解説と概要
絶滅危惧IA類(EN)の希少種イリオモテヤマネコPrionailurus bengalensis iriomotensisが,西表小中学校で飼育しているニワトリ小屋に侵入し保護され,治療後に森に放獣されたとのことです.この個体は,去年2021年4月に保護された老齢オス個体で,飼育ニワトリを採食に来たらしいと推測されています.
野生動物と家畜とが近接して生息する自然環境では,野生動物はとくに「餌や繁殖(交尾相手)」を求めて,家畜に接近するため,飼育する施設や住居に侵入してきます,家畜飼育者はこのような事態が起きることや,家畜からの病気感染が起きることを,十分に気をつける必要があります.
参考:これに関連して,下記の実態調査を行い報告書を作成しています.
発行年月日:2021年8月31日
----記事概要
環境省西表自然保護官事務所は,2022年4月21日に竹富町西表島において保護したイリオモテヤマネコを島内の森林で放獣したと発表。
ヤマネコは2022年3月13日朝に島西部の「西表小中学校内のニワトリ飼育小屋」で捕獲,個体は高齢オス個体で、感染症により皮膚が荒れるなどの症状が見られたため、「NPO法人・どうぶつたちの病院沖縄」の獣医師らによる治療などを経て放獣された。
この個体は、昨年2021年4月に島西部の干立集落で、衰弱しているのを保護されたヤマネコと同じ個体で,再度集落に来るかもしれないので,情報があれば環境省西表自然保護官事務所までを呼びかけている.