2025/04/30

【報道】クロウサギ生息地に異変 ソテツ害虫が影響 個体数減少など懸念 奄美大島(2025年4月28日南海日日新聞)

 【報道】

クロウサギ生息地に異変 ソテツ害虫が影響 個体数減少など懸念 奄美大島

2025年04月28日南海日日新聞

https://www.nankainn.com/news/a-and-p/%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%a6%e3%82%b5%e3%82%ae%e7%94%9f%e6%81%af%e5%9c%b0%e3%81%ab%e7%95%b0%e5%a4%89%e3%80%80%e3%82%bd%e3%83%86%e3%83%84%e5%ae%b3%e8%99%ab%e3%81%8c%e5%bd%b1%e9%9f%bf%e3%80%80%e5%80%8b

 「国の特別天然記念物アマミノクロウサギの生息地に異変が起こっている」。奄美市笠利町の希少野生動植物保護推進員、勝廣光さん(77)が南海日日新聞社へ写真を寄せた。ソテツの葉や幹、根に寄生して枯死させる外来種「ソテツシロカイガラムシ」(通称CAS)の影響で、観察を続けている奄美大島のクロウサギの巣周辺の景色が一変しているという。勝さんは「巣や通り道を隠すソテツがなくなってしまえば生息域の縮小や個体数減少にもつながる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

(詳細は上記URLを見てください)

 

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鹿児島県庁
ソテツを加害するカイガラムシについて

https://www.pref.kagoshima.jp/ad07/sangyo-rodo/rinsui/shinrin/hogo/cycas_kaigaramusi.html

奄美市役所

 https://www.city.amami.lg.jp/norin/kaigara.html

 沖縄県庁

https://www.pref.okinawa.lg.jp/kurashikankyo/petgaiju/1018721/1005044.html

 

 

 

Editorコメント

https://ja.wikipedia.org/wiki/CAS_(%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7)

上記Wikipediaからの概要

 CAS(キャス)ことソテツシロカイガラムシ(学名:Aulacaspis yasumatsui)は、カメムシ目マルカイガラムシ科に属する外来カイガラムシ。英名Cycad aulacaspis scaleの頭文字から通称CAS(キャス).

 原産地はタイなど東南アジア。外来種として台湾、ハワイ、グアム、アメリカ大陸等に分布し、効果的な防除方法が確立されておらず、侵入先では自生あるいは植栽されたソテツに大きな被害を与えている。

2006年の時広の警告的報告以後、日本では侵入の報告事例は無かった。日本での定着は、2022年より奄美大島の一部群生地の集団枯死が認められていたが、鹿児島県の奄美大島にて2022年11月22日に初確認以後、2023年11月までに奄美大島の5市町村すべてで被害が確認されたほか、沖縄県でも確認された。奄美大島には台湾から侵入したと推測されている。 

 

 

 

 

2025/04/28

【論文】イエネコの狩りや餌の評価研究に使用される手法の研究レビューと手法によるバイアス評価

 論文タイトル(意訳)
イエネコの狩りや餌の評価研究に使用される手法の研究レビューと手法によるバイアス評価
 
原著論文
Hannah L. Lockwood, Maren Huck “A Global Systematic Review and Meta-Analysis of Methods Used to Evaluate Predation and Diet of Domestic Cats (Felis catus)” Ecology and Evolution 15(4). (April 2025)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ece3.71349

 

Editorから(ざっと見で・・):

イエネコによる在来種への狩りや捕食に対して,調査手法による分類群ごと(哺乳類,鳥類,両生爬虫類・・・)の評価の違いを.客観的にしようというすごい試みの論文です.

世界で発表された88本の論文(日本も含む)を対象とし,調査手法と餌動物となる分類群ごとでの評価バイアスを示しています.著者は,(糞やアンケート手法と異なる評価傾向が見られた)首輪カメラの事例を増やしたいと希望しているようです.

以上です.

2025/04/26

【論文】Unexpectedly early and drastic dietary shift of feral cats to seabirds: Evidence from fecal samples of cats captured during the transition to the breeding season of the streaked shearwater on Mikura-shima Island, Japan.

