2024/04/05

「報道」過去最多の161匹 23年度奄美大島ノネコ捕獲数 全島展開へエリア拡大 鹿児島県(奄美新聞2024/04/03)

 

過去最多の161匹 23年度奄美大島ノネコ捕獲数 全島展開へエリア拡大 鹿児島県

奄美新聞2024/04/03 11:40配信
 
【概要】(詳細はURLを見てください)

環境省奄美群島国立公園管理事務所、奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市世界自然遺産課内)は4月2日、ノネコ管理計画に基づく捕獲状況及び捕獲後の対応状況をまとめ、公表した。
 
2023年度(23年4月~24年3月)の捕獲数は161匹で、過去最多となった。全島展開に向けて捕獲作業エリア拡大が増加につながっており、24年度は新規に龍郷の北西部も加わる。
 
 ノネコの捕獲は生態系の保全を目的に、環境省と鹿児島県、島内5市町村が策定したノネコ管理計画に基づき2018年7月に開始。

捕獲数が過去最多となったことについて同省は、捕獲作業エリアの拡大を挙げる。これまでの島南西部に、宇検村北部と奄美市名瀬の下方地区、中心市街地の一部を新たに加えた約498・8平方㌔㍍となった。 
 
捕獲作業の未着手地域は残り7地域。24年度は現地域との連続性などに配慮し、龍郷、秋名、崎原の3地域で着手。25年度中に残りの赤尾木、節田、赤木名、西古見の4地域で展開する見通し。 
 
なお、ノネコの発生源となる飼い猫とみられるネコの捕獲数は2023年度が最多の14匹。これまでの合計は34匹で、このうち21匹は飼い主に返還された。 
 
奄美大島対策協では、捕獲されたノネコの譲渡対象者として認定を希望する個人または法人を随時募集している。
 

{コメント by editor】 
希少種生息地に侵入・生息しているイエネコ(屋外ネコ)の捕獲が順調に進められているといえます.
 
今年度の捕獲個体のうちの約9%が飼育個体だそうです.屋外を放浪させている飼い方がまだあるようです.マイクロチップ装着など適正飼養を行うことで,飼い方などもわかってきます.
 
希少種や生態系保全のために,またネコや飼い主さんのためにも,飼い主さんは完全室内飼養を守ってほしいものです.完全室内飼養の工夫例(ネコ用テラス,Catio)




2024/03/04

「報道」鹿児島県・奄美大島ノネコ捕獲検討会 全地域展開へ体制確保確認 23年度、捕獲は過去最多 25年度までに残り7地域へ

 

猫の交通事故死も大幅減 捕獲範囲は拡大・強化へ 環境省ノネコ捕獲検討会・奄美大島(南海日日新聞,ほか)


南海日日新聞
 2/27(火) 11:40配信

概要(詳細は下記URL参照)
 環境省が奄美大島で進める野生化した猫(ノネコ)の捕獲に関する検討会(座長・石井信夫東京女子大学名誉教授、委員4人)が26日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。2023年12月末現在のノネコ捕獲数は95匹で、今年度の捕獲総数は昨年度(97匹)を上回る見込み。24年度は北部地域へ捕獲エリアを広げる。繁殖制限を目的に進める野良猫のTNR事業は島内全集落の87%で実施され、関連して猫の交通事故死も大幅に減少したとの報告もあった。

https://www.nankainn.com/news/a-and-p/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E4%BA%A4%E9%80%9A%E4%BA%8B%E6%95%85%E6%AD%BB%E3%82%82%E5%A4%A7%E5%B9%85%E6%B8%9B%E3%80%80%E6%8D%95%E7%8D%B2%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%AF%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%83%BB%E5%BC%B7%E5%8C%96

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奄美大島ノネコ捕獲検討会

奄美新聞
2024年2月26日

「全地域展開へ体制確保確認」「25年度までに残り7地域へ 23年度、捕獲は過去最多」

概要(詳細は下記のURL参照)
 2023年度「奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」(座長・石井信夫東京女子医大名誉教授、検討委員5人)が26日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。今年度は新たに2地域で捕獲作業を始め、実施地域は計14地域まで拡大した。委員らは迫る全21地域での展開を見据え、体制確保などを確認した。

https://amamishimbun.co.jp/2024/02/26/48851/

 

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奄美大島のノネコ捕獲、今年度は過去最多 島内全域で実施へ

奄美通信員・神田和明

 

2024/02/29

『報道』根絶宣言9月ごろに マングース防除事業検討会 奄美大島(南海日日新聞2024年02月28日ほか)

根絶宣言9月ごろに マングース防除事業検討会 奄美大島

南海日日新聞
2024年02月28日
 
概要(詳細は下記URL参照) 
奄美大島のマングース防除事業検討会(座長・石井信夫東京女子大学名誉教授、委員5人)が27日、奄美市名瀬の奄美川商ホールであった。マングースの捕獲は2018年4月以降ゼロの状態が続いており、今後モニタリング調査などのデータを基に、根絶の可能性を科学的に判断する。委員会は「23年度末までにマングースが確認されなければ根絶と仮評価できる」として、9月ごろに根絶宣言を行うとした。
 

