2024/02/23

【論文・報道】野外イエネコの食事に関する世界的な総合的評価論文とNew York Times記事

原著論文

タイトル:A global synthesis and assessment of free-ranging domestic cat diet

(和訳:野外イエネコの食事に関する世界的な総合的評価)

掲載誌:Nature Communications. Published on 12. December 2023

https://www.nature.com/articles/s41467-023-42766-6

著者:Christopher A. Lepczyk, Jean E. Fantle-Lepczyk, Kylee D. Dunham, Elsa Bonnaud, Jocelyn Lindner, Tim S. Doherty and John C. Z. Woina.

屋外で放浪するイエネコ(野外イエネコ, Felis catus)が,屋外で何を食べているのかについて,公表データに基づき世界的に評価した論文が発表されました.

 

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The New York Timesがこの論文の解説記事を掲載し,その和訳が東洋経済ONLINEに掲載されましたので,本Editorなりの解釈で概要を以下に紹介します.詳細はURLをご覧ください.

記事

The New York Times

By Catrin Einhorn
Dec. 12, 2023

https://www.nytimes.com/2023/12/12/climate/cats-nature-biodiversity.html

Free-ranging cats hunt or scavenge more than 2,000 species, some of them imperiled, according to a new study. A study published on Tuesday in Nature Communications found that almost half of the species eaten by cats were birds, followed by reptiles, mammals and insects.

本紹介記事では,この論文の概要として,屋外で放浪するイエネコ(野外イエネコ, Felis catus)により狩られ,死体を漁られている動物は2,000種以上の動物で,そのほとんどは絶滅危機に瀕する種であったことを述べ,食べられている種の半数以上は鳥類で,残りは爬虫類,哺乳類および昆虫であったと述べている.さらには本記事では,屋外イエネコをどうするかも解説しています.下記の翻訳記事で述べました.


東洋経済ONLINE

2024/02/22 9:20
判明!「イエネコFelis catusが外で食べている」とんでもないもの 実は生態系を脅かすほどの存在になっていた(By Catrin Einhorn)
 
イエネコが食べていた予想外のもの
放し飼いにされているイエネコ(Felis catus)は2,000種以上の動物を食べており、生態系への影響について新たな懸念が示されている.食べられている動物種のほぼ半数は鳥類で、爬虫類と哺乳類がそれに続いた。また、オオカバマダラ、ヒメアカタテハ、皇帝トンボなど、昆虫類も予想外の数が発見された。その他、ラクダ、牛、アオウミガメなど、驚きのメニューが並んでいた.ラクダと牛はイエネコの狩りの腕前によって得た残飯、ウミガメはおそらく子ガメとか考えられる。

イエネコは想像以上にあらゆるものを食べており,オオカバマダラやアオウミガメを含む350種近くが、絶滅危惧種または絶滅の危機に瀕する種に指定されている.

 

屋外ネコをどうするか? の現状

最も深刻な論争:膨大な数の屋外イエネコをどうするか?里親の見つからないイエネコをどうするか?を下記のように整理して述べています.

1.TNR(捕獲・不妊去勢・返還trap-neuter-return)は,愛護団体などの提唱により,行政などが実施したりしている.しかし,集団に対して,継続的で高い割合の数のイエネコを処置しないと,効果は限定的になる.(Editor補足: 集団の繁殖を抑制できるが成獣個体は残る.繁殖可能個体が発生すると,集団の数は増えていく)

2.一方で,屋外イエネコに餌を与えて数を増やしてしまう事例もある.イエネコが自由に屋外を出歩くことを喜ぶ人もいる(Editor補足:撮影や映像,放送でも).

3.しかし,科学的根拠から,屋外イエネコは「侵略的外来種」に指定され,野生動物と同様に駆除が推奨され,ペット飼養の条例強化や屋外イエネコへの給餌を禁止する法律も整備されている.(Editor補足:日本でも常識化)

 
室内飼養の推奨のために,屋外ネコが受けている危険性を知る必要
イエネコが屋外で生活すること自体への危険性を知る必要があり,室内飼養のほうが利点がある.
 
事例として,①屋外にいると殺鼠剤の二次的影響が屋外イエネコにもあり,②一方,室内飼養だと室内での天敵としても飼い主に役立つことをあげている.
(Editor補足:①と②はUSAの事情なのかもしれないが,室内飼養効果として初めて知る見解で,記者に確認してみたい.交通事故や感染症防止などの方が大きいはず)

以上