2026/07/26

【プレスリリース】ネコ科動物を終宿主とする寄生虫「トキソプラズマ」感染が,奄美大島のアマミヤマシギで初確認 / 日本獣医生命科学大学 2026/06/30

プレスリリース「世界自然遺産・奄美大島にすむ希少鳥類に、寄生虫「トキソプラズマ」の感染を初確認 

日本獣医生命科学大学」2026/06/30

https://www.nvlu.ac.jp/news/20260616-01.html/

 【新着論文】ネコ科動物を終宿主とする寄生虫「トキソプラズマ」感染が,奄美大島のアマミヤマシギで初確認

論 文 名:
Toxoplasma gondii infection in the endangered Amami Woodcock,Scolopax mira (Aves:Charadriiformes)
(和訳)絶滅危惧種アマミヤマシギScolopax mira(鳥綱:チドリ目)におけるToxoplasma gondii感染
著  者:

鈴木 遼太郎1)、常盤 俊大2)、伊藤 圭子3)、鳥本 亮太4)、新屋 惣5)、播谷 亮1)、山本 昌美1)※、吉村 久志1)

1. 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医保健看護学科・病態病理学研究分野
2. 日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科・獣医寄生虫学研究室
3. 奄美いんまや動物病院
4. ゆいの島どうぶつ病院
5. 奄美野生動物医学センター
※責任著者
掲載雑誌:
International Journal for Parasitology:Parasites and Wildlife,2025 28:101135.
Elsevier
doi: 10.1016/j.ijppaw.2025.101135.

研究内容:

東京から南西へ約1,300kmに位置する奄美大島は、アマミノクロウサギやルリカケスなど、多くの固有種が生息する亜熱帯の島です。豊かな自然が残る一方で、島の野生動物は人間活動による様々な影響を受けています。私たちの研究チームは、奄美大島の動物病院や環境省の施設と連携し、救護された傷病動物や自動車事故などで死亡した動物を対象とした病理学的研究を進めています。このたび、中琉球の固有鳥類であるアマミヤマシギにおいて、寄生虫トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)の感染を初めて確認しました。

本研究では、自動車事故などの原因で死亡したアマミヤマシギを島内各地から収集し、遺伝子検査と組織検査の2つのアプローチにより、トキソプラズマの感染状況を調べました。その結果、調査した個体のうち2個体の脳からトキソプラズマの遺伝子が検出されました(感染率9.1%)。このうち1個体では、免疫組織化学検査と透過電子顕微鏡を用いた解析により、心臓の筋肉の細胞内にトキソプラズマが確認されました。

トキソプラズマは、哺乳類や鳥類に感染する単細胞の寄生虫です。この寄生虫は生活環を完結させるためにネコ科動物への感染が必要であり、ネコの糞とともに排出された虫体が、経口的に様々な動物に感染します。奄美大島では、持ち込まれたイエネコの野生化が確認されており、本研究の結果は、野外でネコからアマミヤマシギにトキソプラズマが感染している可能性を示しています。

アマミヤマシギは、「国内希少野生動植物種」に指定され、国の保護対象となっている鳥類です。今回感染が確認された2個体では、感染による明らかな生体への負の影響は認められませんでした。しかし、調査集団には様々な偏りが含まれる可能性があるため、本種への健康影響については、今後も慎重に評価していく必要があります。

本研究の実施に当たり、「バードリサーチ調査研究支援プロジェクト」よりご支援を頂きました。寄付をいただいた35名の支援者のみなさまに厚く御礼申し上げます。

(文責:鈴木遼太郎)

 

 

2026/07/23

【報道】飼い主がいないネコが「SFTS=重症熱性血小板減少症候群」に感染 地域に住み着いたネコの元気がなくなり、住民が動物病院に連れていき判明 マダニが媒介か(山陰放送,2026年7月23日)

 

【報道】飼い主がいないネコが「SFTS=重症熱性血小板減少症候群」に感染 地域に住み着いたネコの元気がなくなり、住民が動物病院に連れていき判明 マダニが媒介か

山陰放送

2026/06/28

【発表・報道】徳之島における生態系保全等のためのネコ管理計画 環境省・鹿児島県,徳之島町,天城町,伊仙町2026年5月29日

 

