新聞(6日付夕刊)、東奥日報、中日新聞、沖縄タイムズ(いずれも6日付朝刊)、西日本新聞(7日付朝刊)、毎日新聞(7日付夕刊)、中国新聞(9日付朝刊)などに掲載.

  南海日日新聞 8/30(水) 12:01配信 野外猫 早急な捕獲排除を 環境省に要望書提出へ 東京で「島のネコ問題」シンポジウム 離島の猫問題について意見交換したシンポジウム=26日、東京・新宿
  シンポジウム「第5回島のネコ問題」が26日、東京・新宿の早稲田大学であった。事例報告やパネルディスカッションを通し、山中で野生化した猫(ノネコ)による希少種食害や人への感染症媒介リスクなど、各地の離島が抱える猫問題の解決策を探った。来夏の世界自然遺産登録を目指す奄美大島と徳之島では「固有希少種の絶滅が起きる可能性が高い」として、近く国に対し、有効な保全対策を求める要望書を提出することが報告された。

 シンポジウムは動物生態学者や法学者、獣医師らでつくる外来ネコ問題研究会(会長・山田文雄)が主催した。3月以降、奄美大島と徳之島で2回ずつ開催し、東京会場が最終。研究者や自然保護団体関係者、学生など約70人が来場した。

 5氏の事例報告に続き、2氏が講演した。塩野崎和美・奄美野生動物研究所研究員は野良猫対策で行われている不妊化手術(TNR)事業に関連し、手術済みの猫が山中で目撃された事例から「集落と在来種の生息地が近く、捕食を止めることが不可能」と指摘した。

 久野優子・奄美ネコ問題ネットワーク代表は「田舎に行くほど野良猫はその辺にいるものという観念が消えない。外にいる猫が幸せか、根本的な考えから整理すべき」と訴えた。

 東京・伊豆諸島御蔵島や小笠原諸島、沖縄・西表島の事例も紹介された。

 諸坂佐利・神奈川大学法学部准教授は鳥獣保護法の狩猟対象がノネコに限定されている一方、TNRされた野良猫や放し飼い猫が山中に存在する現状から「飼い猫・野良猫・ノネコ」の定義を「所有物・無主物」として再編成することを提案。「自然生態系に脅威を与える猫は山から排除するのがファーストステップとして重要」とした。

 長嶺隆・NPO法人どうぶつたちの病院沖縄理事長は猫対策の一つとして捕獲後の殺処分の必要性にも言及し、「地域の人が責任を持って決めることが大切」と強調した。コメンテーターの石井信夫・東京女子大学教授も費用対効果や即効性の観点からTNRの有効性に疑問を投げ掛けた。

 パネルディスカッションでは会場の質問に登壇者が答える形で意見交換した。

 同研究会は9月にも環境省へ「生物多様性保全上、重要な島嶼(とうしょ)におけるネコ対策の緊急実施に関する要望書」を提出する。野外からの猫の捕獲排除や有効な法制度の運用・整備などを盛り込む方針。


 NHK  鹿児島放送局「アマミノクロウサギ保護対策要望」ニュース報道(九州地方)  http://archive.li/K7xdG#selection-3206.8-3599.1422017年08月26日12時17分

 国の特別天然記念物に指定されているアマミノクロウサギを野生化した猫が襲う被害が相次いでいることを受け、動物学者などの専門家でつくる団体がクロウサギの有効な保護対策を求める要望書を近く国に提出することになりました。
 アマミノクロウサギは、世界自然遺産へ推薦されている奄美大島と徳之島にだけ生息しているウサギで、数が少なく国の特別天然記念物に指定され保護されています。
しかし、山に入って野生化した猫に襲われるケースが相次いでいて、どう保護していくかが課題となっています。
こうした状況を受けて、この問題について調べている動物学者や法律の専門家などでつくる団体「外来ネコ問題研究会」は、クロウサギの有効な保護対策を求める要望書を近く国に提出することになりました。
 要望書では、猫が生態系に与えている影響を詳しく調査することや、アマミノクロウサギの生息域に入る猫の捕獲を可能にする法制度の整備を訴えています。
 「外来ネコ問題研究会」の会長を務める、国立研究開発法人「森林研究・整備機構」の山田文雄特任研究員は「このままでは、アマミノクロウサギを含む多くの奄美群島の固有種が絶滅してしまう可能性が高い。猫がアマミノクロウサギの生息域に入らないような対策を国の責任で講じてほしい」と話しています。