【論文】

Watari Y, Matsuyama Y, Tokuyoshi M, Nose T, Hayama H, Kawakami K, Oka N (2025) Unexpectedly early and drastic dietary shift of feral cats to seabirds: Evidence from fecal samples of cats captured during the transition to the breeding season of the streaked shearwater on Mikura-shima Island, Japan. Mammal Study 50.

https://doi.org/10.3106/ms2024-0041

Abstract

Invasive cat predation on island-breeding seabirds is a well-known example of impacts reducing insular biodiversity. The affected islands show drastic seasonal changes in primary prey for cats (i.e., seabirds), yet no studies have detected the timing of cats’ dietary shift to seabirds. Using camera trapping, opportunistic information gathering, and fecal analysis of cats captured during the transition season between the wintering and breeding seasons of the streaked shearwaters on Mikura-shima Island, we found that cats began unexpectedly preying on the shearwaters in the middle winter when the shearwaters ever reported to stay in the wintering waters, which was also earlier than the period shown by any other monitoring records in this study. We updated our estimate to 330 shearwaters annually killed by an average cat on the island. Though the cat population is yet unknown, at least 34 980 shearwaters will be killed annually, assuming the results of our recent cat trapping as the minimum population. In addition, three landbird species—Izu thrush, Japanese wood pigeon, and Japanese scops-owl—were detected in the cat feces. Mikura-shima Island lacks management by the relevant governments to solve the cat issue. Urgent action is needed from these administrations.

  

和文タイトル

想定外に早くかつ急激な野生化ネコの海鳥への食性シフト:御蔵島におけるオオミズナギドリの繁殖シーズン移行期に捕獲されたネコの糞分析からのエビデンス
 

和文要旨

島で繁殖する海鳥へのネコの捕食は,島の生物多様性を低下させるインパクトに関するよく知られた例である.これらの島では,ネコの主要な食物(つまり海鳥)の数に季節による急激な変動があるが,これまで海鳥へのネコの食性シフトのタイミングを明らかにする研究はなかった.本研究では,御蔵島においてオオミズナギドリの越冬期から繁殖期への移行時期に,カメラトラップ調査,情報収集,および捕獲したネコの糞分析を行った.その結果,ネコによるオオミズナギドリの捕食は,想定外にもこれまでの報告で越冬海域にいる時期とされていた真冬から始まっており,また本研究のほかのどのモニタリング記録よりも早かった.この結果を受けて,御蔵島におけるネコ1 頭あたりのオオミズナギドリの年間捕殺数の推定値を330 羽に更新した.現在のところ御蔵島のネコの個体数は不明であり,したがって捕殺されるオオミズナギドリの総数も不明であるが,近年の我々のネコの捕獲結果を最低限の個体数と仮定すると,最低でも年間34 980 羽のオオミズナギドリがネコによって捕殺されていることになる.他にも本研究では,3 種の陸鳥-アカコッコ,カラスバト,オオコノハズク-がネコの糞から検出された.現在,御蔵島においては,関係行政によるネコ問題の解決を見据えた対策は実施されていない.関係行政による速やかな対策の実施が切望される.

 

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 「御蔵島野生化ネコ捕獲プロジェクト」

最近オープンした御蔵島村のポータルサイト
みくら島  「300人しか住めない、東京です。」
https://mikurasima-portal.jp/
その中で,私たちのプロジェクトを紹介してもらいました!
Vol.1 ~ Vol. 4まで,活動内容,メンバーの思いなど盛りだくさんです.ぜひご覧ください!
★ 御蔵島 野生化ネコ捕獲プロジェクト【Vol.1】
大学・研究機関、島民、島外団体、行政の「四位一体」で、島の幸せを守る。
https://mikurasima-portal.jp/news/619186/
★ 御蔵島 野生化ネコ捕獲プロジェクト【Vol.2】
ネコと森に向き合う1日に密着。
https://mikurasima-portal.jp/news/686328/
★ 御蔵島 野生化ネコ捕獲プロジェクト【Vol.3】
プロジェクトへの想いを聞く。
〜プロジェクトメンバーインタビュー〜
https://mikurasima-portal.jp/news/254287/
★ 御蔵島 野生化ネコ捕獲プロジェクト【Vol.4】
ネコだけじゃくて鳥も救えるんだったら、その方がいい。
〜保護猫カフェ「たまゆら」:今場さんインタビュー〜
https://mikurasima-portal.jp/news/841834/

2025/04/25

【報道・発表】野鳥における高病原性鳥インフルエンザ発生状況について (陽性確定 鹿児島県奄美市)(環境省)2025/04/23

報道発表】

野鳥における高病原性鳥インフルエンザ発生状況について (陽性確定 鹿児島県奄美市)

