2026/09/09

【報道】ノネコ→イエネコの外来種リスト案、異例の撤回「誤解生む可能性」 2026/9/6(日) 朝日新聞デジタル

 【報道】ノネコ→イエネコの外来種リスト案、異例の撤回「誤解生む可能性」

2026/9/6(日) 12:00配信 朝日新聞デジタル 小川詩織
 
 
朝日新聞デジタルのサイト 
 
 
概要
(詳細は上記URLをご覧ください.後半の記事は朝日新聞デジタルで有料で読めます.)
 
環境省は、生態系に影響を与えるおそれのある外来生物をまとめた「生態系被害防止外来種リスト」を約10年ぶりに改定する。これまでリストに掲載されていた、野生化したネコの「ノネコ」を、種名の「イエネコ」にする方針が示されていたが、反対意見が相次ぎ、これまでどおり「ノネコ」のまま掲載することになった。
(以下略) 
 
 
環境省生態系被害防止外来種リスト 
 

【Editorコメント】 
Yahooニュースのコメント欄には,現在(2026/09/09),94件のコメントが書き込まれています.パラパラとしか見ていませんが,撤回要望や撤回したことに対する批判が多く見られます.
 
ほぼ確定段階で,環境省(農林水産省も共管)側の異例の撤回は,政策決定プロセスに問題を残したと思います.
 
この撤回で,対象は従来どおり「ノネコ」と称されるイエネコだけが,対策の外来種となりました.一方,動物愛護管理法や市町村の条例などでは,イエネコの室内飼育や適正飼養が推奨されていて,屋外イエネコを減らしゼロ化の方向にあります.しかし,今回の撤回で,屋外イエネコ(野良イエネコや屋外に出る飼育イエネコ)の外来種としての位置づけは,従来どおりということで,政策的に矛盾します.それで良いのでしょうか?
 
屋外にいる個体が起こす問題,例えば在来種捕食や生態系影響,公衆衛生(SFTS,トキソプラズマ,糞尿,鳴き声,撹乱など),個体自体の福祉(健康,交通事故)などは,依然として放置のままとなります.それで良いのでしょうか?
 
家畜やペット動物の管理の直接の専門家として,獣医師やその関係者の人たちから,今回の件に対して発言や対応は少ないです.SFTS感染イエネコで死亡した獣医師さんが実際にもいて,獣医師界では最大の注意を払っていると聞きます.それで良いのでしょうか?
 
 本来,公共的・社会的な課題であるはずのイエネコ問題が,一部の声によって,自分たちに都合のよいように,おさえ込まれてしまいます.イエネコ問題の私物化,囲い込みです.それで良いはずはないです.

 
 

【この件を報じた報道の一覧(確認できた範囲)】

1.共同通信
配信
猫の生態系対策案撤回へ 被害防止リスト変更せず(共同通信)
#Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/4fc525d4dca7cb51cbee6f6f1f8eaff91b1a5904
 
2.毎日新聞
「ノネコ」→「イエネコ」案、異例の撤回 外来種リスト改定巡り
毎日新聞8/7(金) 16:11配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/597c1e5d479da43bddc4dd625420968722677468/comments?expand_form
 
3.まいどなニュース
 
4.女性自身
「猫は駆除対象と誤った認識が広がる」環境省 “外来種対策リスト”改定案に抗議殺到で異例撤回…識者が訴える不信感(女性自身)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a00bc9a3c20fe69aaa132fe499b11c0f30fecf9 
 
5.朝日新聞
以上  

2026/08/16

【Editorコメント】「環境省外来種リスト」改訂におけるイエネコ問題について 2026/08/16

【Editorコメント】「環境省外来種リスト」改訂におけるイエネコ問題について 2026/08/16 

 

