2022/05/30

【報道】世界自然遺産の島・西表にオオヒキガエル 特定外来生物2年ぶり捕穫 生態系に悪影響の恐れも(環境省)

西表島=竹富】環境省西表自然保護官事務所は2022年5月10日、竹富町西表島の県道で、特定外来生物、オオヒキガエルの雌の成体1匹を捕獲したと発表した。西表島でオオヒキガエルが捕獲されたのは2年ぶり。
(以下 略)

2022年05月10日

西表島におけるオオヒキガエルの捕獲について

2022年5月7日(土)20時15分頃、船浦地区を通る県道上で、特定外来生物「オオヒキガエル」Rhinella marina を捕獲したのでお知らせします。 他のオオヒキガエルも生息している可能性がありますので、姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を発見した際には、西表自然保護官事務所までご連絡をお願いいたします。
 また、島外から搬入される資材等に紛れて侵入する可能性があるため、資材搬入の際には、オオヒキガエル等がいないか、十分にご確認をお願いいたします。 

西表島におけるオオヒキガエルの捕獲状況

 西表島においてオオヒキガエルが最後に確認されたのは、令和2年6月13日に上原港で捕獲されたメスの個体で、それ以来2年ぶりの捕獲となりました。2000年以降の捕獲状況は以下の通りです。

2000年以降のオオヒキガエル捕獲事例

件数 捕獲された地区
2000年 1件 大原
2001年 1件 大原
2002年 4件 大原3件、住吉1件
2003年~2005年 0件
2006年 1件 大原
2007年

1件

大原
2008年~2016年 0件
2017年 1件 吉見
2018年~2019年 0件
2020年 1件 上原
2021年 0件
2022年 1件 船浦

オオヒキガエルについて
 
オオヒキガエルは中南米原産の大型のカエルで、サトウキビ害虫駆除の目的で日本に移入され、各地で生態系に係る被害を引き起こしている侵略的外来種です。本種は、特定の食物に対する選好性がないため、多くの在来小動物に高い捕食圧を及ぼしていると考えられています。また、耳腺から強力な毒物を分泌し、幼生も毒を有していることから、イリオモテヤマネコをはじめ、カエル類を食物とするさまざまな在来捕食者への毒による悪影響が懸念されます。さらに、繁殖力が強いために在来カエル類を駆逐し生態的に置き換わってしまうおそれも指摘されています。環境省では「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」に基づく特定外来生物として、本種の飼育、保管、運搬等を禁止しています。
 
オオヒキガエルの特徴
 
オオヒキガエルは全長が8~15cm 程度と、西表島の在来カエル類より大きく、耳腺が目立ち、背中にある一面のイボイボが特徴です。オスは「ボボボボボ・・・・」と機械音のような鳴き声をし、夜間には街灯等の光に集まる虫を捕食するために明るい場所に出没します。
 
沖縄奄美自然環境事務所HP「オオヒキガエルとシロアゴガエルについて」
http://kyushu.env.go.jp/okinawa/wildlife/mat/m_2_2.html
 
オオヒキガエル from Wikipedia
 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%83%92%E3%82%AD%E3%82%AC%E3%82%A8%E3%83%AB
・日本で定着が確認されているのは小笠原諸島(父島、母島)、大東諸島(北大東島、南大東島)、八重山諸島(石垣島、西表島、鳩間島)などである[8][9]。
・導入の目的はサトウキビ畑の害虫駆除であり、戦前にハワイに移入された個体群が台湾経由で南大東島に持ち込まれたのが最初である。
・その後、この南大東島の個体群が1978年に石垣島の南部へ10匹程度が移入され、さらにその個体群が鳩間島へ導入された[8][9]。
・また、戦後のアメリカ占領下の小笠原諸島ではアメリカ軍によって父島へ1949年に移入され、1975年には父島から母島へ持ち込まれた[8][9]。
・西表島へは石垣島から運ばれる建築資材などとともに混入し、移動したと考えられている[9]。