 2025年04月24日
環境省沖縄奄美自然環境事務所

 https://kyushu.env.go.jp/okinawa/press_00122.html

鹿児島県奄美大島奄美市で令和7年4月19日(土)に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づく国内希少野生動植物種に指定されているハヤブサの衰弱個体1羽が収容され、同日中に簡易検査を実施したところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認されました。(4月20日報道発表)
 これを受けて、個体回収地点の周辺10km圏内を野鳥監視重点区域に指定するとともに、国立研究開発法人国立環境研究所で遺伝子検査を実施していましたが、同年4月24日(木)に高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出された旨の報告がありました。
 本事例は、奄美大島で1例目の野鳥における高病原性鳥インフルエンザの確認事例となります。 引き続き、野鳥監視重点区域内の野鳥の監視を強化していきます。

 

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【報道】

奄美大島初の鳥インフル感染確認 衰弱したハヤブサから検出 遺伝子検査で確定

2025年04月25日

南海日日新聞社

https://www.nankainn.com/news/p-economy/%E5%A5%84%E7%BE%8E%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E5%88%9D%E3%81%AE%E9%B3%A5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%80%80%E8%A1%B0%E5%BC%B1%E3%81%97%E3%81%9F%E3%83%8F%E3%83%A4 

県は24日、奄美市で回収されたハヤブサ1羽から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出されたと発表した。ハヤブサは19日、衰弱した状態で見つかり、県の簡易検査で陽性だったため、国立環境研究所で遺伝子検査を実施、感染が確認された。奄美大島での感染確認は初めてとなる。

県は感染が確認されたことを受け、ハヤブサの回収地点の周辺半径10キロ圏内を対象とした環境省の野鳥監視重点区域の指定を5月17日まで継続することを決めた。

指定区域では19日以降、県や関係自治体の職員らが他に弱ったり死んだりしている野鳥がいないかパトロールするなど監視体制を強化しているが、これまでに、鳥インフルエンザ感染が疑われる事例の報告はなく、検査を行った検体もないという。

県によると、県内で野鳥の鳥インフルエンザが確認されるのは、3月26日以来、今シーズン(2024年11月以降)53例目。ハヤブサ以外では、出水市に飛来するナベヅルとマナヅルがほとんどという。


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【報道】

韓国の猫、高病原性鳥インフルエンザ確定…死亡の38匹のうち2匹に症状

 発信地:韓国 [ 韓国・北朝鮮 ]

https://www.afpbb.com/articles/-/3474881 

【07月30日 KOREA WAVE】ソウル市龍山区(ヨンサング)のある動物保護所で飼われていた猫2匹が、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に感染したことが確認された。韓国で猫が高病原性AI陽性判定を受けたのは2016年12月以来。

農林畜産食品省は25日、先に申告された疑い事例2件を全て調査した結果、いずれも高病原性AI(H5N1型)と陽性判定されたと発表した。この動物保護所では猫が高熱と食欲不振などの症状を見せて死亡した。

この保護所では猫40匹を飼っており、このうち38匹が死亡したという。38匹のうち2匹が生前呼吸器不全症状を見せて動物病院を訪れ、この猫2匹から検体を採取して高病原性AIに感染したという事実が判明した。

同省関係者は「現在、死亡した猫のほとんどの死体は焼却され、追加の検査は難しい」と述べた。ただ、この保護所は密閉された空間で猫同士の接触が多かったとされ、死亡した猫がみな、高病原性AIに感染した可能性が高いと推定される。

 

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韓国でペットフードから高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)検出

https://keibyo.jp/archives/12770 

韓国農林畜産食品部は,2023/08/04に,京畿道金浦市で2023/07/05に製造されたペットフードから高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が検出されこと,同工場で2023/05/23~08/01に製造されたペッドフード2銘柄の廃棄処分と,それを食べたネコの緊急予察を実施中であること等を発表しました。

 

 

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高病原性鳥インフルエンザ H5抗原が検出されたキャットフードの回収情報-韓国・情報提供-

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課

http://www.famic.go.jp/ffis/pet/obj/chuui20230803.pdf

 

 

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韓国で野生哺乳類から鳥インフルウイルス初検出、感染した鳥類を捕食したか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.19 06:41

https://japanese.joins.com/JArticle/331357?sectcode=400&servcode=400

韓国で初めて野生哺乳類から鳥インフルエンザウイルスが検出された。韓国環境部と国立野生動物疾病管理院は18日、全羅南道(チョンラナムド)和順(ファスン)の貯水池近くで16日に住民の申告により発見されたヤマネコ(絶滅危機野生生物2級)の死体を検査した結果、H5型の鳥インフル抗原が検出されたと明らかにした。

