2017年5月13日土曜日

主張と提言



■ネコ問題とは


  • 愛くるしいネコたちは、実は屋外にいるだけで、それは外来種(本来そこに居てはならないもの)になります。外来種としてのネコは、色々な問題を引き起こします。
  • まず私たちの生活への悪影響としては、まず糞尿の悪臭、盛り声などの騒音といった公害問題、そのほかにお庭を荒らすなどの近所迷惑。
  • しかしそれ以上に深刻なのは、私たちの生命、身体、健康への危害です。 狂犬病やトキソプラズマといった感染症の危険性です。
  • またこの国の産業経済への打撃もあります。かつて宮崎県で大発生して数千万円規模の大損害を畜産業に発生させた口蹄疫ウィルスは、実は屋外放置されたネコがウィルスを運んだと考えられています(ドイツでは口蹄疫の大発生リスクを未然に防止するためにネコを放し飼いしているだけで最高3万ユーロ(日本円で約400万円)の罰金を飼い主に科します)。
  • 他方、ネコは優秀なハンターです。自然に生息する昆虫や野鳥、あるいはアマミノクロウサギやヤンバルクイナなどの絶滅危惧種、国の特別天然記念物をも捕獲殺害するからです。ネコが放し飼いされることで自然生態系が破壊されるリスクさえあるのです。


外来ネコ問題研究会の目的―科学者からのメッセージ


  • 私たちの研究会は、このネコ問題を解決すべく結集した動物生態学者、動物行動学者、法学者、そして獣医師などで結成された専門家集団です。動物愛護団体ではありません。
  • 私たちは、環境省との連携、情報共有のもとに活動を展開しています。私たちは、専門的見地から、このネコ問題の解決策を研究し、一般社会には普及啓発活動を、国または地方自治体には政策提言を行っています。
  • このネコ問題への解決は、実は、非常にシンプルです。それは屋外にいるネコが色々な問題を引き起こすわけですから、ポイントは3つです。
  • 1つは飼いネコは室内飼養を徹底する。
  • 2つ目。ノネコ以外の外にいるネコは安全な場所に保護収容する。
  • 3つ目。ノネコは、鳥獣保護法上の「狩猟鳥獣」であり、かつ希少種等に対する捕食者としてその影響が深刻化の一途をたどっていますから、早急に捕獲排除(殺処分)[1]する。以上です。


■ネコ問題って何が問題なの?


  • ネコ問題の最大の原因は、飼い主が室内飼育を徹底せず、外に放してしまっていることです。ましてや不妊去勢や予防接種もしないとなると、ウィルスや寄生虫を保有したネコが地域集落に蔓延してしまいます。
  • ネコは生後半年で繁殖能力を持ちます。そして一回の出産で平均5産みます。出産回数は、地域の寒暖差、個体特性や生息環境にもよりますが、23といわれています。従ってネコはそのまま放置し続けると、年間で数十頭にも増殖する計算となります。
  • こういった状況では、上記にも書きました私たちの健康被害や公害問題を引き起こすだけではなく、自分のペットにも危害が及ぶことは必至といえます。
  • ネコにとっても室内飼育が最も安心・安全(=幸福)なのです。


■ネコ問題解決にはどうすればいいの?


  • 上記のように、ネコが外に放置されることで、この問題は発生するのですから、この問題の解決においては、まず飼いネコについては、①室内飼育②登録制、マイクロチップの装着③不妊去勢④予防接種の徹底が必要です。
  • またすでに室外で生息してしまっているネコについては、第三者あるいは自然生態系に悪影響を及ぼさせないために、すべて捕獲する必要があります。
  • もちろん捕獲されたネコが誰かのペットの場合には、飼い主へ返却されますが、そのためには上記の②の証明が必要となってきます。捕獲されたネコは、自治体が経営する収容施設で一定期間保護して、新たな飼い主を探すこととなります。期間内に飼い主が見つからなかった場合には、残念ながら殺処分となります[2]
  • ですから、不幸な小さな命を救うためにも、飼い主は上記の①~④を遵守することが重要だと考えます。
  • また罪なき小さな命を守るためにもネコの里親にひとりでも多くの人がなってくれればと考えます。

  • よくネコの放し飼いについて、ネズミ捕りのためという人がいますが、ネコは上記で示した色々な問題の原因になりますから、かつての常識に縛られることなく、認識を改めて頂きたいです。ネズミ駆除には殺鼠剤の使用をお勧めします。

  • 他方、ノネコは、上記の通り、鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣として即殺処分の対象ですが、山林で捕獲しようとするネコが「ノネコ」である確証もないまま捕獲することは、法解釈上問題になります。したがって一定の条件を満たしているネコは、ノネコとみなすといった制度設計が必要になります。この制度設計は、保護対象の違いや地域特性によって事情は変わってきますので、地方自治体レベルで設計(条令化)すればよいと考えます。

  • 最後に行政は、このネコ問題解決に向けて積極的に住民に対して普及啓発活動をしなければなりません。またネコの登録制やマイクロチップ装着について、また予防接種、捕獲ネコの保護収容について、条例など制度づくりを積極的に進めていかなければなりません。さらには地域住民やNPONGOとの協働のあり方についても前向きに検討して行くべきであると考えます。





[1] ノネコは、法律上、即殺処分の対象ですから、捕獲⇒保護収容⇒馴化⇒譲渡先の模索⇒譲渡といった一連の手続きをとりません。この手続きに従うネコは、ノラネコだけです。