【発表】

徳之島における生態系保全等のためのネコ管理計画

徳之島において、アマミノクロウサギやトクノシマトゲネズミ等の希少種がネコに捕殺される事例が確認されています。また、世界自然遺産登録前には、世界遺産委員会の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)からもノネコを含む侵略的外来種が世界遺産の価値に影響を与える脅威であると指摘を受けており、徳之島において管理計画の策定や適正飼養の推進、飼い主不明ネコの発生・増加の防止、森林域のノネコ対策を一体的・計画的に推進することが求められています。

このことから、この度、徳之島の生態系保全等を目的に、環境省沖縄奄美自然環境事務所、鹿児島県、徳之島3町が共同で、「徳之島における生態系保全のためのネコ管理計画」を策定しました。

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/press_00145.html 

https://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/tokunoshima_nekokannrikeikaku.html

 

「徳之島における生態系保全等のためのネコ管理計画(2026年度~2035年)」

環境省・鹿児島県,徳之島町,天城町,伊仙町 

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/content/000402754.pdf 

https://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/documents/128336_20260528124842-1.pdf

 

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【報道】

徳之島ネコ管理10年計画 希少種被害 生態系保全へ 環境省や県 「飼い主不明」発生源ゼロ目標

読売新聞オンライン2026/06/24 05:00 

https://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20260623-GYTNT00177/ 

(概要,詳細は上記URL参照) 

世界自然遺産に登録されている徳之島の生態系を保全するため、環境省沖縄奄美自然環境事務所や県、地元3町は、特別天然記念物「アマミノクロウサギ」といった希少種を捕殺する猫に関する管理計画を策定した。今年度から2035年度までの10年間で、飼養登録がなく、屋外で活動する「飼い主不明ネコ」の発生源をなくすことを目標に掲げている。

 

県によると、徳之島には元々、猫を含む肉食性哺乳類はいなかったが、餌となるネズミを求めて人の生活圏に現れるハブ対策として、猫を屋外で放し飼いにしてきたとされる。その一部が野生化し、常に山野で生活する「ノネコ」となっており、実際にアマミノクロウサギなどが被害に遭う事例が確認されている。 

 (中略)

鹿児島県自然保護課「目標を達成するには、地域住民の協力も不可欠。計画に基づいて発生源を断つことができるよう、関係機関が意識を統一して取り組みたい」と話している。 

 

【Editorコメント】

奄美・琉球世界自然遺産登録地で,管理計画は徳之島が最後の策定になった.これで登録地4島(地域)で,屋外イエネコ問題がない西表島をのぞいて,奄美大島,徳之島,そして沖縄島北部地域のすべてにおいて,イエネコ対策の管理計画が策定されたことになる.IUCNと世界遺産委員会からの課題の一つが,まずは達成されたといえる. 

 

奄美大島

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/0328amami.pdf 

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/awcc/pdf/roadmap.pdf

 

徳之島 

https://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/documents/128336_20260528124842-1.pdf 

 

沖縄島北部地域

https://kyushu.env.go.jp/okinawa/content/000168370.pdf 

 

2026/06/17

【発表・報道】マダニ感染症、最多25年上回る 致死率高いSFTS、累計72人(共同通信)2026年6月16日

【報道】  

マダニ感染症、最多25年上回る 致死率高いSFTS、累計72人(共同通信)2026年6月16日

https://news.yahoo.co.jp/articles/d7b14fbaf059eb2b19a9c9163283e6e3cead462d

 概要(詳細は上記URL)

マダニが媒介し致死率の高いウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者数が今年、速いペースで増加している。国立健康危機管理研究機構によると、今月7日までの累計は72人。通年で過去最多の192人を記録した2025年の同時期(68人)を上回っている。  都道府県別の累積患者数は静岡、愛知、愛媛、長崎がそれぞれ5人。山口、佐賀、熊本、大分がそれぞれ4人だった。 


【報道】

マダニ媒介のSFTS 60代男性感染 茨城県内2例目

茨城新聞クロスアイ 2026年6月16日

https://news.yahoo.co.jp/articles/3b9ad30314e5aca69bf8a8df990c060362f61bfb 

【概要】(詳細は上記URL) 

 茨城県は16日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に県内在住の60代男性が感染したと発表した。人の感染確認は県内2例目。筑西保健所管内の医療機関から発生届があった。男性の命に別条はなく、現在は県内の病院に入院している。

 

【発表】 

国立健康危機管理研究機構

https://www.jihs.go.jp/ 

 国立感染症研究所

感染症発生動向調査で届け出られたSFTS症の動向について

https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idss/target-diseases/sfts/index.html