高病原性の有無は現在進行中である精密調査を通じて2~3日中に確認できるものとみられる。国立野生動物疾病管理院のイ・スウン疾病研究チーム課長は「結果が出なくはわからないが、通常鳥インフルにかかって死んだ場合は高病原性であることが多い」と話した。環境部は鳥インフル抗原が検出された直後に関係機関に通知し、緊急防疫措置を実施した。当局はヤマネコが鳥インフルに感染した鳥類を捕食する過程でウイルスに感染したと推定する。申告した住民が発見した時にヤマネコはすでに力なく倒れており、野生動物救助センターに移されてすぐ死んだためだ。

鳥インフルの亜種であるH5N1ウイルスが世界的に流行する中で、各国で哺乳類感染が続き防疫当局が緊張している。哺乳類への感染が頻繁に起きればウイルスが人体に感染できるまで進化しかねないためだ。世界動物保健機関(WOAH)によると、欧州、北米、南米、日本などで発見された感染事例は2022年に111件、2023年に271件、2024年に100件だった。

昨年米テキサス州の農場では乳牛がH5N1に感染した後、農場スタッフがウイルスに感染した事例もある。国立野生動物疾病管理院は2023年から全国の主要渡り鳥飛来地付近で死んでいるのが見つかったり救助されセンターに運ばれてきた野生哺乳類の鳥インフル感染を検査してきた。これまで検査した355件はいずれも陰性だった。

 

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速報 ラッコの死骸から高病原性鳥インフルエンザウイルス確認 ラッコの感染確認は国内初 海鳥と生息地が重なっていることが影響か 北海道浜中町

配信HBC

https://news.yahoo.co.jp/articles/c91951c6ba86620ce73f64fdc778fe6c512cf100

 北海道浜中町で回収されたラッコの死骸から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたことがわかりました。 ラッコから鳥インフルの感染が確認されたのは国内初だということです。

(中略)

北海道によりますと、2024年秋からの高病原性鳥インフル感染確認は101件となっていて、今シーズンは北海道東側の海鳥の感染が多いということです。 


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なぜ?海鳥約600羽・アザラシ6頭の死骸が…野鳥やアザラシに“高病原性鳥インフルエンザウイルス”感染拡大「渡り鳥から…感染したのではないか」北海道内4月に入り野鳥の感染急増-半数以上が根室地方(北海道ニュースUHB TimeLine)

https://video.yahoo.co.jp/c/18124/44e59bc6bdffca0e78a05feb09b7c66e1fdb635e

 北海道ニュースUHB TimeLine 2025年5月3日(期限5月4日まで)

 海鳥約600羽、アザラシ6頭の死骸が見つかりました。
 根室市の野鳥で高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が拡大。
 いったい何が起きているのでしょうか。
 充血した目。ぼんやりと砂浜に横たわるアザラシ。
 「4頭のアザラシが漂着しているのが見つかって、そのうちの1頭は生きた状態。打ち上っていて衰弱をしていた」(根室市歴史と自然の資料館の外山雅大学芸員)
 この約1時間後にこのアザラシは死にました。
 いったい何が起きているのでしょうか。
 「バードウォッチャーの人が観察中に、いきなり目の前でカモメが倒れた。(見つかった鳥の死骸は)5月2日の時点で593羽」(外山さん)
 見つかったのはアザラシ6頭、海鳥など593羽。
 大量の死骸が見つかったのは根室市です。
 地元の学芸員などの調査グループによりますと、市内の桂木地区で海鳥200羽以上、アザラシ4頭。
 長節地区でも見つかっています。
 このアザラシを含む死骸の一部を調べたところ。
 「鳥インフルエンザの検査で陽性が出てきた」(外山さん)
 北海道では4月に入り野鳥の高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染確認が急増。その半数以上が根室地方での海鳥による感染です。
 なぜ突然増えたのでしょうか。
 「(Q:なぜ根室で感染が拡大しているのか?)渡り鳥から地元に生息している鳥に
感染したのではないか。(Q:なぜアザラシが鳥インフルに感染?)鶏のフンに触れたり、はっきりと確かめられているものではない」(根室振興局環境生活課の浅井康孝課長)
 これから繁殖期を迎え、感染の広がりが心配される海鳥。
 通常、人への感染はないものの、北海道は死んだ動物に触れないよう注意を呼び掛けています。