1.環境省の本来の改訂意図

適正に飼育されているイエネコを安易に屋外へ出したり、遺棄したりすることを防ぎ、国民に適正飼養を促すことが、今回の改訂の重要な意図だったと思います。すなわち、「外にいるイエネコ」を防除推進外来種として位置づけることによって、完全室内飼育、適正飼養、遺棄防止、そして屋外にいる個体への対策を一体的に進め,イエネコ問題の解決に一歩前進をはかることが想定されていたと思います。

従来のリストでは、「イエネコ」という種名のもとで、主として「ノネコ(野生化したイエネコ)」が対象とされていました。しかし、外来種による生態系への影響という観点からみれば、問題となるのはノネコだけではありません。屋外を自由に徘徊するイエネコには、ノネコだけでなく、飼い主のいないノラネコや、飼い猫であっても屋外に出ている個体が含まれます。

これらの屋外イエネコは、在来野生動物の捕食、感染症や寄生虫の媒介、交通事故など、野生動物、人の生活、そしてイエネコ自身に関わるさまざまな問題を引き起こす可能性があります。

したがって、問題の本質は「ノネコだけを対象とすること」ではなく、「屋外にいるイエネコ」という状態そのものを減らし、最終的にゼロにすることにあります。

 

2.一部の批判派による「すり替え・論点の歪曲」

ところが、一部の批判派は、今回の改訂の趣旨を「屋外の猫が安易に捕獲・排除・殺処分される」という問題へとすり替えたデマで,署名活動や批判キャンペーンを展開しました。

一般の飼い主や動物愛護に関心をもつ人々の間に、「飼い猫が外に出ただけで、直ちに国によって捕獲・殺処分される」といった過剰な不安や誤解が生じることになったと思います. 

署名活動やロビー活動(ロビング),一部報道のスクープ活動なども行われ,環境省原案を撤回せざるを得ない状況になりました.

しかし、本来の改訂の趣旨は、適正に飼育されている飼い猫を一律に捕獲・排除することではないはずです.屋外への遺棄や無責任な放し飼いを防ぎ、完全室内飼育などの適正飼養を促進するとともに、すでに屋外にいるイエネコについて適切な対策を進めることにあるはずです.

したがって、政策の趣旨と実際の制度内容を区別し、何が事実で、何がデマや誇張なのかを冷静に理解して行動すべきと思います.

 

3.イヌやイエネコを外来種対策・関連制度から一律に除外することのリスク

一部では、外来種リストからイヌやイエネコを除外することや、関連する法制度の対象から外すことを求める主張もみられます。

しかし、家畜でありペットのイヌやイエネコは人間の生活に身近な動物である一方、屋外に放置・遺棄された個体については、生態系への影響だけでなく、公衆衛生や動物福祉の観点からも適切な管理が必要です。

例えば、イヌについては狂犬病予防法に基づく感染症対策が行われています。また、イエネコについても、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)やトキソプラズマ症など、人と動物の間で問題となり得る感染症について、適切なリスク管理が求められます。

したがって、イヌやイエネコをその特性やリスクを考慮せず、外来種対策や関連する制度から一律に除外することは、生態系保全、公衆衛生、動物福祉のいずれの面からも,無責任な提案です.問題のすり替え・論点の歪曲によるデマキャンペーンと言えます.

 

4.どう対処すべきか

1)イエネコの命だけでなく、人間の命と健康も大切にする

屋外にいるイエネコを放置することは、動物福祉の問題にとどまらず、公衆衛生上の問題にもなります。

イエネコは、SFTSなどの感染症に感染したり、病原体を保有するマダニを運んだりする可能性があります。人への感染リスクを考えれば、屋外を自由に徘徊するイエネコを無制限に放置することは適切ではありません。

また、公園や住宅地など、人の生活圏に屋外イエネコが存在することは、子ども、妊婦、高齢者などを含む住民の不安や感染リスクにもつながります。

したがって、イエネコの命を守ることと、人間の命と健康を守ることを対立させるのではなく、「人と猫の双方を守る」ための対策を考える必要があります。

 