[2] ネコに対して行政が一定の法的根拠、法的手続に基づいて「殺処分」する場合、それは、動物愛護管理法の法解釈においても許容されています。この点については、環境省も私たちと同じ考えです。動物愛護管理法が禁止する「殺害」は、「みだりに」それが行われる場合のみで、「みだりに」とは、「正当な理由・根拠がないままに」という意味です。一部の動物愛護団体は、行政といえどもネコの殺処分は、一切行ってはならないといった解釈をしていますが、これは明らかに法を曲解しているといわざるを得ません。






 








2 件のコメント:

  1. 猫が私達の「生命」、「身体」、「健康」への危害を及ぼす、狂犬病やトキソプラズマといった感染症の危険性がある、と述べていますが、具体的に野猫がいるエリアといないエリアで比較検討した調査結果などの知見をお持ちなのでしょうか。
    また猫からの感染症がその他の感染症のリスクを上回る、生命や健康への危害を与えた例は国内過去10年で実際何件ありますでしょうか。ご提示ください。

    アマミノクロウサギの死骸の多くは道路沿いで見つかっているが、腐敗が進んでいて死因が特定できないものが多く、明らかに内臓が潰れている、など車によるものと特定できる死骸でなければ、交通事故にカウントしていません。道路沿いの死骸の多くは原因不明としてカウントされていますが、山に捕食されて発見されない個体が多くいると考えられるなら、道路沿いの死骸の多くは交通事故によると考えられる、ということになり、更に食べ尽くされて発見されない死骸の死因は、交通事故によるものも多く含まれているかもしれません。
    このようなことを互いに言い出すと、正しい結果は得られませんので、このような意見はあくまで個人的な考察ということで、事実として証明されません。数値として現れないので。
    その考察(想像)でしかない見解を堂々と述べていらっしゃる。本当に有識者の集まりなのでしょうか。驚きました。現に科学的根拠が乏しいとの事で、署名運動もあり、かなりの署名を集めたようですね。

    また、ノネコと野良猫の区別を図ろうとしているようですが、(この点に関しても本当に有識者の集まりなのか疑問です)生物学上ノネコ、野良猫も全て猫であり、そもそも全て飼い猫だったはずです。
    捕獲して人間が飼えば、また飼い猫になります。人間のせいで数が増え、それを何年も放置し、殺処分して、また増やし、また殺処分、を繰り返す行為はみだりな殺害以外なにものでもありません。また、ノネコなる種は存在しません。そのため、猫の殺処分は、「正当な理由・根拠がないままに」行われる行為にあたり、動物愛護法違反となります。
    捕獲、譲渡をすれば良いだけで、殺処分の必要は全くありません。

    もうご存知かもしれませんが、下記の文献により、殺処分とTNRによる効果の比較を見られます。まだご存知ないのでしたら、是非一読されるようお願いいたします。
    また、この文献を読んでもまだ殺処分しかないというなら、その理由を具体的に述べて頂けますか。

    奄美野良猫、野猫問題 TNRは、スマートTNRへ (論文など、調査報告)
    http://dokusyokansou-iken.seesaa.net/article/440831958.html

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  2. 猫の経済効果について
    日本初の「猫の駅長」に就任し人気を集めた和歌山電鉄貴志川線の「たま駅長」を皮切りに、全国で猫の駅長や館長が出現、地域の観光客誘致につながり、「たま駅長」だけでも直接効果は年間11億1000万円に上り、観光分野での直接効果は全国で約40億円と推計されています。さらに、猫関連の本や写真集、映像の売り上げが年間約30億円になり、直接効果の総計は1兆1072億円余りに上るそうです。ネコノミクスという言葉は流行語にもなりました。

    口蹄疫に関して異議があります。
    「実は屋外放置されたネコがウィルスを運んだと考えられています」
    の根拠となる記事や文献を教えて頂けますか。

    参考までに、過去627例の「世界の口蹄疫発生原因」を解析した米国農務省の報告によると、口蹄疫の初発原因は、汚染畜産物と厨芥が最も多く(66%)、次いで風や野鳥(22%)、感染家畜の輸入(6%)、汚染資材と人(4%)、不活化不充分なワクチン(3%)及び野生動物(<1%)でした。

    打ち明け話のような「実は…」という言葉も非常に幼稚な言い回しでおかしいです。

    「実は屋外放置されたネコがウィルスを運んだと考えられています」
    とありますが、誰が考えているのですか?
    地元宮崎の方ですか?農水ですか?
    こちらの団体の方々数名のみがそう考えているだけではないですか?
    でしたら、「考えられています」、の表記は「考えています」、と訂正すべきではないでしょうか。

    宮崎の口蹄疫は遺伝子解析の結果から韓国や香港で発生した口蹄疫ウイルスと非常に近縁であることが判っています。
    それは「韓国あるいは香港からウイルスが来た」ことを意味しますが、「何によって来た」のかはおそらく永遠の謎でしょう。

    口蹄疫は空気感染をします。
    口蹄疫ウイルスは最大で陸上で60km、海上で250kmもの間を飛んで伝搬する、と言われているようです。
    これらの結果より、口蹄疫のウイルス伝搬は、猫の可能性は限りなく「ない」と考えるのが、専門家の見識ではないのでしょうか。

    動物生態学者、動物行動学者、法学者、そして獣医師などで結成された専門家集団の方々は、この記事の校正はされたのでしょうか。科学的根拠がない記事を「実は…」「お庭」などと世間話のようにつらつら載せられて、恥ずかしくないのでしょうか。

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