 

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<国内初、アザラシが"鳥インフル"感染>北海道根室市で見つかったゼニガタアザラシの2頭の死骸から「高病原性鳥インフルエンザウイルス」検出…感染経路は不明・回収地点付近では野鳥の感染も確認

配信 北海道ニュースUHB

https://news.yahoo.co.jp/articles/b4b44eef81eec396b1ddd708df15b6290a068add

 専門家コメント 岸田直樹(感染症専門医/感染症コンサルタント/北海道科学大学客員教授)

高病原性鳥インフルエンザは“鳥の病気”の看板をほぼ外し、ヒト社会の門前まで迫っています。近年、アザラシ・キツネに加え昨年は大量のウシ感染が米国で確認され、哺乳類集団内で拡散する能力を着実に強化しています。「哺乳類適応=ヒトへの爆発的伝播」への階段を一段ずつ上がっている状況です。そして、今回の事例のように、日本という身近な場所で、国内として新しい哺乳類の事例発生、というのが着実に近づいているサインでもあります。地球上でヒトの次に多い哺乳類であるウシ・ブタで流行が定着すれば、パンデミックは“もし”ではなく“いつ”の段階になります。まず最初のブレーキは鳥での火種を徹底消し込むこと。迅速な殺処分と発生源封鎖ができればよいのですが、世界各地でそれが徹底できているとは言い難い状況です。根室納沙布岬への道は、時々マラソンコースで走っていてとても身近な場所です。たまにラッコがいて、感染しないか心配です。


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広がる高病原性鳥インフル…アザラシ、ラッコにも拡大、海鳥との生息地が重なり感染か ばんえい競馬では馬インフルでレース中止に、ワクチン接種で重症ならず

 2025年5月13日HBC北海道放送

 

(下記は抜粋,詳細は上記URLをご覧ください)

北海道大学大学院獣医学研究院(獣医学専攻)迫田義博教授 「鳥インフルエンザウイルスを持っている鳥の数、そして種類が多い。ウイルスとしては(その種感染してる動物を殺さずにとにかく移りやすいウイルスに変異していくわけですよね。ウイルスまみれの岩場とかをアザラシだとかラッコが共有することによって、偶発的な感染が起きていると。犬や猫への感染ってのはこれ諸外国で既に報告されてるんですね。ワンちゃんがそういう死体とかを直接触ったりかむことがないよう、注意が必要」

(略)

北海道帯広市のばんえい競馬では、4月25日に3頭の競走馬が「馬インフルエンザ」に感染したことが確認され、レースが中止に。 その後、およそ800頭いる競走馬のうち、半数にあたる420頭ほどに発熱や鼻水などの症状が出ていましたが、減少傾向になり、17日からようやくレースを再開できることになりました。

 (略)

私たち、数年前に新型コロナのパンデミックを経験しているので…みんなでしっかりと衛生レベルを高めていくと、そこで止めることができるということで、動物と人との交流もルールを守れば広がって行かないと思われます。 そのため、基本的には弱っている動物には絶対に近寄らない、触らない。ペットも含めて、徹底していきましょう。 




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家畜の病気を防ぐために

農林水産省
更新日:2025年4月23日

https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/ 

 

飼養衛生管理指導等指針について

2025年4月18日強化

https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/sidou_sisin.html

https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/attach/pdf/sidou_sisin-3.pdf

⦅E⦆野生動物への対策強化
(1)都道府県、市町村及び関係団体は、地域の関係者と協力し、野生動物の捕獲や、
清浄性又は浸潤状況を確認するための野生動物の検査のほか、食品残さ等を介した
野生動物への感染
を防止するためのゴミ箱や看板の設置等の適切な対策を総合的に
推進することが重要である。


(2)家畜の所有者等は、野生動物が隠れる場所をなくすよう、衛生管理区域周囲の除
草その他の必要な措置を講ずるとともに、衛生管理区域並びに畜舎及び飼料倉庫、
堆肥舎等の関連施設に野生動物が侵入しないよう、防護柵、防鳥ネットの設置等、
家畜の飼養農場が置かれた状況を踏まえた効果的な対策を講ずることが重要である。 


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奄美の発見地点10km圏内が野鳥監視重点区域に指定されました.2025年4月19日付

鹿児島県 令和6-7年鳥インフルエンザ情報(随時更新)

鹿児島県 野鳥監視重点区域(2025年4月19日指定)

環境省 高病原性鳥インフルエンザに関する情報
現在はレベル3



 