以上

 

ノラネコを保護しようとした際に噛まれた女性(50代)がマダニ毒に感染し死亡したという国内初事例が報道されていました。そして厚労省は、本日、全国の獣医師等に向けて添付の通知を出しました。猫の不適正飼養が招いた、人獣共通感染症のひとつの事例が起きてしましました。情報共有させていただきます。 (2017年7月24日付け)

 厚生労働省健康局結核感染症課「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に係る注意喚起について」

 

 

 

沖縄生物学会「やんばるの森地域におけるノイヌ対策に関する要望書」を沖縄県知事、環境大臣、農林水産大臣、国頭村長、大宜味村長、東村長に提出(2017年6月15日付)

平成29年5月20日
沖縄県知事 翁長雄志 殿
沖縄生物学会 会長 当山 昌直

やんばるの森地域におけるノイヌ対策に関する要望書

2016年9月15日、沖縄島北部の森林地帯「やんばる」が国内33番目の国立公園に指定されました。また、今年2月、政府はユネスコに対し奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島を世界自然遺産の候補地として登録するため推薦書を提出し、2018年夏の登録を目指しています。これも、地元、各関係機関が連携し、それを積み上げてきた賜であり、当学会もその努力に敬意を表します。
  さて、ご承知のとおり、候補地の一つである「やんばる」では、これまでフイリマングース、ノネコ等の外来の哺乳類食肉目によって生態系に大きなダメージを受けてきましたが、関係機関による捕獲対策が功を奏しヤンバルクイナ個体群は回復の兆しが見えてきているところでした。しかし、2015年に国頭村楚洲地域においてノイヌが目撃されるようになり、2016年までには19頭の群れも確認され、今後の個体数の増加と分布域の拡大が懸念されます。2014年以降、ヤンバルクイナについては、目撃および死体に付着しただ液から採取されたDNAの解析によってノイヌによる捕食被害が確認され、他の希少な在来種への捕食が拡大する可能性も懸念されます。個体群の状況について継続的にモニタリングが行われているヤンバルクイナについては、生息状況が悪化し、ノイヌが目撃されている楚洲地域を含む一部の地域では生息確認ができない状況に陥っています。
  これまでのペットの遺棄とは大きく異なり、ノイヌは野外で妊娠個体や子犬も確認され、すでに繁殖によって個体群が維持されています。また、犬はその生態的特性から群れを形成するため、大型の動物も獲物とすることができます。元来ペットであるはずの犬が、野生化した状態となり、イノシシを捕食することも確認されています。この状況が放置されれば、ノイヌに捕食される在来生物が拡大し、やんばるの生態系は短期間のうちに壊滅的状況に陥ってしまう可能性があり、このままでは世界自然遺産の登録への影響が危惧されます。また、すでに人を襲撃した事例も報告されており、環境教育や自然教育の場としてのやんばるの活用も縮小せざるを得ない状況となっております。
  以上、やんばるの森地域における状況の深刻さと緊急性のため、沖縄生物学会第54回大会の総会(平成29年5月20日)において、以下の2点について関係機関が連携し、早急に対応していただけるように強く求めることが決議されました。ここに沖縄生物学会として要望いたします。
1.国頭村・大宜味村・東村におけるノイヌの捕獲・除去を行う。
2.沖縄島全島においてペットの遺棄防止の普及啓発を強化する
(沖縄生物学会第54回大会総会決議)
連絡先
〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1番地
琉球大学理学部海洋自然科学科生物系内 沖縄生物学会事務局
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