八重山毎日新聞
2022年03月19日
https://www.y-mainichi.co.jp/news/38304
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概要
世界自然遺産登録地域の沖縄県西表島の生態系や絶滅危惧種イリオモテヤマネコPrionailurus bengalensis iriomotensisを守るため,2004年から18年間の「野良猫保護収容事業」(竹富町委託:NPO法人どうぶつたちの病院沖縄(長嶺隆理事長、うるま市))によって,ペットのイエネコFelis catusの半野生状態のノラネコの生息数ゼロを達成か?と報道されました.
世界的にも先進的事例になります.西表島では,イエネコが完全に野生化したノネコはすでに存在せず,半野生状態のノラネコが存在していました.
西表島では,絶滅危惧種イリオモテヤマネコへのイエネコからの感染予防や生態系保全のために,外来イエネコ対策が実施されてきました.
「これまでの合計捕獲数は505頭で、ほとんどが飼い主の元に返されたり譲渡された」といいます.「ここ数年は捕獲ノラネコで猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)の感染例もない」とのことです(図).
「島内の飼い猫は2021年11月末時点で132頭で,条例に基づくワクチン接種99.3%,不妊化手術100%,マイクロチップ装着99.3%と非常に高い数値を保っている」とのことです。
「竹富町の飼養条例が施行され10年たち、新たにネコを飼いたいという人も増えてきている。条例を順守し、西表島の自然を守ってほしい」(同病院の中西真紀子獣医師),「今後、見つからない期間が続き、野良猫ゼロ宣言を出せるよう目撃情報の収集やセンサーカメラなどでモニタリングを継続し、警戒していきたい」(世界自然遺産推進室の仲盛敦室長補佐)とのことです.