 

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米で広がる鳥インフル、飼いネコ感染リスクに警戒強まる

北米

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN23F0H0T20C25A1000000/

ニューヨーク=西邨紘子】米国で高病原性(H5N1)鳥インフルエンザが家畜や動物に流行する中、飼いネコへの感染に当局が警戒を強めている。ネコはイヌに比べ鳥インフルが重症化しやすく、死亡率が高い。屋内飼いのネコは飼い主との距離が近く、ヒト感染の経路となるリスクも指摘されている。

(中略)

過去の流行でネコ科の動物からヒトに感染した例が報告されていると指摘し、飼いネコや自らを鳥インフル感染から守るため(ウイルス感染したネズミや鳥,生乳や生食フードを食べてなどの感染を避けるために)「監視なしでネコを屋外に出す時間を制限するなどの予防策が必要だ」と助言している。



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“生食”ペットフードに潜む危険、米国では鳥インフルで猫が死亡

ペットの健康にいい証拠は不十分なうえリスクは明らか、米獣医師会は非推奨

2025.04.03 National Geographic
 
 
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鳥インフルエンザで甚大な被害、米国で今何が起こっているのか

ニワトリや乳牛で感染が拡大、乳牛に毒性の強い株も、ヒトでの危険性や安全対策は

 

最近、米国で鳥インフルエンザ(H5N1)による猫の死亡が相次いで報告され、愛猫家たちの間で大きな関心と懸念が広がっています。

AP News 2025/01/11, Los Angeles Times, New York Post 2025/03/15 

🐱 愛猫家の反応と懸念

カリフォルニア州サンバーナーディーノのジョセフ・ジョーネルさんは、2匹の猫が生肉入りの生乳を摂取した後に死亡し、3匹目の猫が入院を余儀なくされました。彼は、ペット用生乳の製造元であるRaw Farmに対し、獣医費用などの補償を求める訴訟を検討しています 。​AP NewsLos Angeles Times+2Los Angeles Times+2AP News+2

ニューヨーク市では、8ヶ月齢の子猫がH5N1ウイルスに感染し、数日後に死亡しました。この子猫は、感染が疑われる生肉入りのペットフードを摂取していたとされています 。​New York Post

オレゴン州では、同様の理由で2匹の猫が安楽死させられ、野生の鳥から感染した可能性が指摘されています 。​

これらの事例を受けて、愛猫家たちはSNSやフォーラムで情報を共有し、ペットフードの安全性や感染予防策について活発に議論しています。特に、生肉や未加熱の乳製品を避けることが推奨されており、加熱処理されたペットフードへの切り替えが広がっています。


🛡️ 専門家からのアドバイス

専門家は、以下の予防策を推奨しています:

  • 生肉や未加熱の乳製品をペットに与えない。

  • 屋外での猫の放し飼いを避け、屋内飼育を推奨。

  • 感染の兆候(食欲不振、呼吸困難、けいれんなど)を見逃さず、早期の獣医受診を心がける。

  • ペットフードの製造元や原材料の情報を確認し、安全性を確保する。

これらの対策は、猫の健康を守るために重要です。


🔍 まとめ

米国での猫の鳥インフルエンザ感染による死亡は、ペットフードの安全性や飼育環境への関心を高めています。愛猫家たちは情報を共有し合い、予防策を講じることで、愛猫の健康を守ろうとしています。

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Editorコメント

上記のとおり,鳥インフルエンザ感染においても,イエネコ自体への感染が認められ,イエネコが感染源として感染伝播や拡大に寄与している可能性も考えられます.また上記専門家のとおり,「鳥の病気」から「哺乳類の病気」と進みつつあり,やがて「人間への病気」へも時間の問題とのこと.

家畜への感染予防のためには,上記のように,家畜の飼養衛生管理指針に基づく対策強化が実施されています.

イエネコから他の動物(人間も含む)への感染事例として,これまでにトキソプラズマ症がありました.鳥インフル感染も含めて,やはり「野放しイエネコ」の存在は問題です.イエネコは完全室内飼養が必須で人としての常識です.

以上

 



2025/04/10

【論文】Leopard Cats Occupied Human Settlements in China for 3,500 years before the Arrival of Domestic cats in 600-900 CE around the Tang Dynasty

Leopard Cats Occupied Human Settlements in China for 3,500 years before the Arrival of Domestic cats in 600-900 CE around the Tang Dynasty 

https://www.scilit.com/publications/8ca0e70820d4988054b9735a051c034f

Han et al. 2025.

