2025/06/13

【報道】SFTSと確認されたイエネコを治療した獣医師死亡、マダニ感染症疑い 獣医師会が注意呼びかけ 朝日新聞 2025/06/13

 【報道】

SFTSと確認されたイエネコを治療した獣医師が死亡、マダニ感染症疑い 獣医師会が注意呼びかけ

朝日新聞 2025/06/13 
 
 
概要 
マダニを通じてウイルスが哺乳類に感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、感染したネコの治療にあたっていた三重県内の動物病院の獣医師が死亡していたことが、わかった。獣医師も感染していた疑いがあるという。 
 
検査でSFTSと確認されたイエネコの入院治療にあたった後、5月に呼吸困難などSFTSの症状がみられ、病院に搬送。数日後に亡くなった。マダニに刺された形跡はなかった。ほかの動物病院関係者や飼い主らに症状はないという。 
 
 

マダニ感染症で死亡の獣医師「胸が苦しい、息苦しい」訴え緊急搬送 発症前に感染ネコ治療

配信

 

マダニ感染症で獣医師死亡、三重 感染したネコの治療に従事

配信

 

猫治療した獣医師死亡 マダニ感染症の疑い 獣医師会が注意呼びかけ

配信

 

ネコを治療した高齢の獣医師が死亡 マダニ感染症「SFTS」か 呼吸困難などを訴え病院に搬送 三重

配信

 
 

ネコの治療後に獣医師が死亡 マダニなどが媒介する感染症「SFTS」に感染か 三重県

配信

 
 
 
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マダニ感染症で60代女性死亡 香川

配信

 
香川県は9日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で、同県三豊市の60代女性が死亡したと発表した。
 
県によると、5月25日に発熱や筋肉痛などの症状が出て、医療機関に入院。今月7日に死亡した。県はマダニにかまれたと推定している。県は屋外では肌を露出せず、虫よけスプレーを使用することなどを呼びかけている。
 
 
 
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Editorから 
詳細は上記URLを参照してください.
 
 

 
 

厚生労働省「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」 

重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome :SFTS)は、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。
 
感染症法では四類感染症に位置付けられています。

1 病原体

フェヌイウイルス科バンダウイルス属の重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS)ウイルス

2 感染経路

主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する。 SFTSを発症している動物との接触により感染することもある。

3 潜伏期

6日~2週間程度

4 診断と治療

(1)臨床症状:
発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、時に、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。
血液所見では、血小板減少(10万/㎣未満)、白血球減少(4000/㎣未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。致命率は約10~30%程度である。

(2)診断:血液、血清、咽頭拭い液、尿から病原体や病原体遺伝子の検出、血清から抗体の検出

(3)治療:対症療法
※国内では、抗ウイルス薬(ファビピラビル)の使用が承認されている。

5 予防

草むらなどマダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに刺されない予防措置を講じる。

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【マダニ感染症】ネコを治療後に獣医師が死亡...ネコと人を守るために飼い主ができること 

#エキスパートトピ(石井万寿美) - エキスパート - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6c5c17de0675ed571d0ee2666864c9f37c0c96ac 

 

 

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最近の参考文献

 「人獣共通感染症リスクと侵略的外来種問題 」(日本生態学会誌,2025年)
https://researchmap.jp/_yw/published_papers/50380223/attachment_file.pdf
(フリーPDF)

「イエネコ問題の本質に迫る : あふれるネコを生み出す人間社会」(生物の科学遺伝,2023年)フリーダウンロード
https://researchmap.jp/_yw/misc/42125058/attachment_file.pdf
(フリーPDF) 
 

2025/06/10

【報道】希少動植物が生息する沖縄・東村 野生化したヤギ 沖縄タイムス2025/06/09

 

【報道】希少動植物が生息する沖縄・東村 野生化したヤギが「有害鳥獣」扱い 村や県が捕獲に力を入れる理由は

 
沖縄タイムス 2025/06/09 
 
 
概要(詳細は上記URLをご覧ください)
 
東村高江に生息する野生化したヤギ(ノヤギ)。竹富町西表島などにも分布し、沖縄県は2023年に外来種の中でも優先的に防除する必要がある「重点対策種」に指定した。東村では農地作物の食害が出ており、希少な動植物が生息する森の生態系に悪影響を 及ぼす懸念もある。村や県は捕獲や拡散防止に力を注いでいる。(北部報道部・大庭紗英) 
 
(略) 
ノヤギを「有害鳥獣」として取り扱い、対策に乗り出した。これまでイノシシやカラスの捕獲作業をしてきた狩猟者らでつくる「有害鳥獣被害対策実施隊」がノヤギの捕獲作業を通年で始めた。
 
(略)  
ノヤギ分布が深刻だった西表島では、竹富町が本年度4月1日からヤギの適正飼養・管理に関する条例を施行。飼育の際には首輪や耳標の装着、放し飼いの禁止、脱走した際の通報義務等が定められている。違反した場合は、指導や勧告、過料が科せられるようになった。
 
(略)  
沖縄外来種.com」でノヤギを含めた外来種の情報提供を呼びかけている。
詳細はhttps://okinawa-gairaisyu.comから。 
 
 
Editorコメント
家畜ヤギは食料として琉球諸島では歴史的に利用されてきました.しかし,飼育管理が不十分で,野放しに近い例もあり,外来種化(人間の管理外になり自然界に進出)して問題(植生破壊,土壌流出,生態系破壊など)を起こしている事例が多くあります.家畜として適正飼養が基本で,外来種化した個体は自然界からの排除が必要です. 
 