2)批判的な主張や情報に惑わされず、事実確認と正しい行動を

イエネコ問題をめぐっては、事実関係が十分に確認されないまま、問題の一部だけを強調したり、別の問題に論点をすり替えたりしたデマによる主張がみられます。

また、署名や寄付を募る活動についても、その主張が科学的根拠や客観的事実に基づいているのか、活動によって本当に問題の解決につながるのかを冷静に考え対処する必要があります。

重要なのは、誰が何を主張しているかではなく、その情報が科学的根拠と客観的事実に基づいているかを確認することです。

「かわいい」「かわいそう」という感情だけで判断するのではなく、生物多様性、公衆衛生、動物福祉,そして飼主やネコを愛する方々,それぞれの観点から、情報をファクトチェック(事実検証)して,正しく判断したいものです.

「マッチポンプ的活動」(すり替えデマと誹謗中傷で炎上させ,一方で消火すると見せかけた独善的提案,そして利益誘導)を行なう批判者もいます。安易に署名や寄付をするのではなく、まず情報の真偽を確認し,正しい行動を取ってほしいものです.

 

3)真の動物愛護とは何か

屋外で生活するイエネコは、交通事故、感染症、マダニ、他の動物との争い、飢え、暑さや寒さなど、さまざまな危険にさらされています。屋外生活は、イエネコ自身にとっても決して安全な環境ではありません。

不妊・去勢手術を行ったうえで再び屋外に戻すTNR(Trap-Neuter-Return)は、イエネコ対策で使われる場合がありますが,それだけでイエネコが抱える交通事故、感染症、捕食などのリスクをなくすことはできません。

動物愛護とは、イエネコを単に屋外で生き続けさせることではなく、家畜・ペットであるイエネコを本来どおり、危険な屋外環境から守り、屋内で適正に飼育することです。

そのためには、飼い主の責任として、「完全室内飼育」を徹底し、飼い主のいない屋外イエネコについても、保護・収容、不妊・去勢、譲渡、人道的致死処分などを組み合わせながら、最終的に「外にいるイエネコをゼロにする」ことを目指すべきです。

これは,イエネコの命を軽視する考え方ではありません。むしろ、イエネコ自身の命と健康を守りながら、在来野生動物、人の健康、地域の生態系、そして地域社会を守るための、責任ある対策です。

イエネコの習性や生態を正しく理解し、適切な飼い方を知ってほしいと思います。「イエネコがいなくなると、イエネズミ(外来種のネズミ)が増える」という意見があります。しかし、イエネズミも餌や生息環境がなければ増え続けることはできず、餌資源が減れば、やがて個体数は減少していきます。イエネコを外に放すことを、ネズミの防除という理由で正当化することは適切ではありません。

家畜・ペットであるイエネコを室内で適切に飼育し、屋外で自由に徘徊させないことは、イエネコを守ることにもつながります。お家の中で,人とイエネコがいつも寄り添って生活を送れることが,真の動物愛護であるはずです。

 

以上です. 

2026/08/13

【報道】マダニによる感染症「SFTS」感染者数が過去最多 ペットからの感染例も…予防のポイントは?メ~テレ(名古屋テレビ)2026/8/12

 

マダニによる感染症「SFTS」感染者数が過去最多 ペットからの感染例も…予防のポイントは?

メ~テレ(名古屋テレビ)2026/8/12(水)16:00

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nagoyatv/region/nagoyatv-036746

(概要,詳細はURLを見てください) 

去年、三重県ではSFTSに感染したネコを診察した獣医師が感染し、死亡しました。 

 

ペットから感染しないためにもまずはペットの感染を防ぐことが重要です。 「猫に関して言えば、可能な限り外に出さない、100%室内飼育をお勧めしています」

 

 

