朝日新聞デジタル記事
外来種対策「9割捕まえてからが残り9割」 マングースで調べてみた
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小坪 遊 2023年4月19日 7時30分
環境省が奄美大島で本格的な防除に乗り出したのは00年から。当時の島内のマングースは数千頭とも1万頭とも言われ、個体数のピークだったと考えられている。
繁殖を続けるマングースたちを、当初は年間約3千頭も捕獲し、「圧」をかけ続けた。このほか有害駆除などによる捕獲も一部はあったものの、根絶への大きな力となったのが環境省の事業だ。
19年度以降は1頭も捕まっていない。現場では多数のわなを見回り、探索犬の力も借りて「ゼロ」が積み上げられている。「外来種対策は、9割を捕まえてからが9割とも言われる」
1年ほど前、専門家からそんな言葉を聞いた。数を減らしてからが正念場であること、そこで気を抜けば、再び個体数が増加して、努力が水の泡となってしまうことを端的に示す言葉だ。
これは本当なのか。奄美大島のマングース防除事業を例に調べてみることにした。
00~22年度の23年間の予算は合計約33億4700万円。その間の捕獲は約2万1千頭に及ぶ。
「全捕獲個体の約9割に達した」という時期は07年度だった。このときまでに投じられた予算は、全体の15%だった。残り85%分の予算はその後。「9割を捕まえてからが9割」に近い。
さらに調べると、「全体の99%を捕まえた」のは12年度。それ以降、最後の1%を確実に捕獲し、「捕獲ゼロ」を見届けるために、合計30億円超の予算の約6割が使われていた。
(以下は略,URLサイトを参照のこと)
【コメント】
奄美大島から外来種マングースの完全排除(根絶,生息数ゼロ)を費用33億円程度で達成できた(つつある)ことは,世界的にも初の取り組みであり,高く評価されます.これで永遠にマングースからの影響がなくからです.