2025/06/05

【論文】人獣共通感染症と外来種についての総説

【論文】 亘 悠哉. 2025. 人獣共通感染症リスクと侵略的外来種問題.日本生態学会誌.

https://doi.org/10.18960/seitai.2207

(open access) 

上記URLから論文PDFをダウンロードできます.ぜひご覧ください. 
  
おすすめ点 
人の最も身近な動物であるネコはさまざまな人獣共通感染症リスクに関わりますが,本総説では,SFTSとトキソプラズマの感染サイクルにおけるネコの役割について重点的に取りあげています.
また,人獣共通感染症対策の選択肢としての外来種対策の重要性,それを実現するための制度的課題,既存制度でもセクター間で連携して取り組まなければならない,という指摘をしています.
 
 
アブストラクト

人獣共通感染症の発生は増加しており、公衆衛生や社会経済、生物多様性の重大なリスクとなっている。人獣共通感染症の発生を促進する主な要因のひとつが外来種の侵入である。そのプロセスはおもに2つあり、ひとつは外来種の侵入に伴う病原体や病原体媒介生物(ベクター)の随伴移入により、新たな感染症リスクが生じるプロセス、もうひとつはもともと地域に潜在する病原体やベクターを増加・拡散させるプロセスである。しかしながら、これまで人獣共通感染症に主に対応してきた動物衛生や公衆衛生の分野においては、必ずしも外来種問題の関心が高くはなく、人獣共通感染症対策において外来種対策や生態学的な概念が取り入れられることはほとんどなかった。こうした知識ギャップを埋めるため、本総説では、これまで散発的に報告されてきた人獣共通感染症と外来種をキーワードとする研究事例を整理し、以下の3つの事例について紹介し、それぞれ外来種が感染サイクルの中で果たす役割やとりうる対策の方向性に整理した。

1)イエネコへの餌やりで深刻化するトキソプラズマ症リスク、

2)自然環境と人間生活圏をまたいだ重症熱性血小板減少症候群(SFTS)感染サイクルと外来哺乳類の役割、

3)国内外来ニホンジカの移入がもたらす人のマダニ刺咬リスク。

これらの事例を受けて、人獣共通感染症対策の新たな選択肢として外来種対策を追加する提言を行った。 

2025/06/04

【報道・論文】うれしいニュース、外来種のウシガエルを駆除したら、ヨセミテ固有種の亀が復活2025-06-02 08:00

 

【報道】うれしいニュース、外来種のウシガエルを駆除したら、ヨセミテ固有種の亀が復活

https://karapaia.com/archives/513998.html

(著) (編集)

公開:

アメリカ・カリフォルニア州の壮麗な自然を抱くヨセミテ国立公園。この世界遺産でもある名所に、かつては当たり前にいた在来種のブチイシガメが、数十年ぶりに復活の兆しを見せている。

 彼らの激減の原因でもあった外来種のウシガエルが駆逐されたことにより、カメの幼体が食べられずに成長するようになり、生息数の増加につながったのだ。

 

【論文】

Effects of invasive American bullfrogs and their removal on Northwestern pond turtles

Woodruff, Sidney M. , Grasso, Robert L. , Halstead, Brian J.  and Todd, Brian D.

https://doi.org/10.1016/j.biocon.2025.111090 

 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006320725001272?via%3Dihub

2025/06/02

【報道】鹿児島県・奄美市で放送大学公開講座、クロウサギ農作物被害年々増加 樹木の中でなぜタンカン食害調査中 奄美新聞2025/06/02

 

鹿児島県・奄美市で放送大学公開講座、クロウサギ農作物被害年々増加 樹木の中でなぜタンカン食害調査中

配信

 

 https://news.yahoo.co.jp/articles/d92ee13ac72c0dc094f2575d139bfe975afd1d49

 

【概要】 

国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギによる農作物被害。年々増加しており、特産果樹タンカン食害では「一番栄養がある」とされる皮の部分がかじられることで、幼木では枯れる被害が出ている。多くの樹木がある中、「なぜタンカンに食害を与えるか」について大学での調査研究が進められている。  1日に県立奄美図書館であった放送大学鹿児島学習センター(高津孝所長)の公開講座で、講師を務めた鹿児島大学農学部の香西(こうざい)直子准教授が報告した。香西氏は愛媛大で農学博士号を取得。2017年から鹿大に赴任しており、奄美でも調査研究を行っている。 

 

(詳細は上記URLをご覧ください) 

2025/06/01

【報道】「共生」を考える(連載)奄美新聞社 2025年5月26日,5月27日,6月1日

 

「共生」を考える 希少種による農作物被害の現場から 1 

2025年5月26日

https://amamishimbun.co.jp/2025/05/26/56305/

対策構築も課題多く
連載を始めるにあたり 河合渓(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター)

 

 

「共生」を考える 希少種による農作物被害の現場から 2 

2025年5月27日

https://amamishimbun.co.jp/2025/05/27/56318/ 

希少種保護の成功がもたらしたもの

農作物被害増加の背景 鈴木真理子(環境省奄美群島国立公園管理事務所)
 
 
 

「共生」を考える 希少種による農作物被害の現場から 3 

2025年6月1日

https://amamishimbun.co.jp/2025/06/01/56403/ 

ウサギごと囲い繁殖も
タンカン樹皮食害現地から㊤ 大海 昌平(果樹農家)