Abstract

The earliest cats in human settlements in China were not domestic cats (Felis catus), but native leopard cats (Prionailurus bengalensis). To trace when and how domestic cats arrived in East Asia, we analyzed 22 feline bones from 14 sites across China spanning 5,000 years. Nuclear and mitochondrial genomes revealed that leopard cats began occupying anthropogenic scenes around 5,400 years ago and last appeared in 150 CE. Following several centuries’ gap of archeological feline remains, the first known domestic cat (706–883 CE) in China was identified in Shaanxi during the Tang Dynasty. Genomic analysis suggested a white or partially white coat and a link to a contemporaneous domestic cat from Kazakhstan, indicating a likely dispersal route via the Silk Road. The two felids once independently occupied ancient anthropogenic environments in China but followed divergent paths and reached different destinations in human-animal interactions.

 

アブストラクト(翻訳)

中国の人間の居住地に最初に現れたネコは、イエネコ(Felis catus)ではなく、在来のベンガルヤマネコ(Prionailurus bengalensis)でした。イエネコがいつ、どのように東アジアに到達したのかを明らかにするために、私たちは中国各地の14か所の遺跡から出土した、過去5,000年にわたる22点のネコの骨を分析しました。核DNAおよびミトコンドリアDNAの解析から、ベンガルヤマネコは約5,400年前に人為的な環境に入り込み、紀元150年までその存在が確認されていることが明らかになりました。

その後、考古学的にネコの痕跡が数世紀にわたって見られなくなり、最初に確認されたイエネコ(706~883年)は、唐代の陝西省で発見されました。ゲノム解析により、このネコは白色または部分的に白い被毛を持ち、同時期のカザフスタンのイエネコと関連があることが示唆され、シルクロードを通じた分布経路の可能性が示されています。

この2種のネコは、かつて中国の古代の人間環境にそれぞれ独立して適応していましたが、その後は異なる道をたどり、人と動物の関係性の中で異なる運命を迎えることになりました。

 

 

 

 

A New Study Finds That Domestic Cats Traveled the Silk Road to China About 1,400 Years Ago

2025/04/09

【報道】宮古の農業と生態系を守れ クジャクと闘うハンター 琉球放送RBC 2025/4/9(水) 0:32配信

 【報道】

宮古の農業と生態系を守れ クジャクと闘うハンター 「人間の都合で持ち込まれて人間の都合で駆除されて…」 命を奪うことへの葛藤も

配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/54848d1c71779586814cdf56222222f7ed99246d

今年2月までの約18年間に,沖縄県宮古島市で捕獲されたインドクジャクの数は6,896羽。野生化し固有種の捕食など生態系に影響を及ぼしている外来種のクジャク。そんな招かれざる鳥と闘う島のハンターを取材しました。

・・・・・透き通る青い海が魅力の宮古島市。島にある森に目を向けてみると、ミヤコニイニイやミヤコカナヘビなど固有種が生息しています。 しかし、その森にはある招かれざる鳥が。緊急対策外来種のインドクジャクです。 30年以上前、観賞用として持ち込まれたクジャクですが、台風などで壊れた畜舎から逃げ出し野生化。繁殖力が強く、島に天敵がいないクジャクは瞬く間に大繁殖し、畑に現れては農作物を食い荒らす厄介者です。・・・・

 

インドクジャク(オス) Pavo cristatus(Wikipediaから)

 

Editorコメント

詳細は上記URLをご覧ください.

この報道でも紹介されていますが,このクジャク(写真)たちは飼育施設から逃げ出して野生化し,外来種化した鳥で,わが国にもそもそも居なかった鳥です.しかし,野外で自然に定着して繁殖して数を増やし,島の自然環境に大きな悪影響を与えてきています.農業被害も大きいです.

このような経緯(観賞用など)で外来種化する事例は,わが国でも多く起きています.そもそもの飼い主さんたちは,「外来種化のリスク」を自覚(責任)を持ってほしいものです.

自分の行為が新たな外来種を作ることにつながるという自覚です.そしてきちんと管理する責任です.

それができないならば,飼育はしないでほしいものです.後世に多大は損害と対策費が必要になります.