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奄美大島の外来種マングース、ついにいなくなった…? 環境省が9月にも「根絶」宣言へ 成功なら面積は世界最大

配信

環境省は27日、鹿児島県の奄美大島に生息する特定外来生物マングースの根絶を9月にも宣言する方針を示した。2018年4月を最後に約6年間捕獲がなく、本年度末までのデータで判断する。奄美市で開いた防除事業検討会で意見をまとめた。マングース根絶の成功例は世界でも数少なく、奄美大島で達成できれば面積は最大となる。

2024/02/23

【論文・報道】野外イエネコの食事に関する世界的な総合的評価論文とNew York Times記事

原著論文

タイトル:A global synthesis and assessment of free-ranging domestic cat diet

(和訳:野外イエネコの食事に関する世界的な総合的評価)

掲載誌:Nature Communications. Published on 12. December 2023

https://www.nature.com/articles/s41467-023-42766-6

著者:Christopher A. Lepczyk, Jean E. Fantle-Lepczyk, Kylee D. Dunham, Elsa Bonnaud, Jocelyn Lindner, Tim S. Doherty and John C. Z. Woina.

屋外で放浪するイエネコ(野外イエネコ, Felis catus)が,屋外で何を食べているのかについて,公表データに基づき世界的に評価した論文が発表されました.

 

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The New York Timesがこの論文の解説記事を掲載し,その和訳が東洋経済ONLINEに掲載されましたので,本Editorなりの解釈で概要を以下に紹介します.詳細はURLをご覧ください.

記事

The New York Times

By Catrin Einhorn
Dec. 12, 2023

https://www.nytimes.com/2023/12/12/climate/cats-nature-biodiversity.html

Free-ranging cats hunt or scavenge more than 2,000 species, some of them imperiled, according to a new study. A study published on Tuesday in Nature Communications found that almost half of the species eaten by cats were birds, followed by reptiles, mammals and insects.

本紹介記事では,この論文の概要として,屋外で放浪するイエネコ(野外イエネコ, Felis catus)により狩られ,死体を漁られている動物は2,000種以上の動物で,そのほとんどは絶滅危機に瀕する種であったことを述べ,食べられている種の半数以上は鳥類で,残りは爬虫類,哺乳類および昆虫であったと述べている.さらには本記事では,屋外イエネコをどうするかも解説しています.下記の翻訳記事で述べました.


東洋経済ONLINE

2024/02/22 9:20
判明!「イエネコFelis catusが外で食べている」とんでもないもの 実は生態系を脅かすほどの存在になっていた(By Catrin Einhorn)
 
イエネコが食べていた予想外のもの
放し飼いにされているイエネコ(Felis catus)は2,000種以上の動物を食べており、生態系への影響について新たな懸念が示されている.食べられている動物種のほぼ半数は鳥類で、爬虫類と哺乳類がそれに続いた。また、オオカバマダラ、ヒメアカタテハ、皇帝トンボなど、昆虫類も予想外の数が発見された。その他、ラクダ、牛、アオウミガメなど、驚きのメニューが並んでいた.ラクダと牛はイエネコの狩りの腕前によって得た残飯、ウミガメはおそらく子ガメとか考えられる。

イエネコは想像以上にあらゆるものを食べており,オオカバマダラやアオウミガメを含む350種近くが、絶滅危惧種または絶滅の危機に瀕する種に指定されている.

 

屋外ネコをどうするか? の現状

最も深刻な論争:膨大な数の屋外イエネコをどうするか?里親の見つからないイエネコをどうするか?を下記のように整理して述べています.

1.TNR(捕獲・不妊去勢・返還trap-neuter-return)は,愛護団体などの提唱により,行政などが実施したりしている.しかし,集団に対して,継続的で高い割合の数のイエネコを処置しないと,効果は限定的になる.(Editor補足: 集団の繁殖を抑制できるが成獣個体は残る.繁殖可能個体が発生すると,集団の数は増えていく)

2.一方で,屋外イエネコに餌を与えて数を増やしてしまう事例もある.イエネコが自由に屋外を出歩くことを喜ぶ人もいる(Editor補足:撮影や映像,放送でも).

3.しかし,科学的根拠から,屋外イエネコは「侵略的外来種」に指定され,野生動物と同様に駆除が推奨され,ペット飼養の条例強化や屋外イエネコへの給餌を禁止する法律も整備されている.(Editor補足:日本でも常識化)

 
室内飼養の推奨のために,屋外ネコが受けている危険性を知る必要
イエネコが屋外で生活すること自体への危険性を知る必要があり,室内飼養のほうが利点がある.
 
事例として,①屋外にいると殺鼠剤の二次的影響が屋外イエネコにもあり,②一方,室内飼養だと室内での天敵としても飼い主に役立つことをあげている.
(Editor補足:①と②はUSAの事情なのかもしれないが,室内飼養効果として初めて知る見解で,記者に確認してみたい.交通事故や感染症防止などの方が大きいはず)

以上