【発表・報道】国民の命と安全を守る対策推進を クマ等の鳥獣被害対策で提言 シカ・イノシシ・キョンへの対策も求める 自民党2026/06/26

【発表】

国民の命と安全を守る対策推進を クマ等の鳥獣被害対策で提言
シカ・イノシシ・キョンへの対策も求める

自民党鳥獣被害対策特別委員会
2026年6月26日
 
被害者数、死者数が過去最多となって令和7年に続き、今年も全国各地で人の生活圏での出没や、人身被害等が相次いでいます。党鳥獣被害対策特別委員会(委員長・笹川博義衆院議員)は、クマ等の鳥獣被害への対応に向けた提言を取りまとめ、6月26日に政府の関係閣僚会議議長を務める木原稔官房長官と石原宏高環境大臣に申し入れを行いました。

提言では今年3月27日に政府が取りまとめたクマ被害対策ロードマップの着実な推進を求め、国民の命と安全を守るため緊急対応体制の確保や、推定個体数・捕獲目標数の明確化等を求めました。また、鳥獣保護区におけるクマ捕獲の推進、狩猟期間の延長についても政府が各自治体と連携した対応を取ることを提言。捕獲したクマや人身被害に関する情報取集と科学的分析、ICT、ドローン、ロボット等の先端技術を活用した対策を推進することも提唱しました。
 
ニホンジカやイノシシ等の個体数の適正水準への減少に向けた対策や、千葉県房総半島で急速に分布を拡大しているキョン(小型のシカ科動物)についても、捕獲強化や北上防止柵の設置等、集中的な対策も盛り込みました。 

 

 

クマ等の鳥獣被害への対応に向けた提言

令和8年6月26日

自由民主党政務調査会

鳥獣被害対策特別委員会 

 https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/213639_1.pdf

 

 

 
 
TBS NEWS DIG
2026年6月23日(火) 14:00
(略) 
自民党の鳥獣被害対策特別委員会がきょうまとめた提言案では・・・・,このほか、千葉県の房総半島で生息域を拡大している特定外来生物のキョンについても捕獲を強化することや、北上することを防ぐ柵を設置し、対策をとることを盛り込みました。
 
自民党は近く、政府に提言を出すことにしています。 
 
 
 
【Editorコメント】

上記の赤文字はEditorが強調しました.
 
環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」や、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されている小型のシカ科動物です。中国南部や台湾が原産で、日本では千葉県や伊豆大島などで野生化し、農作物被害や生態系への影響が深刻化しています。
 
千葉県において,(飼育施設の逸出個体から)1960-1980年代に野外に定着しました.千葉県においては,最終目標の根絶に向けて,今後5年間の防除が実施される予定.出没が確認されている茨城県においては,生息情報収集を進め,目標として捕獲・完全排除を予定.
 
キョンの分布拡大が,今後,茨城県の山岳地,栃木,群馬などの山岳地に広がれば,捕獲排除はより困難になるため,千葉県内の対策や茨城県内の対策が最重要課題となります.
 
今回,自民党が千葉のキョン対策を鳥獣害対策の提言に加えたことは,この問題の緊急性や重要性を政治レベルでも認識され,地域社会で大きな課題となっていることを訴えていると言えます.外来種対策として,成功するようにしっかりと対応してほしいです.
 
 
 
 
環境省 特定外来生物 キョン 
ウシ目シカ科ホエジカ属 Muntiacus reevesi

千葉県における対策
防除公示
区域 千葉県全域
期間 2026年4月1日〜2031年3月31日(5年間)
捕獲 銃およびワナなど
防除主体 千葉県
目標 計画期間内の最重要目標は千葉県北部地域への分布拡大防止,生息数減少,被害防止
   最終目標 県内の野外からの完全排除 
  
 
茨城県における対策
  • これまでのキョン確認個体は6例(2026年6月4日時点)
  • 生活環境被害や農作物被害も報告されていないことから、侵入の初期段階と考えています。 
  • 個体の生息情報を収集、捕獲を早め早めに進めることで、完全排除を目指します。