 

2025/04/08

【報道】24年度ノネコ捕獲146匹 飼い主への返還過去最多21匹 奄美大島 4/8(火) 13:00配信(南海日日新聞)

 

4年連続100匹超え 奄美大島ノネコ捕獲

 

24年度ノネコ捕獲146匹 飼い主への返還過去最多21匹 奄美大島

配信

 https://news.yahoo.co.jp/articles/2483f50a822abc3e6ca1f5b65810cf7d966937fd

環境省と奄美大島ねこ対策協議会は7日、鹿児島県奄美大島の山中で野生化した猫(ノネコ)の2024年度捕獲状況を発表した。同年度1年間の捕獲数は146匹で23年度(161匹)に次ぎ過去2番目に多かった。首輪や(個体識別のための)マイクロチップを装着した飼い猫とみられる個体が過去最多の21匹捕獲され、すべての猫が飼い主に戻された。

  在来種への影響が問題となるノネコの捕獲は、同省と県、島内5市町村が策定した「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」(18~27年度)に基づき、18年7月に始まった。年々エリアを拡大し、捕獲用に設置した籠わなは島内で600台を超える。カメラによるモニタリングも行っている。

 

世界自然遺産の島・奄美の希少動物を捕食するノネコ 24年度の捕獲数は146匹 環境省「順調に生息数減っている」

 
 

ノネコ捕獲検討会

 
 

以下はEditorのコメント
詳細は上記URLから記事を見てください.
 
このような対策が必要になったのは,イエネコの飼い主に問題がそもそもあるからです.
 
イエネコは屋外に居ることでいろいろと問題を起こします.屋外に出たイエネコは「最も身近な外来種となり,野生動物への「最強のハンター」になります.また,感染症の原因にもなります.屋外では,自由に繁殖して,数を増やしてしまいます.
 
動物保護管理法や条例にあるように,飼い主さんの大切なペットのイエネコです.イエネコを飼育したい人は,飼い主として責任を持って,適正飼養に徹して,屋内飼育を徹底してほしいです.
 
希少種の生息する山中に入っていくイエネコを作っているのは,イエネコの飼い主さんです. 責任を持って飼ってほしいです.
 
室内飼養で,多くの問題が解決に向かいます.
 
屋外ネコ外ネコイエネコの野生化個体は,侵略的外来種ワースト100(IUCNに選ばれ,わが国の「 我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト( 環境省・農林水産省(2014 ) 」の緊急対策外来種に選ばれています.またイエネコが感染源となっているトキソプラズマ感染の被害を受けた人々によって患者の会も結成されています.
 


2025/04/06

”Success of Mongoose Eradication on Amami-Oshima Islan in 2024" Booklet by the Ministry of the Environment of Japan (March 2025)

Booklet titled 

"Achievement of Mongoose Eradication from Amami-Oshima Island, September 2024"

Amami-Oshima, Conservation of the only one ecosystem in the world

Mongoose Eradication Project on Amami-Oshima Island

 

Released by the Ministry of the Environment of Japan (March 2025).

 

Please download from the sites below.

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/awcc/pamphlet/alien/mongoose_english.pdf



 

 

和文版(in Japanese)

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 2024年9月奄美大島からのマングース根絶達成

世界でたったひとつの奄美を守る

奄美大島マングース防除事業 

(環境省2025) 

環境省からブックレットが発行されました.まだHPに掲載されていませんので紹介します.
下記のサイトからダウンロードしてください

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/awcc/pamphlet/alien/mongoose.pdf





 

 

 

2025/04/03

【報道】島の地域課題に一石 ペット飼育環境の改善訴え 高校生サミットで徳之島高校(南海日日新聞社2025年4月2日)

島の地域課題に一石 ペット飼育環境の改善訴え 高校生サミットで徳之島高校

 南海日日新聞 2025年4月2日

(赤塚 臨)

 https://www.nankainn.com/news/education/%e5%b3%b6%e3%81%ae%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e8%aa%b2%e9%a1%8c%e3%81%ab%e4%b8%80%e7%9f%b3%e3%80%80%e3%83%9a%e3%83%83%e3%83%88%e9%a3%bc%e8%82%b2%e7%92%b0%e5%a2%83%e3%81%ae%e6%94%b9%e5%96%84%e8%a8%b4%e3%81%88

 犬や猫は「家族」という意識を|。3月19日に奄美市名瀬の大島高校で開かれた高校生サミットで、徳之島高校の生徒3人が約500人の聴衆に訴えた。発表テーマは徳之島のペット飼育環境の向上。1年間かけて調査してきた島内の犬猫の現状について報告し、「島民の意識の改善が必要」と島が抱える課題に一石を投じた。
 
詳細は上記URLを御覧ください.