猫の生態系対策案撤回へ 被害防止リスト変更せず
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【発表・報道】生態系対策、イエネコ追加へ 環境省、希少種の捕食などで
共同通信2026/06/28
https://news.yahoo.co.jp/articles/db04ddc0904f9d56de72ab42c8bfb5d283e1626a
概要(詳細は上記URLを)
環境省と農林水産省が、生態系に影響を及ぼすため対策が必要な「生態系被害防止外来種リスト」改定で、従来は野生に限っていたイエネコの対象を広げ、人に頼って生きる「野良猫」(ノラネコ)や「飼い猫」(カイネコ)も含める方向で最終調整していることが28日、分かった。
屋外で不適切に餌付けされた猫などが離島で希少動物を食べたりしているため。感染症を媒介する恐れも指摘される。従来は野生猫だけを「ノネコ」として掲載していたが、猫は種名で一括して「イエネコ」とする。
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この記事や他の記事から,下記のように説明できる.
改正外来種リスト:対象種の動物名(標準和名)を「イエネコ」を使う.従来からリスト掲載種名は標準和名を使っていて,これに統一したと言える.
従来の外来種リスト:従来は動物名を「ノネコ」とし,イエネコの野生化したものとしていた.しかし,外来種として問題となるのは,屋外に居るイエネコや屋外へ自由に放浪できるイエネコである.これは,リストに掲載されている他の種においても,屋外に居る個体は外来種として問題となると,同様の扱いと言える.
改正理由:屋内で適切に飼育されているカイネコは防除の対象外.
このため,むやみに外に出したり、遺棄したりしないよう管理徹底が求められている.
法的拘束力はなく、国民に注意喚起する意味合いが大きい。
【Editorコメント】
イエネコは,屋外で自由に行動すると,在来の野生動物を捕食したり,SFTSやトキソプラズマなどの感染症を人に媒介したりすることがあり,「身近な侵略的外来種」として地域の自然環境に悪影響を及ぼすことがあります。このリスクは,屋外に存在するイエネコのすべてに起きる問題です.ノネコだけでなく,ノラネコも対象で,屋内から屋外に出入りするカイネコでも起こりえます.
イエネコはそもそも家畜で大切なペットのはずです.家族の一員としてのイエネコです.動物福祉の観点からも,「完全室内飼育と適正飼養」が、いまや飼い方のスタンダードになっています.
今回の「生態系被害防止外来種リスト」改訂におけるイエネコの記載変更に対して,環境省が変更撤回したということは,今日的課題であるこれらのリスクや動物福祉への観点の取り組みとの連携があいまいであったのかと思われます.依然として,「かわいい」「かわいそう」といった感情論への訴えや,我田引水的な誤情報・誤解による撤回意見の誘導によって,科学的根拠に基づく議論や政策形成が妨げられたと言えます.
ノラネコによって迷惑を受けている人や,SFTS感染症やトキソプラズマ感染症など人畜共通感染症などの事態ことも,自分のこととして考えてほしいものです.
「外イエネコゼロ」
ZOCKI
Zero Outdoor Cats, Keep Cats Indoors
ZERO CAT and Cat-IN
下の図も参照にしてください.
環境省令和8年度「第6回生態系被害防止外来種リストの見直しに係る検討会」
開催趣旨
「生態系被害防止外来種リスト」について
これらに基づき、環境省及び農林水産省は、法規制の有無に関わらず、様々な主体の参画の下で外来種対策の一層の進展を図ることを目的に、侵略性が高く、我が国の生態系への被害が懸念される外来種429種類を列挙した「生態系被害防止外来種リスト」※(以下「リスト」とする。)を、2015(平成27)年3月に作成・公表しました。
パンフレット https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/list.pdf
(いずれも環境省ウェブページ内)
見直しの背景
なお、今般更新するリストは、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(2022(令和4)年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、愛知目標の後継目標として採択)における個別目標「侵略的外来種の導入率及び定着率を2030年までに50%以上削減する」等の達成を意識しつつ、総合的な外来種対策の一層の進展に向け、多様な主体に対して侵略的外来種についての理解を十分に浸透させ、適切な行動を喚起するツールとして活用するものとします。
日時
開催場所
議題(予定)
(2)生態系被害防止外来種リスト改定案及び概要資料について
(3)その他
【Editorコメント】
生態系被害防止外来種リスト」の改訂作業は,科学的根拠に基づいて策定されなくてはいけません.2023(令和5)年3月に閣議決定された「生物多様性国家戦略2023-2030」や生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)にも,この改訂作業は責務があるはずです.
特定の外来種の種類(イエネコ)に対してだけ,一部の感情的な議論や根拠を欠く情報に左右されるてはならないです.他の外来種約430種に対して,このようなナンセンスな意見や撤回は,皆無のはずです.
私にも3通の手紙などのクレームが来ています.いずれも,この「生態系被害防止外来種リスト」のそのものや意味さえ理解していません.外来種,生物多様性保全,公衆衛生,動物福祉などの意味さえも理解していません.
今回,ノネコを,他種と同様に標準和名のイエネコに変更し,ノラネコなどにも対象を広げて捕獲排除するので,反対としているようです.ご存知のように,組織的にキャンペーンがはられていて,手紙や署名活動が行われているようです.
以前の世界自然遺産の登録のときにも,外来種対策のイエネコ対策に対して,IUCNや世界遺産委員会に,日本から反対意見のキャンペーンが起き,意見発信されました.しかし,環境省などはやり過ごし政策変更までにはなりませんでした.今回,撤回となれば,ヘンな成功体験を与えてしまい,今後の環境行政の障害になると思います.
https://news.yahoo.co.jp/articles/4fc525d4dca7cb51cbee6f6f1f8eaff91b1a5904
エキスパートのコメントが出ています.(記述のTNRや地域猫の評価も必要ですが)参考になるかと思います.
石井万寿美(まねき猫ホスピタル院長 獣医師)
7時間前
解説
今回の方針転換で最も大切なのは、「猫を守ること」と「野生生物を守ること」を対立させないことです。ノネコはイエネコが野外で定着したものであり、外で暮らす猫は交通事故や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症、虐待など命の危険にさらされ、野鳥や希少な小動物を捕食し、生物多様性にも影響を与えています。 「イエネコ」という表現が、飼い猫まで駆除対象になるとの誤解を招く恐れがあったため修正されたことは理解できます。 本当に目指すべきなのは、「外猫ゼロ」の社会です。そのためには、TNRや地域猫活動によって繁殖を抑えることに加え、飼い主が不妊・去勢手術を行い、完全室内飼育を徹底することが欠かせません。愛猫を事故や病気から守ることが、同時に野生生物や地域の環境を守ることにもつながります。 科学的な根拠に基づいた議論を積み重ねることが、この問題を前進させる第一歩ではないでしょうか。
以上です.